mova サービスの歴史

mova

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/29 03:54 UTC 版)

サービスの歴史

FOMAへのユーザーの移行が進むにつれ、2003年9月からmovaユーザー数は逓減していた。最終的には第3世代携帯電話であるFOMAに集約する方針であったため、サービス終了数年前からは各種サービスもFOMA利用を前提としたものに改められていった。

ユーザー数

ユーザー数については断りが無い限り業界団体(電気通信事業者協会)のまとめによるものである。

2006年6月18日付で、FOMAユーザー数がmovaユーザー数を上回り、ドコモユーザー全体に占める割合も過半数に達した[4]。また、2008年5月末の段階で、movaユーザーの契約者が900万件を割り込み(約872万5千件)、FOMAユーザーの5分の1未満となった。

その後、FOMA新機種の投入などもあり、2008年度末には、ユーザー数が前月末の約600万件を大幅に割り込み、556万件余りにまで減った。2009年5月末の段階で、FOMAユーザー数が5,000万件に迫る一方、movaユーザー数は500万件を割り込み、movaユーザー数がFOMAユーザー数の1割未満となった。

その後、2010年12月末時点で約163万件となり、サービス終了を間近に控えた2012年2月末時点での残存契約数は約34.5万件であった。

端末

2004年11月の報道で、507iシリーズを発売しない方針が示されたが、その後FOMA基地局の整備の遅れから、movaの新機種を再投入する計画が上がり、N506iSII(NECが開発・生産)、P506iCII(パナソニック モバイルコミュニケーションズが開発・生産)が発売された。2006年5月26日には、2007年度までに端末販売を終了するとの一部報道がなされたが、その時点では否定した[5]

  • AMラジオと携帯電話を組み合わせた「ラジデン」(機種名:SO213iWR)はFOMAでは不可能なためmovaでの発売となったが、テレビ放送のデジタル化進展により、ドコモでもワンセグに対応したFOMA機種の販売強化に乗り出している。
  • 50xシリーズは、FOMA90xシリーズに移行した(なお、506iC/506iSシリーズではSH506iCが最も早く2005年半ばを持って生産を終了しmovaのSH端末は消滅した)。
  • 25xシリーズは、最も早く(最終機種は2006年に生産終了したP253iN253iD253i及びコンセプト系のP253iSD253iWM。最後まで掲載されたのはP253iSである)FOMA70xシリーズへの移行を完了。FOMA702iSシリーズの発表とほぼ同時の生産終了である。
  • カメラなしの薄型軽量モデルである21xシリーズも最後まで残ったものの、「μ」シリーズを中心にFOMAの小型化・薄型化が進んだことから販売を縮小していた。
  • らくらくホン」シリーズも、FOMAへの移行が進められた。当初はmovaしか無かったカメラ非搭載モデルもその後らくらくホンベーシックとしてFOMAからも発売された。

FOMAへの技術移行が完了したこともあって、最後まで残っていた5機種(P213iP506iC/P506iCIIN506iSII及びらくらくホンIII(F672i))も2007年末に製造・出荷が中止され在庫限りとなっており[6]、グループ会社の統合に先立ち2008年6月13日には公式サイトから完全にmova端末の紹介が消えた。ただし、2008年8月時点でまだ上記機種の当分の在庫はあり、既存ユーザーの機種変更などは当分可能としている。

2008年3月11日に在庫限りで新規契約受付、機種変更を終了すると新聞各紙で相次いで報道がなされたが、決定したものではないとしている[7]。なお、同月時点で端末は約23万台の在庫がある(参照[リンク切れ])。

サービス

同業他社は世代交代の動きを加速させており、KDDI(連結子会社の沖縄セルラー電話を含む)は第3世代への移行をほぼ完了。ソフトバンクモバイルも、免許の有効期限となる2009年度末で世代交代を完了させた。

こうした流れを受け、ドコモは2008年10月31日、2008年度内に終了時期を確定すると表明した。サービス終了に向け、サービス面でFOMAシフトを加速させている。

  • FOMAにおいて遅れていた離島や山間部などの過疎地域におけるエリア拡大については、mova周波数帯の一部を利用する「FOMAプラスエリア」を活用し、2007年に人口カバー率100%を達成し、movaのサービスエリアと遜色のないレベルとなっている。
  • 2007年3月で、クイックキャスト(旧ポケットベル)サービスが、2008年1月でPHSサービスが終了したのに加え、2008年6月末で1.5GHz帯を使用したPDC方式のシティフォン・シティオサービスが終了した。
  • ドコモを含む各社が、通信速度をさらに速めた「第4世代」携帯電話システムの開発に力を入れており、その技術の一部を取り入れた第3.5世代の機種が既に発売されている(「FOMAハイスピード」参照)。
  • movaのネットワークを使用した法人向け位置情報サービス「DLPサービス」(DLPはDocomo Location Platform)は、2006年3月31日に新規受け付けを終了し、2009年3月31日限りでサービス終了した[8]
  • DoPaシングルパケットサービスの新規受付を2008年9月30日限りで終了した。[9]
  • 2008年4月から、「ファミ割MAX50」契約者を対象とした家族間通話無料サービスを開始したが、対象はFOMAユーザーのみであり、movaは対象外である。
  • 2009年3月いっぱいで、movaの一部富士通機種で提供していたGPS機能のサービス提供を終了した。[10]

以上の点から、ドコモとしてもFOMAと「第4世代」携帯電話に経営資源を集中させたい意向とみられており、2008年以降、今後早い時期にmovaサービス終了についての言及がなされるとの見方が多くあった。ライバル会社は、新規ユーザー開拓のターゲットを、自社のメリットをアピールしやすいmovaユーザーに絞りつつあり、ドコモが今後どのようにしてmovaサービスを終了させていくかに、注目が集まっていた。

新規受付終了・終焉へ

上述したように様々な形でFOMAへの移行を促してきたドコモであるが、2008年11月30日限りでmovaサービスの新規受付を終了、同時に自動車電話サービスの新規受付も終了した[2]。新規受付終了に伴い、movaサービスからFOMAサービスへ変更する際の事務手数料を2008年8月8日から無料とする移行促進策もあわせて発表されている。

そして2009年1月30日2012年3月31日限りで自動車電話サービスともども終了することが正式に発表された。サービス終了時刻は同日の24時00分となった。これによりmova、そしてPDCは19年の歴史を終えた。その後もmovaの800MHzの電波は送出されているが「圏外」と表示される。4月2日午後3時頃から、電話番号が消去されていない端末のみ、アンテナピクトが復活している。ただし、通話及びiモード通信は不可能。また、movaのシステムを利用していた一般列車、バス内に設置されていた列車電話も同日をもってサービスを終了した。(しばらくは「使用不可」と貼られていたが撤去された)

なお、一括請求や割引サービスの代表回線にmova(DoPa)がなっている場合、代表回線の強制解約に伴い、一括請求や割引サービスの適用もなくなってしまううえ、ドコモポイントもすべて失効するため、ドコモでは注意を呼びかけている。

テレビジョン放送完全デジタル化との関係

UHF 470MHz - 770MHzの帯域は、現在アナログテレビジョン放送13ch - 62chに使用されているが、2011年7月25日以降は、デジタルテレビジョン放送用に転用される。ただし、このうち53ch以降となる710MHz - 770MHzの帯域については、それから1年以内に、テレビジョン放送用としては使えなくなる。mova無線局の免許期限は、この最終期限にあたる。

電波は、国際電気通信連合によって国ごとに使える周波数帯を決められており、各国はその限られた枠内においてさらに目的別割当を行っている。movaサービス終了やテレビジョン放送の完全デジタル化は、国の電波利用高度化政策に基づいて行われていて、テレビデジタル化は最終的に、地上波においてVHF70MHz分、UHF60MHz分の、合わせて130MHz分を解放し、他の目的に利用することを理由としている。

UHFのうちテレビジョン放送用として使えなくなる帯域は、movaが使用する通称「800MHz帯」(770MHz - 960MHz)と連続しており、最終期限の後は、710MHz以上の帯域が再編成され、新たな用途に割り振られることとなるが、具体的な用途についてはまだ決まっていない。なお、「FOMAプラスエリア」は、再編後を見越して周波数帯が割り当てられている。


注釈

  1. ^ 後に、マイクロタックと同じボディのデジタルムーバM(TZ-821・MT-811)も発売された。
  2. ^ 端末を共同開発した4社のうち、NEC・富士通・三菱電機の3社はいわゆる「電電ファミリー」の一員となっている。
  3. ^ 京セラと共に第二電電の設立母体であったことから間接的にDDIセルラーグループと関係があり、ソニーの携帯電話事業はDDIセルラー向け端末が主力となっていた。一時期、NTTドコモ向け端末の開発を休止していたことがあったが、その間もau向け端末は引き続き開発・販売していた。

出典






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