NHKオンデマンド
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以下の2つのサービスが実施されている。詳細な配信番組は2008年9月に発表された[10]。
著作権および放送権の関係で、一部の番組は、該当部分に別の画像を被せることによってその映像を映らないようにして音声のみを配信したり、映像と音声もすべて削除したりしている。例えば、近代オリンピック・FIFAワールドカップなどスポーツの試合映像や、インターネットでの配信の了承を得られなかった外部の権利者が保有する映像・写真は該当部分のみ削除して配信されている。配信対象番組であっても番組によっては該当部分の一部削除により配信時間が短縮される回や放送されない回がある。
例として、ジャニーズ事務所は、ジャニー喜多川が存命中の間は肖像権に一番厳しい芸能事務所であり、所属タレントの扱いは、ドラマや、所属タレントをメインとしない音楽番組に配信が限られていたが(井ノ原快彦が司会の『あさイチ』は原則配信されていた)、藤島ジュリー景子が社長に就任して以降、肖像権が緩和されたこともあり、2020年代からはゲスト出演回も含んだバラエティ番組[注 8]や、所属タレントがメインの音楽番組[注 9]も配信されるようになった[注 10]。
NHKでテレビ放送していても海外の放送局から映像を購入したものか、製作委員会名義[注 11]での制作など、NHKが主たる著作権者ではなく配信権を保有していない番組については、NHKオンデマンドでの配信が無いまたは他社の競合サービスによる配信となる場合がある。事例として、2020年1月6日から総合テレビにて放送している深夜アニメ『映像研には手を出すな!』は、NHKオンデマンドではなく、フジテレビオンデマンドで放送終了1時間15分後の2時から[11]、2022年6月26日からBSプレミアムにて放送しているドラマ『拾われた男』も同チャンネルでの放送終了直後の23時からDisney+のスターブランドにて[12][13]、それぞれ見放題独占配信している。
画面右上に2020年2月までは「NOD(上段)NHK(下段)」、NHKプラス開始の2020年3月からは「NHK」と書かれたウォーターマークが表示されている。NHKロゴのみのウォーターマークは、テレビジョン放送で用いられていないため、事実上テレビ放送との区別がなされている。
2020年3月1日[注 12]からの地上波テレビのネット同時配信サービス「NHKプラス」開始に伴う一環として、「見逃し番組」と「特選ライブラリー」を統合し、「まるごと見放題パック」に一本化すると共に、民間放送事業者でも見逃し番組配信サービスを無料で視聴者に提供していることを踏まえて、「見逃し番組」についてはオンデマンド非契約者であってもNHKと受信契約をしている世帯であれば、地上2波(総合・Eテレ)にて放送した番組に限り、NHKプラスのサイトにて放送日から一週間視聴可能になった[4][14][15][16][17][18]。併せて、ニュース番組や大相撲中継をはじめとするスポーツ中継など、NHKオンデマンドにおける一部番組の配信を終了してNHKプラスに移行させた[19]。
2023年6月までは出演者が不祥事により逮捕された作品については原則として配信停止としていた。しかし、同年に俳優が逮捕されたことを受けて、該当人物が出演していた大河ドラマを含む複数のNHK番組を配信停止にしたため、物議となり、多数の批判が寄せられる事態となった。批判を受けて、NHKは同年7月に「自ら選んで番組を見るという意識が高まっており、作品性を最大限尊重すべきだという結論に至った」として、配信停止となっていた番組を再開すると共に今後は出演者が不祥事により逮捕されても、関連作品は原則として配信停止にしない方針を明らかにした[20][21]。
見逃し番組サービス
NHKで放送したテレビ番組を、7 - 14日間その番組を配信するもの。配信される番組は、ニュース番組とそれ以外の番組に分かれる。
ニュース番組
2020年2月29日まで、以下の4番組を配信していた[19]。
- NHKニュースおはよう日本[注 13] 放送の配信チャネルは総合テレビ他。原則毎日更新。
- 正午のニュース[注 14] 放送の配信チャネルは総合テレビジョン他。毎日更新。
- NHKニュース7 放送の配信チャネルは総合テレビジョン他。毎日更新。
- ニュースウオッチ9 放送の配信チャネルは総合テレビジョン他。放送日のみ更新。
NHKオンライン[注 15]で提供されているニュース映像サービス[注 16]がニュース項目単位の映像なのに対し、NHKオンデマンドでは、番組単位で閲覧できる。『ニュースウオッチ9』でのキャスターコメントも原則ノーカットで提供されるほか、オープニング・エンディングも原則ノーカットであり、『ニュースウオッチ9』のエンディングにおける「お別れの映像」も見ることができる。また、主要な場面展開およびニュース項目ごとにキャプションが付加されており、興味のある項目だけを視聴することも可能である。また、2017年3月31日まではNHK BS1(BS1)にて放送していた『BS列島ニュース』も配信していた。
それ以外の番組
NHKのテレビ4波[注 17]の番組から、プライムタイムを中心に1日10~15番組を配信する。全国放送番組のほか、一部の地域番組も含まれている[注 18]。1番組ごとに購入できるほか、「見逃し見放題パック」で視聴可能な番組に含まれる。レギュラー番組については年度ごとに利用状況などをもとに配信される番組が見直される。
そのうち、本カテゴリーの無料配信番組に関しては、2019年(令和元年)8月26日以降からTVer[注 19]でもほぼ全てが相互配信されており、配信対象期間は、NHKオンデマンドと同じく14日間である。本サービスとの違いは、コマーシャルを挿入しているだけであり、広告放送を禁止している都合上、配信されているコマーシャルは、配信対象番組の宣伝や、NHKの全国向けイメージCMのみで構成されており、本編の放送中は、一切コマーシャルを挟み込んでいない。ただし、スマートテレビ用TVerアプリでの配信および視聴は、対象外である[22][23]。
特選ライブラリーサービス
NHKアーカイブス施設に保存されている番組の中から、大河ドラマや連続テレビ小説、「NHKスペシャル」など反響の大きかった番組を配信する。開始当初は1000本をラインナップし、その後週20本・年1000本をめどに追加されている。
注釈
- ^ NHK受信料とは別会計である。
- ^ デジタル著作権管理保護付き。
- ^ ニュース以外。
- ^ 運行装置テロップからの表示、番組で使用されるテロップでの表示、VTR編集時に挿入される表示など番組により表示パターンが異なる。地域番組の関係で遅れ放送となる番組では配信対象番組であっても表示されない場合がある。
- ^ ただし、実際は個別の事情でその回だけ配信されていない番組や地域番組の差し替え配信終了後に遅れ放送される番組、本放送から数カ月を経た再放送のため配信が終了している番組などにもマークがついている場合がある。逆に、単発番組や通常は配信しない番組を臨時に配信する場合など、実際は配信されているのにマークがついていないこともある。
- ^ 2008年度にかかる第一四半期で約5千万円、2009年度の11月末までの売り上げが約1億6千万円。
- ^ 日本テレビ放送網運営。
- ^ それまで、バラエティ番組は同事務所所属タレントの出演回は配信対象外だった。
- ^ 2020年以降の『ザ少年倶楽部』等。
- ^ NHKプラスの同事務所所属タレントの出演番組は、見逃し配信も含めて配信されている。
- ^ なお、特殊法人(公共放送)であるNHKそのものではなく、子会社で民間企業のNHKエンタープライズ(本業はNHK製作番組の番組制作会社)が替わりに参加している。製作委員会は民間の企業でないと参加・構成出来ないための措置によるもの。
- ^ 本サービスは2020年4月1日から開始予定。
- ^ 午前7時台の全国枠のみ。
- ^ 全国枠のみ。
- ^ NHK公式ホームページ。
- ^ サービスは無料。
- ^ 総合・Eテレ・BS1・BSプレミアム。
- ^ 原則として首都圏のみで、首都圏以外の地域番組は首都圏で放送されてからでないと配信されない。配信日の基準も首都圏での放送日である。
- ^ パソコン、スマートフォン、タブレットが対象。
- ^ ニュース番組および日曜討論を除く。
- ^ 番組購入時のパスワード入力が必要なのは変わらず。
- ^ 2014年度も「恋する地元キャンペーン」に改題して展開。
出典
- ^ NHK、NHKオンデマンドの現況や運用室を公開。PC会員は約1.1万
- ^ NHKオンデマンド 2月の動向 - NHK放送総局長会見資料(PDF) 2010年3月24日
- ^ NHK番組配信伸び悩み 値下げや期間延長も検討 - 47NEWS 2009年12月24日
- ^ a b “常時同時配信・見逃し番組配信サービスの開始について”. 日本放送協会(2020年1月15日作成). 2020年1月16日閲覧。
- ^ “同時配信「NHKプラス」、過去番組サイトと一体化できぬ「複雑な」事情”. 読売新聞 (2021年5月9日). 2021年5月9日閲覧。
- ^ a b “NHKオンデマンド@nhk_ondemandのポスト”. X(旧・Twitter) (2024年1月31日). 2024年2月3日閲覧。
- ^ 「WOWOW・NHK、『蓄積型放送』来年度にも開始」日本経済新聞 2004年6月5日
- ^ 吉野次郎(日経ニューメディア編集部) (2006年5月25日). “WOWOWがブロードバンドで2007年度にサーバー型放送,BS放送では断念”. ITpro. 株式会社日経BP社. 2009年7月10日閲覧。
- ^ RBB TODAY CATVショー2008 Vol.3 徐々に明らかになる「NHKオンデマンド」 NHKオンデマンド室・所洋一の発言より 2008年7月6日閲覧
- ^ 配信予定番組のラインナップについて NHKオンデマンドBLOG
- ^ “伊藤沙莉、TVアニメ声優初挑戦 『映像研には手を出すな!』FODで配信”. マイナビニュース(2019年11月26日作成). 2020年2月4日閲覧。
- ^ “『拾われた男』ディズニープラス「スター」で6月26日(日)配信決定”. ディズニー公式 (2022年5月13日). 2022年6月29日閲覧。
- ^ “仲野太賀、10キロ増量して“松尾諭みたい”に 『拾われた男』26日放送・配信スタート”. ORICON NEWS (2022年6月26日). 2022年6月29日閲覧。
- ^ “常時同時配信の準備状況と⼦会社等の改⾰の現状について”. ⽇本放送協会(2019年6⽉25⽇作成). pp. 4-7. 2019年11月22日閲覧。
- ^ “NHKオンデマンドの今後のサービスプランについて”. NHKオンデマンド(2019年10月18日作成). 2019年11月22日閲覧。
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- ^ “「NHKインターネット活用業務実施基準の変更案の認可申請の取扱いに関する総務省の基本的考え方」に関する日本放送協会の検討結果について”. 日本放送協会(2019年12月9日作成). pp. 5-7. 2019年12月10日閲覧。
- ^ “NHK、本年度のネット配信断念 計画見直し4月から実施”. 共同通信(2019年12月9日作成). 2019年12月10日閲覧。
- ^ a b “見放題パック統合のお知らせ”. 2020年3月2日閲覧。
- ^ 平岡春人 (2023年7月26日). “NHKに意見1千件 「鎌倉殿」など容疑者ら出演作の配信停止解除へ”. 朝日新聞. 2023年7月27日閲覧。
- ^ “NHKオンデマンド、出演者逮捕でも配信続ける方針…「鎌倉殿」配信停止後に多くの批判届く”. 読売新聞 (2023年7月27日). 2023年7月27日閲覧。
- ^ “TVer経由のNHK番組の配信について”. NHK広報局(2019年8月23日作成). 2019年11月22日閲覧。
- ^ “NHKの一部番組の見逃し配信を開始”. 日本テレビ放送網株式会社・株式会社テレビ朝日・株式会社TBSテレビ・株式会社テレビ東京・株式会社フジテレビジョン(2019年8月23日作成). 2019年11月22日閲覧。
- ^ NHKオンデマンド|よくある質問・お問い合わせ なぜ有料なのですか?
- ^ “放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第73条: 支出の制限等”. e-Gov (2019年6月5日). 2019年12月25日閲覧。 “2019年5月17日施行分”
- ^ 見逃し見放題パックが新価格、月額945円(税込み)に!! NHK会長会見資料(PDF) 2010年1月7日
- ^ NHKオンデマンドの利用料金について NHK経営情報
- ^ “NHK受信料の窓口-NHK放送受信契約・放送受信料についてのご案内”. NHKネットクラブ. 日本放送協会. 2010年6月18日閲覧。
- ^ “NHK受信料を支払っていないが、NHKオンデマンドは視聴できますか?”. ひかりTV. 株式会社NTTぷらら. 2010年6月18日閲覧。
- ^ a b c “テレビなどでの利用方法”. 日本放送協会. 2020年2月3日閲覧。
- ^ “Amazon Prime VideoチャンネルにNHKオンデマンド追加。大河や朝ドラなど7,000本”. AV Watch(2020年2月3日作成). 2020年2月3日閲覧。
- ^ NHKオンデマンド2月の動向 - NHK放送総局長会見資料(PDF) 2010年3月24日
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