A型肝炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/27 03:15 UTC 版)
予防
一般的な感染予防法として、十分な手洗い(調理前、食事前、トイレ、オムツ替えの後など)や十分に加熱された飲食物の摂取が挙げられる[2][4]。
ワクチン接種
A型肝炎ワクチン
- 日本のKMバイオロジクス製A型肝炎ワクチン(旧化学及血清療法研究所製、エイムゲン)は、1995年から日本の医療機関で使用されている。アフリカミドリザル腎臓由来細胞(GL37細胞)でA型肝炎ウイルス (KRM003株)を培養・精製した、乾燥組織培養A型肝炎不活化ワクチンである。対象年齢は16歳以上であったが、2013年(平成25年)3月から、16歳未満の小児へも拡大された。
- 1歳以上であれば2~4週間の間隔で2回皮下または筋肉内に接種し、その6ヶ月後に3回目を接種する。3回の接種完了で約5年間有効とされているため、リスクがある場合には5年に一度の接種が推奨されている。
- 正式な力価は公表されていないが、予測では約1200El.U.と思われる。アジュバントを含まないため免疫応答は緩徐であり、2回目の接種をした約2週間後に抗体がつくため、海外渡航前に最低2回の接種が必須である。
- 世界のA型肝炎ワクチンの間に互換性は確認されていないため、エイムゲン接種を始めたら3回ともエイムゲンで完結させる必要がある。
- 世界で利用されているA型肝炎ワクチン(不活化ワクチン)は、2回の筋肉内接種で済み、初回接種の6ヶ月以降に2回目の接種を受けることで、ブースター効果により20年以上有効と報告されている。
- 免疫グロブリンによる受動免疫の方法は推奨されていない[9]。
WHO等の対応
世界保健機関(WHO)は、A型肝炎について高レベル感染地域、中レベル感染地域、低レベル感染地域の三つの地域に分類しており、予防接種に対して異なる対応をとっている[2]。
- 高レベル感染地域
- 高レベル感染地域では10歳未満での感染がほとんどであり、WHOはA型肝炎ワクチンの使用による便益は少ないとして子どもへの定期予防接種を推奨していない[2]。
- 中レベル感染地域
- 中レベル感染地域では、衛生施設や衛生的な実践がまちまちで、免疫のない大人も多いことから、WHOはA型肝炎ワクチンの子どもへの定期予防接種を推奨している[2]。
- 低レベル感染地域
食品
- ^ a b c d e 感染拡大中のA型肝炎を見逃すな 日経メディカルオンライン 記事:2018年9月25日
- ^ a b c d e f g h “A型肝炎について”. 横浜市健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課. 2022年2月19日閲覧。
- ^ a b A型肝炎 厚生労働省
- ^ a b c d e “A型肝炎(Hepatitis A)”. 食品安全委員会. 2022年2月19日閲覧。
- ^ “A型肝炎の集団感染、有機栽培の生鮮イチゴが原因か FDA”. CNN (2022年5月31日). 2022年6月3日閲覧。
- ^ 2012年第1週から2018年第33週までの感染症発生動向調査におけるA型肝炎の報告状況 国立感染症研究所
- ^ 感染症についての情報 A型肝炎FORTH 厚生労働省検疫所
- ^ 急性ウイルス性肝炎 A型,E型 (PDF) 日医雑誌122巻10号
- ^ トラベラーズワクチンとしてのA型肝炎ワクチン 国立感染症研究所
- ^ FORTH 海外渡航のためのワクチン - 厚生労働省
- ^ A型肝炎ワクチン - Know VPD!
- ^ A型肝炎発生の豪州、食品検査の基準強化を検討 AFP、2015年2月18日。
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