WebM WebMの概要

WebM

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/22 01:42 UTC 版)

WebM
拡張子.webm
MIMEタイプvideo/webm
audio/webm
開発者Google
種別メディアコンテナ
包含物VP8VP9AV1(映像)
VorbisOpus(音声)
派生元Matroska
ウェブサイトwww.webmproject.org
WebMビデオの例

姉妹プロジェクトとして技術を応用した静止画フォーマットのWebPも開発されている。

形式

映像コーデックにVP8VP9AV1、音声コーデックにVorbisOpus、メディアコンテナとしてMatroskaサブセットを採用している[1]。ファイルの拡張子は「.webm」。

採用

ウェブブラウザではMozilla Firefox 4以降、Opera 10.60以降、Google Chrome 6以降、Safari 14[2]以降が標準対応している。Internet Explorer 9もVP8コーデックがインストールされることで対応可能である[3]。なおGoogleはSafariとInternet Explorer 9向けにWebMプラグインを提供すると発表した[4]

GoogleはすべてのYouTube動画をWebMに変換することを発表している[5]

経緯

GoogleがWebM規格をオープン化したのは、HTML5に組み込まれる動画要素で、標準フォーマットの地位を目指すためであるとされる。従来から存在するフォーマットとしては、Theoraはオープンソースで無料だが品質面で難があるとされ、H.264は高品質ではあるものの利用には特許料が発生する難点があり、結果として各ウェブブラウザの対応状況はバラバラで、今後の普及に課題が残っていた。WebMではこれらの課題の克服を目指し、フォーマットが分裂している現状の解決を試みている。

このように良いとこ取りに見える WebM だが、VP8 は MPEG LA が管理する特許に抵触している可能性を指摘され、その普及の妨げとなっていたが、2013年3月7日に MPEG LA と契約成立。

しかし2010年8月に MPEG LA が H.264 をインターネット上の無料動画配信を行う場合に限りライセンス料を課さないことを発表するなど[6]、WebM がその目的通りにWeb上の標準フォーマットになるためには乗り越えるべき障壁がまだある。

YouTubeのためにVP9高精細度ビデオ(HD)に対応し、4K解像度を目標とし、より使いやすいものに改良されてきた[7]

2016年中頃に当時開発中だったVP10はDaalaやThorと共にAV1(AOMedia Video 1)へと統合された[8]

特許

VP8 の特許問題については VP8 を参照。


  1. ^ サポートしているEBML Element一覧
  2. ^ Espósito, Filipe (2021年8月10日). “Apple adding WebM audio codec support to Safari with iOS 15” (英語). 9to5Mac. 2022年1月27日閲覧。
  3. ^ Another Follow-up on HTML5 Video in IE9”. Microsoft (2010年5月19日). 2013年4月30日閲覧。(英語)
  4. ^ Google、IE9とSafariにWebM(VP8)プラグインを提供と発表”. マイコミジャーナル (2011年1月20日). 2013年4月30日閲覧。
  5. ^ Firefox, YouTube and WebM” (2010年5月19日). 2013年4月30日閲覧。
  6. ^ H.264のライセンス料、無料ネット動画は恒久的に不要に”. ITmedia (2010年8月27日). 2013年4月30日閲覧。
  7. ^ VP9: Faster, better, buffer-free YouTube videos”. YouTube Engineering and Developers Blog (2015年4月6日). 2017年9月7日閲覧。
  8. ^ Steven Zimmerman (2017年5月15日). “Google’s Royalty-Free Answer to HEVC: A Look at AV1 and the Future of Video Codecs”. XDA-Developers. 2017年11月1日閲覧。


「WebM」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「WebM」の関連用語

WebMのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



WebMのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのWebM (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS