2011年のル・マン24時間レース 2011年のル・マン24時間レースの概要

2011年のル・マン24時間レース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 23:18 UTC 版)

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2011年のル・マン24時間レース
前年: 2010 翌年: 2012
アウディ2号車が2台のプジョーのレース・カーの前を先行して走行する。

アウディ・スポーツチーム ヨーストのアウディ2号車に乗るブノワ・トレルイエが、アウディが2006年以来長らく獲得できなかった2度目のポールポジションをチームにもたらし、アウディ1号車とともに最前列(フロント・ロー)を独占した[2]。レース序盤での事故により3台エントリーしていたアウディ車の内2台はレースの舞台から退場することになったが、残った唯一のアウディ・R18 TDIに乗るトレルイエ、マルセル・フェスラーアンドレ・ロッテラーら3人が、3台のプジョー・908の追撃をかわし、13.8秒のリードで優勝を果たした。LMP2クラスでは、グリーブス・モータースポーツのザイテック-日産が優勝し、LMGTE Proクラスでは、コルベット・レーシングが優勝を果たし、LMGTE Amクラスでは、ラルブル・コンペティションチームが(参戦するレース・カー2台のメーカーはそれぞれ異なるが、)コルベットの50号車とポルシェの70号車による1-2フィニッシュによってタイトルを獲得している[3]

なお、同年3月11日日本宮城県沖で発生した東日本大震災で、日本国内は深刻な被害を受けた。当然ながら日本のモータースポーツ界も、電力不足やガソリン不足などの社会的混乱等で、レースの開催中止や延期などが相次ぎ、大変大きな影響を受けることとなった[4]。(東日本大震災によるモータースポーツ界への影響の詳細は、東日本大震災によるスポーツへの影響#モータースポーツを参照のこと。)日本人ドライバーの参戦は中野信治ただ一人のみであり、日本メーカーはエンジンのみの提供で、シャシーを含めた自社製のプロトタイプレーシングカーを投入しての本格的なワークスチームによる参戦がなかっただけでなく欧米メーカーのGTカーを使用して参戦する日本チームさえ皆無であった。その中でACOは、本年のル・マン24時間に参戦する全ドライバーのサインを寄せ書きしたフランスの国旗を贈る[5][6]などの日本に対する支援を行ない、また一方で日本国内でも、マツダが被災した中高生をル・マンに招待するなど、ル・マン24時間レースと日本との関わり合いが絶えないように交流が続ける努力がなされた。


  1. ^ Surely the most thrilling race in recent history”. lemans.org. フランス西部自動車クラブ (2011年6月15日). 2011年6月16日閲覧。
  2. ^ “Audi back on front row for Le Mans 24 Hours”. AFP. (2011年6月10日). http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5ikxFTgOVDE0DXKGgxuzUurSVk4dw?docId=CNG.4facb82ec8689e5a037eb4e7286eff0b.3b1 
  3. ^ H24: Audi triumph in Le Mans classic”. Autosport.com. Haymarket Press (2011年6月12日). 2011年6月12日閲覧。
  4. ^ 辻野ヒロシ (2014年3月11日). “震災から3年、モータースポーツからの復興支援を振り返る。”. Yahoo! JAPAN. 2015年1月22日閲覧。
  5. ^ a b 震災応援の仏国旗、JAFに贈呈”. JAF (2011年6月16日). 2015年1月15日閲覧。
  6. ^ a b ル・マンのフランス国旗が震災オークションに”. オートスポーツ (2011年8月23日). 2015年1月15日閲覧。
  7. ^ The 2011 Le Mans 24 Hours Regulations”. lemans.org. フランス西部自動車クラブ (2010年6月10日). 2010年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年6月27日閲覧。
  8. ^ Le Mans: ACO announces future rules, pushes hybrid technology”. AutoWeek. Crain Communications (2010年6月14日). 2010年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年6月28日閲覧。
  9. ^ 2011年LMPレギュレーションVer.5 これで確定?”. Sport-Car Racing (2010年12月3日). 2015年1月15日閲覧。
  10. ^ Lola Group News: Lola launches B11/40 LMP2”. Lolacars.com. 2010年7月21日閲覧。
  11. ^ a b レギュレーション”. ミシュラン (2011年3月15日). 2015年1月15日閲覧。
  12. ^ ACO、2011年のル・マン規則変更について発表”. オートスポーツ (2010年12月22日). 2015年1月15日閲覧。
  13. ^ ガソリンエンジンとディーゼルエンジンが付き合う方法”. Sport-Car Racing (2011年5月7日). 2015年1月15日閲覧。
  14. ^ モータースポーツ至福の日〜2011年ルマン24時間レースとF1カナダGP〜”. 空いろの帆 (2011年6月14日). 2015年1月15日閲覧。
  15. ^ First LMP1 car test”. .flybridsystems.com (2014年4月25日). 2015年1月22日閲覧。
  16. ^ simacher”. twicsy.com (2014年6月4日). 2015年1月22日閲覧。
  17. ^ Michelin Energy Endurance Challenge”. Le Mans Series. 2008年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年8月21日閲覧。
  18. ^ La seconde Oreca/Signatech forfait; la Norma/Extreme Limite est admise”. Endurance-Info. 2010年4月12日閲覧。
  19. ^ Highcroft Racing – News: Highcroft Racing – Thanks and Farewell to Honda”. Highcroft Racing. 2010年5月16日閲覧。
  20. ^ a b c d 【2011ル・マン】 VOL3 アウディとプジョー 同一ラップでの歴史的な激闘”. Auto Prove (2011年6月20日). 2015年1月20日閲覧。
  21. ^ Qualifying 3”. lemans.org. フランス西部自動車クラブ (2011年6月10日). 2011年6月10日閲覧。
  22. ^ a b アラン・マクニッシュ、ル・マンの破滅的なクラッシュから生還: 写真動画”. markzu (2011年6月12日). 2015年1月20日閲覧。
  23. ^ “Huge crash sends McNish crashing out of Le Mans in first hour”. Auto Blog UK. (2011年6月11日). http://uk.autoblog.com/2011/06/11/audi-mcnish-crashes-out-of-le-mans-in-first-hour/ 
  24. ^ a b Audi Wins 10th Title At 24 Hours Of Le Mans”. National Public Radio (2011年6月12日). 2011年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月12日閲覧。
  25. ^ 24 Heures du Mans Provisional Classification (PDF)”. lemans.org. フランス西部自動車クラブ (2011年6月12日). 2013年3月7日閲覧。
  26. ^ ル・マン24時間耐久レースで日本を激励してくれました!”. 国土交通省 (2011年7月13日). 2015年1月22日閲覧。
  27. ^ マツダ、東日本大震災被災児童自立支援プロジェクトSupport Our Kids「第3回ホームステイプログラム」を支援”. マツダ (2011年6月13日). 2015年1月22日閲覧。
  28. ^ マツダの優勝マシン、再びルマンへ=震災で招待、レース前にデモ走行”. みんカラ (2011年5月20日). 2015年1月22日閲覧。
  29. ^ 松本尚子さん、ル・マン郊外で震災募金活動”. 東京新聞 (2011年5月17日). 2015年1月22日閲覧。





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