X68000 オペレーティングシステム

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X68000

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/30 14:06 UTC 版)

オペレーティングシステム

1988年、マルチタスクリアルタイムオペレーティングシステムとしてMicroware社のOS-9/X68000が発売された。OS-9/68Kの単一機種売り上げでは世界記録を樹立するが、当時poor man's UNIX(プアマンズ・ユニックス、貧者のUNIX[注 11])とまで言われた、個人所有可能なUnix系環境としては当時ほぼ唯一と言ってよかったOS-9自体や、OS-9上で主流を占めるUnix系由来のツール環境に馴染むユーザーの絶対数が少なく、X68000ユーザーの間で広く普及することはなかった。その後、Ver.2.4が発売された。そして、X68030の登場とともに1993年にはMicroware社よりOS-9/X68030及びX11R5 for OS-9/X68030が発売された。

1989年にはニューウェイブからCP/M-68Kが発売されている。

また商用ソフトウェアのOSの他にも、X68030、またはアクセラレータ基板併用によりMPUをMC68030やMC68040などに換装したX68000では、MINIXなども移植された。さらにX68030ではユーザーモードでもX Window Systemが使用できるよう、VRAMなどへのアクセスを可能とするためにMPUソケットの一部のピンを非接触とする加工をした上で、MPUをMMU内蔵のMC68030・MC68040・MC68060(アクセラレータ基板併用を含む)に交換する必要があったが、アマチュア有志によりNetBSDが移植された。

発売機種一覧

シャープ純正
発売年 機種名 型式 HDD容量 定価(円) カラー[※ 1] ボディー メモリー容量 特徴
1987年3月 X68000 CZ-600C - 369,000 E タワー 1MB CPUに日立HD68HC000 10MHz搭載、SASI搭載。
コナミ『グラディウス』バンドル。
1987年度グッドデザイン賞受賞[6]
1987年11月 B ボディーカラー「ブラック」追加。
1988年3月 X68000 ACE CZ-601C - 319,800 -GY/-BK タワー 1MB 後部I/O配置変更。前面スイッチによるFDD強制イジェクト機能追加。
HD搭載モデル追加。
X68000 ACE-HD CZ-611C 20MB 399,800
1989年3月 X68000 EXPERT CZ-602C - 356,000 -GY/-BK タワー 2MB メモリー2MB標準搭載初モデル。
X68000 EXPERT-HD CZ-612C 40MB 466,000
X68000 PRO CZ-652C - 298,000 -GY/-BK 横置き 1MB 横置きボディ初モデル、拡張I/Oスロット4基
PRO専用キーボード・マウス[※ 2]
CZ-662Cのセットは1989年度グッドデザイン賞を受賞[12]
X68000 PRO-HD CZ-662C 40MB 408,000
1990年3月 X68000 EXPERT II CZ-603C - 338,000 -GY/-BK タワー 2MB X68000ゴールドエンブレム採用。
BIOSの改良。SX-WINDOW添付。
CZ-613Cのセットは1990年度グッドデザイン賞受賞[13]
X68000 EXPERT II-HD CZ-613C 40MB 448,000
1990年4月 X68000 PRO II CZ-653C - 285,000 -GY/-BK 横置き 1MB
X68000 PRO II-HD CZ-663C 40MB 395,000
1990年6月 X68000 SUPER-HD CZ-623C 81MB 498,000 -TN タワー 2MB SCSIインターフェイスを標準装備。
カラーバリエーションは「チタンブラック」のみ。
CZ-623Cのセットは1990年度グッドデザイン賞受賞[14]
1991年1月 X68000 SUPER CZ-604C - 348,000
1991年5月 X68000 XVI CZ-634C - 368,000 -TN タワー 2MB 16MHzモードの追加。
ボディ形状の変更。
CZ-644C-TNは1991年度グッドデザイン賞受賞[15]
X68000 XVI-HD CZ-644C 81MB 518,000
1992年2月 X68000 Compact CZ-674C - 298,000 -H タワー 2MB 3.5インチFDD搭載、コンパクトボディ、別名Compact XVI。
CZ-674CHは1992年度グッドデザイン賞受賞[16][17]
1993年3月 X68030 CZ-500C - 398,000 -B タワー 4MB モトローラMC68EC030の25MHz。メモリ4MBを標準装備。
X68030レッドエンブレム、ボディ形状変更
X68030-HD CZ-510C 80MB 488,000
1993年5月 X68030 Compact CZ-300C - 388,000 -B タワー 4MB 2HD/2DD両対応3.5インチFDD搭載
コンパクトボディ
X68030 Compact-HD CZ-310C 80MB 478,000
参考:他社改造発売製品
発売年 機種名 型式 HDD容量 定価(円) カラー ボディー メモリー容量 特徴
1992年5月 X68000 XVI Compact-HD CZ-310 80MB 466,000 グレー タワー 2MB Compact XVIに2.5インチ80MB HDD内蔵
(株)計測技研発売
1993年6月 X68000 Compact XVI RED ZONE CZ-674C改 - 160,000 グレー タワー 2MB Compact XVIのクロックを24MHzに改造したもの
(株)満開製作所発売
X68000 Compact XVI RED ZOMBIE - クロックアップ耐性がなく24MHz駆動に耐えられなかった個体などを元の16MHzに戻して廉売したもの
(株)満開製作所発売
1994年9月 X68030 D'ash - 368,000 チタンブラック タワー 4MB X68030のクロックを33MHzに改造したもの、50台限定
(株)満開製作所発売
1994年11月 X68030 HG/500 500MB 368,000 チタンブラック タワー 8MB X68030に500MB HDDと、8MBメモリーを搭載したもの
九十九電機(株)発売
1995年4月 X68030 HG/324 324MB 328,000 X68030に324MB HDDと、8MBメモリーを搭載したもの
九十九電機(株)発売

周辺機器

シャープ純正

内蔵用オプション

  • 増設RAMボード
    • CZ-6BE1 - CZ-600C用 (1MB)
    • CZ-6BE1A / CZ-6BE1B / CZ-6BE1B(A) - CZ-601C / 611C / 652C / 653C / 662C / 663C用 (1MB)
    • CZ-6BE2 / CZ-6BE4 / CZ-6BE4C - 拡張スロット用 (2MB / 4MB / 4MB)
    • CZ-6BE2A - CZ-634C/644C用 (2MB)
    • CZ-6BE2D - CZ-674C用 (2MB)
    • CZ-5BE4 - CZ-300C / 310C / 500C / 510C用 (4MB)
  • 増設RAMモジュール
    • CZ-6BE2B - CZ-6BE2A / CZ-BE2D用 (2MB)
    • CZ-5ME4 - CZ-5BE4用 (4MB)
  • 数値演算プロセッサボード (CZ-6BP1)
  • 数値演算プロセッサ (CZ-6BP2) - CZ-634C / 644C / CZ-674(CZ-6BE2D)用
  • 数値演算プロセッサ (CZ-5MP1) - CZ-300C / 310C / 500C / 510C用
  • FAXボード (CZ-6BC1)
  • GPIBボード (CZ-6BG1)
  • LANボード (CZ-6BL1 / CZ-6BL2) - BL1:10Base5 / BL2:10Base-2 / 5
  • MIDIボード (CZ-6BM1 / CZ-6BM1A) - BM1A:VCCI基準適合
  • SCSIボード (CZ-6BS1)
  • 増設用RS-232Cボード (CZ-6BF1) - 2チャンネル
  • ビデオボード (CZ-6BV1)
  • ユニバーサルI/Oボード (CZ-6BU1)
  • 増設用ハードディスクドライブ

外部機器

  • Compact用増設5インチFDD (CZ-6FD5)
  • ハードディスクユニット
  • 光磁気ディスクユニット (CZ-6MO1) - 5.25インチMOドライブ
  • 拡張I/Oボックス (CZ-6EB1) - 4スロット 無印:グレー / -BK:ブラック PRO / PRO II非対応
  • モデムユニット (CZ-8TM2)
  • カラーイメージジェット (CZ-6VT1)
  • カラーイメージスキャナー (CZ-8NS1 / JX-220X)
  • カラーイメージユニット (CZ-6VT1 (-GY / -BK))
  • カラービデオプリンター (CZ-6PV1)
  • 48ドット熱転写カラー漢字プリンター
  • ドットマトリクス漢字プリンター
  • ドットマトリクスカラー漢字プリンター
  • 液晶ディスプレイ(XVI以降専用、解像度はVGA相当のみ)

アクセサリー

  • RGBケーブル (CZ-6CR1) - CZ-300C / 310C / 674C用
  • RS-232Cケーブル (CZ-8LM1 / CZ-8LM2) - LM1:平 / LM2:クロス
  • SCSI接続ケーブル (CZ-6CS1) - CZ-300C / 310C / 500C / 510C / 674C用
  • テレビコントロールケーブル (CZ-6CT1) - CZ-300C / 310C / 674C用
  • インテリジェントコントローラー(サイバースティック) (CZ-8NJ2)
  • ジョイカード (CZ-8NJ1)
  • トラックボール (CZ-8NT1)
  • マウス (CZ-8NM1 / CZ-8NM2 / CZ-8NM2A)
  • マウス・トラックボール (CZ-8NM3)
  • アンプ内蔵スピーカーシステム (AN-160SP)

他メーカーから

  • V30 CPU Board
  • V70 CPU Board
  • Polyphone サブCPU搭載MIDIボード
  • ARCNET Board
  • MIDI Board
  • EtherNet Board
  • H.A.R.P (X68000用倍速CPUアクセラレーター ジャスト)
ソケットとなっている機種ではCPUと交換することによってCPUを倍速で動作させるボード。但し、CPUのクロックの向上のみであるため、キャッシュがないMC68000では実際の速度としての高速化は、1.06~1.13倍程度。高速なメモリボードも予定はされていたが発売されることはなく、最終的には前述のようなパフォーマンスに終わっている。[18]
  • Xellent30シリーズ(X68000用68030アクセラレーター 東京システムリサーチ)
Xellent30がXVI用[19]、Xellent30sがACE、EXPERT/II、SUPER用[20]、Xellent30sがPro/II用[21]
MC68EC030と、MC68882並びに、256KBのローカルRAM用SRAMを搭載。MC68EC030は本体から供給されるクロックの倍、FPUは基板上のオシレータを基準に33MHzで動作する。本体SRAMに常駐プログラムをインストールすることで起動時にCPUの選択を可能にする。CPUキャッシュがあることから、有効にした場合のパフォーマンスは前述の倍速ボードより高く、ローカルRAM上で実行することにより、更に高速に動作する。16MHz機では約33MHzでの動作となり、ローカルRAMで実行されるプログラムやキャッシュにヒットしたコードの実行速度はX68030を上回るが、バス調停などを伴うため画面表示などを行う実際のシステム全体としての速度はX68030を下回る。10MHz機では20MHz動作となるため、CPUのクロックの時点でX68030を下回っている。本体側の物理的なスペースなどの問題から、10MHz機であっても、製品によって対象機種が異なる。68030モードでの互換性はX68030とほぼ同様であるが、68000モードがあるため、システム全体の互換性という点ではメリットも存在した。
  • 060turbo(X68030用68060アクセラレーター 満開製作所)
  • XpanderIV
X68000 EXPERT、SUPER、XVI対応の拡張スロット。本体の拡張スロットと左のパネルを取り外し、製品の拡張スロットとパネルを設置する形でスロットを2基増設する。縦置きの機種全てに対応するが、カラーバリエーションは黒のみ。電源は本体のサブコンセントから取り、本製品にも、サブコンセントが設置されている。

各種メモリ、インターフェイスも互換品が計測技研、I-O DATA機器などから販売されていた。

パワーユーザーによる各種拡張カード

パワーユーザーによる拡張ボード開発の歴史は古く、極初期にはMacintosh互換ボードが一部のユーザーの間で開発された。これはSCSI拡張ポートやAppleTalk (RS422) ポートなどを含んだ本格的な物で、Macintosh用の多くのソフトウェアが動作したが、ROMを実機からコピーして流用するなど著作権上の問題があり、本格的に発売、流通されることはなかった。その後、『Oh!X』が休刊した1995年頃から、ユーザーが拡張ハードを自主製作することが本格的に行なわれるようになった。

Mercury Unitの作者が、美少女戦士セーラームーンの登場人物であるセーラーマーキュリー役の声優久川綾の声を高音質で録音・再生することを目的としてMercury Unitと命名したことに由来し、慣習的に太陽系の惑星の名称が付けられることが多くみられた。

  • Mercury Unit (PCM)
  • Neptune-X(ISA用EtherNetカード接続アダプター)
  • Nereid(LAN+USB+Memory統合拡張ボード X-PowerStation製作)
  • Jupiter-X(X68000用68040 / 68060アクセラレーター)
  • Venus-X(X68030用68030アクセラレーター+セカンドキャッシュメモリー)
  • 040turbo(X68030用68040アクセラレーター)
  • ビデオキャプチャーユニット
  • キーボード変換機

などが実際に作られ、040turboが計測技研から、一部変更が加えられたMercury Unit(Version4)が、まーきゅりーゆにっととして満開製作所から、製品として販売されている。

本体を作ろうとする試みもあったが結局、完成には至っていない。




  1. ^ E, -GY:オフィスグレー、B,-BK:ブラック、-H:グレー、-TN,-B:チタンブラック
  2. ^ PROシリーズにはパイオニアOEMも存在している(本体のSHARPロゴがPIONEERになっている)。主に伝言ダイヤルなどの制御用として使用されていた。

注釈

  1. ^ 当時、シャープのAV機器のイメージキャラクターでもあった。
  2. ^ ソニーNEWSオムロンLunaなど。
  3. ^ グッドデザイン賞は、メーカーから審査依頼のあった商品とその組み合わせで審査が行われるため、実際に受賞しているものは一部バリエーションや一部の組み合わせに限定される。
  4. ^ PCM8.Xやその系譜、市販アプリケーションでは、SPSのサウンドドライバが68030で実行したときに4声分の合成を行うように実装されている。
  5. ^ X68000版の『コットン』ではBGMに合わせて明滅するようになっている。
  6. ^ SxSI、TwoSCSIにも互換性改善を試みるプログラムが含まれる。これらドライバのドキュメントに含まれるパリティービットの生成回路の追加により、SCSI2の機器もより多く動作させることが可能である。
  7. ^ これはX68000の時点でハードウェアやプログラミングを工夫する事により回避できるものであったが、この対策をとらなかった事が後に禍根を残す事となった。 ちなみに同種の問題は当時のMacintoshにもあったが、ハードウェア面では対策がとられていた為、OSやアプリケーションのバージョンアップにより解決した。
  8. ^ 一部、既存のアプリケーションとの互換性には問題が生じるものもあった。
  9. ^ 同年夏にはモニタ一体型のLC 520が、同年秋にはMC68LC040 25MHz搭載のLC 475が発売されている。
  10. ^ 。 MC68EC030の採用でコストを下げた一方、高コストなスタティックカラムDRAMを採用する、周辺回路について従来のままであったなどのアンバランスなシステム構成も問題だった。
  11. ^ 尚、この表現は安価に使用できるというポジティヴな表現である。

出典

  1. ^ アスキー(後のKADOKAWA/アスキー・メディアワークス)刊行パソコン雑誌『LOGiN』 1991/10/4号より。
  2. ^ “シャープ「X68000」の回路図など記載の“裏マニュアル”電子化、「GALAPAGOS STORE」で無料配信”. INTERNET Watch. (2015年1月13日). http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150113_683361.html 2015年2月2日閲覧。 
  3. ^ “ProjectMによる「X68000」ケースの試作が公開される”. PC Watch. (2015年1月29日). http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/20150129_686062.html 2015年2月2日閲覧。 
  4. ^ 『パソコンヒット商品物語』(1991) p.88 電子機器事業本部液晶営業システム事業部(1988年当時)・小林冬記の証言より引用。
  5. ^ 宮永好道「誰も書けなかったパソコンの裏事情」(並木書房)。
  6. ^ a b 受賞番号:62K0709 (受賞対象:X68000 CZ-600CE、CZ-600DE、CZ-6STIEのセット)
  7. ^ X680x0の内蔵音源を駆使した高品位ステレオPCM再生
  8. ^ Oh!X 1999年夏号「内蔵音源を駆使した高品位ステレオ PCM 再生」
  9. ^ S44PLAY.DOC
  10. ^ a b Oh!X 1995年6月号 p.66 「大容量ハードディスク導入手引き」
  11. ^ Oh!X 1995年8月号52p 「満開謹製SCSI2ボード」
  12. ^ 受賞番号:89K0773(受賞対象:CZ-662C(GY)(BK)、CZ-603D(GY)(BK))
  13. ^ 受賞番号:90K0799(受賞対象:CZ-613C、CZ-605D)
  14. ^ 受賞番号:90K0798(受賞対象:CZ-623C、CZ-613D)
  15. ^ 受賞番号:91K0882(受賞対象:CZ-644C-TN)
  16. ^ 受賞番号:92K0688(受賞対象:CZ-674CH)
  17. ^ 受賞番号:92K0690(受賞対象:CZ-674CH+CZ-608DH)
  18. ^ Oh!X 1994年12月号 p.70「倍クロックアクセラレータH.A.R.P」
  19. ^ Oh!X 1995年1月号p116
  20. ^ Oh!X 1995年6月号74p
  21. ^ Oh!X 1995年11月号p54
  22. ^ Z-MUSIC Home Page
  23. ^ DoGA(PROJECT TEAM DoGA、株式会社ドーガ)
  24. ^ X68000をACアダプタ駆動にする電源キットが販売中 (取材中に見つけた○○なもの) - AKIBA PC Hotline!




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