届け出順を決めるくじを引く陣営関係者(右)

 広島県議の辞職に伴う県議補選広島市安佐南区選挙区(補欠定数1)が5日告示された。午前8時45分現在、無所属新人で元会社員の伊藤守氏(45)、諸派新人で市民団体幹事の山根岩男氏(70)=共産推薦、自民党新人で元山口県和木町議の灰岡香奈氏(38)の3人が立候補を届け出て、9日間の選挙戦に入った。安佐南区はすでに告示された知事選とのダブル選となり、ともに14日に投開票される。

 安佐南区は衆院広島3区に含まれる。2019年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、公選法違反罪の有罪が確定した河井克行元衆院議員と、妻の案里元参院議員(ともに自民党を離党)が県議時代から地盤にしていた。「政治とカネ」の震源地で衆院選に続く論戦が始まった。

 3人は10月上旬に相次いで立候補を表明した。

 灰岡氏は医療・福祉政策の推進に意欲を示す。伊藤氏は政治の信頼回復へ先頭に立つと主張する。山根氏は、大規模買収事件の解明を掲げる。

 県選管は5日午後5時まで、安佐南区役所で立候補の届け出を受け付ける。

 補選は県議2期目だった石橋林太郎氏(43)が10月31日投開票の衆院選に立候補するため、7月に辞職したのに伴う。石橋氏は克行氏の後任の党支部長候補者として自民党県連の公募で選ばれた後、自民、公明両党本部間の調整で自民党の比例代表中国ブロックに回り、初当選した。