鴆毒
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文献における鴆毒
一説には、パプアニューギニアに住むピトフイという毒鳥と同種の絶滅種の羽ともいう[3]が、実際には亜ヒ酸との説が有力である。あるいは酖毒とも書く。
なお、経書『周礼』の中に鴆毒の作り方と思われる記述がある。
まず、五毒と呼ばれる毒の材料を集める。
この五毒を素焼きの壺に入れ、その後三日三晩かけて焼くと白い煙が立ち上がるので、この煙でニワトリの羽毛を燻すと鴆の羽となる。さらにこれを酒に浸せば鴆酒となるという。
煙で羽毛を燻るのは、気化した砒素毒の結晶を成長させることで毒を集める、昇華生成方法の一種ではないかと思われる。日本でも、亜砒焼きと呼ばれた同様の三酸化二ヒ素の製造法が伝わっている。
『史記』における記述として、呂不韋は鴆の羽を酒に浸した鴆酒(ちんしゅ)を飲み、自殺したとされる[5]。
日本における記述として、『続日本紀』天平神護元年(765年)正月7日条に、「鴆毒のような災いを天下に浸み渡らせ」という表現が見られる他、軍記物である『太平記』巻第三十や『関八州古戦録』巻十に記述があり(関連項目も参照)、『土佐物語』巻第六にも、永禄年間の事として、「潜(ひそか)に城中の井水に鴆毒を入れ」というくだりがあり、これにより気絶する者が続出したと記述されている(死者についての記述はない)。
関連項目
- 呂不韋 - 鴆酒を飲んで自殺したとされる(『史記』)。
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