鳩 鳩の概要

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/27 03:04 UTC 版)

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ハト科
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: ハト目 Columbiformes
: ハト科 Columbidae
亜科
  • 多数

ハト目には世界では約42属290種あり、そのうち日本の在来種は、カラスバト属(カラスバト、アカガシラカラスバト、ヨナクニカラスバト、リュウキュウカラスバト、オガサワラカラスバト)、キジバト属(キジバト、リュウキュウキジバト、シラコバト)、ベニバト属(ベニバト)、キンバト属(リュウキュウキンバト)、アオバト属(アオバト、リュウキュウズアカアオバト、チュウダイズアカアオバト)の5属13種があげられる[注 1]。 このうち、リュウキュウカラスバトとオガサワラカラスバトの2種は、絶滅したと考えられていたが、近年、DNA調査により亜種がいくつかの諸島部で生存していることが確認された。

なお、カワラバト(ドバト)は、1500年程前に日本に渡来した外来種であるとともに、5000年以上前より世界各地で家禽化され広まった飼養品種であるため、学術的には日本ネイティブな在来種ではない[注 2]。このため、現在でも野鳥とみなされないことがある。また、ジュズカケバトについては、広義にはシラコバトのうち飼養品種となったものとされるため、上記リストからは省かれている。ジュズカケバトの白色変種である銀鳩[注 3]も同様である。

生物として

鳩という名前はパタパタと飛び立つときの音の様子に由来すると考えられる。「鳩」(九+鳥)の字にある(九)は鳴き声(クルッククゥー)からきた、とする説がある。「鳩」の中国語の発音であるキュウ(漢音)やク(呉音)は、英語のハトの鳴き声<coo>(クウ)、日本語のハトの鳴き声「クウクウ」に近い。「ハト」の名は、軽やかに羽ばたく音「ハタハタ」から、ともいう。また、漢和字典では「球」(中心に引き絞られた形)と同源としている。現代中国では「鴿子」(正体字)「鸽子」(簡体字)という。拼音は「gēzi」。

食性は雑食性である(木の実やミミズ[要出典]を食べる)[要検証]。一般的に熱帯種では一腹一卵、温帯種では一腹二卵を生み、14~21日の抱卵の後孵化する。鳩のヒナが孵化(ふか)から巣立ちするまでの期間は25~40日だが、鳩ミルク(ピジョンミルク)と呼ばれる親鳥のソノウから分泌される高タンパクなミルクで育てられる。ひなは親鳥の口にくちばしを差し入れてミルクを摂取する。ピジョンミルクには炭水化物は殆ど含まれておらず、主成分は主にたんぱく質である。栄養価は高く、アスリート用のプロテインに近い成分組成である。ただし、ピジョンミルクにはひなの成長につれて、半消化状態の柔らかいエサが徐々に混ざることがわかっている。巣から落ちた鳩のひなを人工飼育するには、植物性のプロテインや練り餌(釣具屋で売っているフナや鯉釣り用の練り餌が安価で簡便である)をぬるま湯でかゆ状に溶き、手のひらに握りこんで指のすき間から与えるのが簡単な飼育法である。

飼育史

ハトはおおよそ10000年から6000年ほど前の新石器時代に飼育動物化されたと考えられている。ハトは人里に近い土地で営巣する動物であり、洞窟、そして泥や石で造られた初期人間の住居に巣を作っていた。当時中東において栽培が始まったコムギオオムギなどもハトの食料として好適であった。こうしてハトと人間の距離が縮まったのち、ハトの飼育化がはじまった。当初は神経質な成鳥にくらべ人に慣れやすく飼いやすいハトの雛を成長させる目的で飼育がはじまり、やがて家禽化していったと考えられている[1]

紀元前2900年ごろにシュメールシュルッパクにて起こった大洪水はシュメルの洪水神話として後世に残され、『ギルガメシュ叙事詩』や旧約聖書ノアの方舟の話の原型となったが、『ギルガメシュ叙事詩』においてすでに陸地を探すためにハトをはなした話が記載されており、このころにはハトが飼育されていた証拠とも考えられている。紀元前4500年ごろのイラクのアルパチャにおいてハトのテラコッタの像が出土しており、ハトが宗教上重要視されていたことをものがたっている。古代エジプトにおいてもハトは飼育されていた。やがてハトの飼育は地中海へと広がり、古代ギリシャの各都市やエトルリア人にも広まった。ローマ帝国においてはハトは宗教上重要な意味を持つ一方、肥育されて食用としても盛んに用いられた[2]


  1. ^ 9種とする説もある。
  2. ^ 広義にカワラバトの飼養品種がドバト、狭義に飼養品種が再野生化した個体をドバトとする説があるが、ドバトの名称はすでに江戸時代から見られることより、フン問題などが社会問題化した1970年代以降の新説と言える。一般的にはカワラバトとドバトの間には明確な線引きはない。これは、すでに数千年にわたり家禽化され続けているカワラバトに対して純粋な野生種としてのカワラバトを見極めきれないためである。従って、学術名としてはカワラバト、呼称としてはドバトという事になろう。
  3. ^ 観賞用に飼われたりマジックの小道具として使用される小型のハト
  4. ^ ゲルマン祖語: *dubon
  1. ^ 三輪睿太郎監訳『ケンブリッジ世界の食物史大百科事典2 主要食物:栽培作物と飼養動物』朝倉書店、2004年9月10日、第2版第1刷、645-646頁。
  2. ^ F.E.ゾイナー『家畜の歴史』国分直一・木村伸義訳、1983年、法政大学出版局。p. 528
  3. ^ 2010伝書鳩による実験
  4. ^ 佐々木清光「鳩」(歴史のなかの動物107)、『週刊朝日百科日本の歴史』107、朝日新聞社、1988年。金子裕昌、小西正泰、佐々木清光、千葉徳爾編『日本史のなかの動物事典』東京堂出版、1992年に収録。
  5. ^ 金沢駅の美しさを守る「鷹パトロール」がスゴ過ぎる! おたくま経済新聞、2018年4月23日
  6. ^ 松本仁一『アフリカを食べる』朝日新聞社、1998年8月1日第1刷発行。p. 204.
  7. ^ 遠山柾雄『沙漠に緑を』岩波新書、1993年6月21日第1刷。pp. 85-88.
  8. ^ スー・ドナルドソン、ウィル・キムリッカ『人と動物の政治共同体』尚学社、2016年、343頁。


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