xi (携帯電話)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/06/15 08:21 UTC 版)
後述の通り、「docomo LTE Xi」(ドコモ エルティーイー クロッシィ)と称される場合もあるが、サービス名そのものは正しくは「Xi」(クロッシィ)である。
目次 |
概要
通信規格には3.9Gに属する技術であるLTEが採用されている(かつてドコモはこの技術を「Super 3G」と称していた)。
ドコモの高速通信サービスの流れにおいては、mova(2G)、FOMA(3G)、FOMAハイスピード(3.5G) の流れを汲む、次世代の通信規格となる。また、3.9Gへの対応により4G (LTE-Advanced) への移行をスムーズに行う目的も持つ[3]。
このサービスは当初、下り最大37.5Mbps(5MHz幅×2)または最大75Mbps(10MHz幅×2、一部屋内のみ)の速度により提供を開始した(ただし、帯域幅表記は誤り訂正符号を含んでおり、これを除外すると31.3Mbpsと62.5Mbps[4])。これによりFOMAハイスピード(14Mbps)の約2.7倍の通信速度が得られ、ADSL並の速度になり、宅内における有線ブロードバンド通信との速度差がほぼなくなるとされる[5]。
現在は、屋外も徐々に10MHz幅×2に移行し始めており、2012年11月16日からは一部地域で順次新800MHz帯の5MHz幅×2および1.5GHz帯の15MHz幅×2によるサービスを開始し、下り最大100Mbpsの通信速度に対応した。なお、基地局側は下り最大112.5Mbpsの通信速度に対応している[6]。技術的には、20MHz幅×2でLTEカテゴリー4端末を使用した下り最大150Mbps[7]のサービスも可能である。2.1GHz帯は当面の間10MHz幅×2をXiに残り10MHz幅×2をFOMAハイスピードに使う予定。
2013年度中に、東名阪で使われている1.7GHz帯の20MHz幅×2を停波し、Xiへ転換することで下り最大150Mbpsの通信に対応させる[8]。 また総務省が東名阪エリア限定の解除を行うことで、全国エリアでの展開が検討されている[9]。 2014年度以降にはLTE-Advancedのサービス開始が予定されており、当初対応する端末は下り最大187.5Mbpsで通信が可能となる[10][11]。
現時点では、Xiデータ通信中に音声着信するとCSFB(Fallback)方式によりデータ通信も3Gに切替わるが、2013年度中にはXiのネットワーク上で音声通信もできるVoLTE(Voice over LTE)の商用化を予定している。これにより、高速データ通信を継続したまま同時に音声通話が利用可能となり、なおかつFOMA(3G)と比べて2~3倍の音声ユーザを収容可能となる。
パケットのレイテンシ(遅延)はLTEを利用しているため小さく、FOMAハイスピードやUQ WiMAXの半分程度である。
2012年10月12日からは、Xiのロゴマークの前に「docomo LTE」のロゴマークをつけて「docomo LTE Xi」に、テレビCMでも「ドコモのLTE、Xi」とアナウンスするなど、サービス名称のXiよりもLTEの方を前面に出したプロモーション活動を行なっている。また、最近では供給メーカー側のテレビCMでも最後に「docomo LTE Xi」とコールされている。ただし他キャリアのような「4G」の名称は使用されていない。
展開
2010年12月のサービス開始に合わせ、LGエレクトロニクスからUSBスティック型のデータ通信カード、L-02Cが発売されるほか、富士通からも追ってExpressCard型端末F-06Cが発売された。2011年夏にはXi対応のモバイルWiFiルーターを、2011年秋にはタブレットを、2011年冬にはスマートフォン(音声通話サービスとのデュアル端末)も発売した[2]。ただし、音声とのデュアル端末発売後も、音声通話は当面FOMA網を利用するとしており、パケット通信のみの提供となっている。2.1GHz帯(初期は主に5MHz幅×2、徐々に10MHz幅×2)のみでサービスを開始したが、2012年11月からは、ビル陰や山間部に電波が届きやすい新800MHz帯(最初は5MHz幅×2)および1.5GHz帯(15MHz幅×2)を順次開始する(2012年のXi冬モデル以降、端末については1.5GHz帯はすべて対応。ただし、UE Category 3であるため、下り最大100Mbpsとなる。UE Category 4の端末であれば、本来の下り最大112.5Mbpsに対応する。新800MHz帯は、2012年冬モデル時点では一部の端末のみ対応)。2013年度中には、東名阪バンドである1.7GHz帯(20MHz幅×2)でのサービスを順次開始する予定。また、2015年1月からは700MHz帯(10MHz幅×2)によるサービスも開始する予定である。
人口カバー率は、2013年4月現在、以下を目標としている[12]。2013年3月末までは実績値。
- 2011年3月末 - 8% (約1,100局)。エリアは東京23区(概ね山手線の内側、羽田空港など)、愛知県(名古屋市中心部と中部国際空港)、大阪府(大阪市中心部と関西国際空港、大阪国際空港)、千葉県(成田国際空港)、神奈川県(横須賀市の一部)[2]。
- 2011年7月1日 - 札幌市、仙台市、金沢市、高松市、広島市、福岡市で開始。東京都は23区全域に広がる。
- 2012年3月末 - 30%(約7,000局、全国政令指定都市人口カバー率100%達成)[13]。
- 2013年3月末 - 75%(約2万4,400局)。75Mbps(2.1GHz、10MHz幅×2)は約6,800局(政令指定都市と県庁所在地)、112.5Mbps(1.5GHz、15MHz幅×2)も開始。
- 2014年3月末 - 98%(約5万局)。150Mbps(1.7GHz、20MHz幅×2)も開始。
かつてFOMA展開初期のエリアの狭さでの不評を買ったことへの反省から、サービス開始当初はXiとFOMAのデュアルモード端末での展開となり、Xiエリア外では自動的にFOMAハイスピード(下り14Mbps、上り5.7Mbps)、FOMAハイスピードのエリア外はW-CDMA(上下384kbps)での通信となる。ただし、Xiエリア内でも音声通話はFOMA接続に切り替えて、従来の回線交換網を経由する方式を取っている。
国際ローミング(海外ではW-CDMAを使用)にも対応する。一部機種は GSM, GPRS など2Gでの国際ローミングも対応。
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- ^ “NTT DOCOMO Announces “Xi”LTE Service Brand”. NTTドコモ (2010年7月29日). 2010年8月19日閲覧。
- ^ a b c “「Xi」(クロッシィ)サービスを提供開始”. NTTドコモ (2010年11月8日). 2010年11月8日閲覧。
- ^ Mobile IT Asia:ドコモ、真の4Gサービス「LTE-Advanced」を2016年度以降に開始 - ITmedia Mobile
- ^ 「WiMAXはDC-HSDPAよりも速い」、UQコミュニケーションズがイーモバ対抗を鮮明に - ニュース:ITpro
- ^ “5つのポイントで知るLTEの実像:ITpro”. 日経BP (2010年10月14日). 2010年11月2日閲覧。
- ^ ドコモ決算は増収増益、一部で「Xi」下り112.5Mbpsへ - ケータイ Watch
- ^ イー・モバイル、下りを高速化する新規格対応のLTEルーター - ケータイ Watch
- ^ “ドコモ、150メガの高速LTE提供を表明”. 日本経済新聞 (2013年1月30日). 2013年2月4日閲覧。
- ^ “総務省が1.7GHz帯利用意向の調査結果を発表、ドコモ、KDDI、イーアクが割り当て希望:ITpro”. 日経BP (2013年1月11日). 2013年2月4日閲覧。
- ^ “ドコモのスマホ速度5倍に 14年度にも、国内最速”. 日本経済新聞 (2012年12月19日). 2013年1月3日閲覧。
- ^ “LTE-Advancedは2014~15年、“スモールセル”の使い方が焦点:ITpro”. 日経BP (2012年12月31日). 2013年1月3日閲覧。
- ^ 2013年3月期 決算説明会資料 - NTTドコモ
- ^ 2012年3月期 決算説明会資料 - NTTドコモ
- ^ 【山田祥平のRe:config.sys】 なんちゃってXiで三文の得をかなえるドコモの本気
- ^ 新たなXiデータ通信専用プランを提供開始
- ^ ご注意事項 - サービス・機能 - NTTドコモ
- ^ 店頭では、2013年5月21日発売。
- ^ 報道発表資料 「Xi」(クロッシィ)サービスを提供開始 お知らせ NTTドコモ
- ^ 報道発表資料 Xi(クロッシィ)エリアを全国主要6都市へ拡大 お知らせ NTTドコモ
- ^ Xiエリア図関東甲信越
- ^ Xiエリア図 関西
- ^ 新たなXiデータ通信専用プランを提供開始|NTTドコモ報道発表 2011年9月8日
- ^ 報道発表資料 :音声通話に対応したXi向け料金プラン等を提供開始|お知らせ|NTTドコモ
Xi (携帯電話)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/27 22:58 UTC 版)
Xi(クロッシィ)は、NTTドコモが提供するLTEを使用した携帯電話・タブレット・データ通信向け通信サービスのブランド名称。「docomo LTE Xi」(ドコモ エルティーイー クロッシィ)と称される場合もある。
注釈
- ^ 店頭では、2013年5月21日発売。
出典
- ^ “NTT DOCOMO Announces “Xi”LTE Service Brand”. NTTドコモ (2010年7月29日). 2010年8月19日閲覧。
- ^ a b c “「Xi」(クロッシィ)サービスを提供開始”. NTTドコモ (2010年11月8日). 2010年11月8日閲覧。
- ^ “ドコモ、真の4Gサービス「LTE-Advanced」を2016年度以降に開始”. ITmedia Mobile. (2012年3月14日)
- ^ 堀越功 (2010年9月30日). “「WiMAXはDC-HSDPAよりも速い」、UQコミュニケーションズがイーモバ対抗を鮮明に”. 日経BP
- ^ “5つのポイントで知るLTEの実像:ITpro”. 日経BP (2010年10月14日). 2010年11月2日閲覧。
- ^ “ドコモ決算は増収増益、一部で「Xi」下り112.5Mbpsへ”. ケータイ Watch. (2012年4月27日)
- ^ “国内最速150MbpsのLTEサービス提供に向けた試験運用を開始”. NTTドコモ報道発表. (2013年7月26日)
- ^ “総務省が1.7GHz帯利用意向の調査結果を発表、ドコモ、KDDI、イーアクが割り当て希望:ITpro”. 日経BP (2013年1月11日). 2013年2月4日閲覧。
- ^ 2014年3月期 決算説明会資料 - NTTドコモ
- ^ 2012年3月期 決算説明会資料 - NTTドコモ
- ^ a b c “新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」”. NTTドコモ. 2014年5月10日閲覧。
- ^ “【山田祥平のRe:config.sys】 なんちゃってXiで三文の得をかなえるドコモの本気”. PC Watch. (2011年10月21日)
- ^ “新たなXiデータ通信専用プランを提供開始”. NTTドコモ. (2011年9月8日)
- ^ プラスXi割キャンペーン - NTTドコモ
- ^ Xiデータプランライト割 - NTTドコモ
- ^ ご注意事項 - サービス・機能 - NTTドコモ
- ^ 報道発表資料 「Xi」(クロッシィ)サービスを提供開始 お知らせ NTTドコモ
- ^ 報道発表資料 Xi(クロッシィ)エリアを全国主要6都市へ拡大 お知らせ NTTドコモ
- ^ Xiエリア図関東甲信越
- ^ Xiエリア図 関西
- ^ 新たなXiデータ通信専用プランを提供開始|NTTドコモ報道発表 2011年9月8日
- ^ 報道発表資料 :音声通話に対応したXi向け料金プラン等を提供開始|お知らせ|NTTドコモ
- ^ 国内最速150MbpsのLTEサービス提供に向けた試験運用を開始|NTTドコモ報道発表 2013年7月26日
- ^ LTE国際ローミングを提供開始|NTTドコモ報道発表 2014年3月26日
- ^ 新たな料金プランおよび割引サービスを提供開始|NTTドコモ報道発表 2014年4月10日
- ^ 国内初、VoLTEによる通話サービスを提供|NTTドコモ報道発表 2014年5月14日
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