鬼門
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鬼門の捉え方(庶民)
十二支で鬼門(丑寅)とは反対の方角が未申であることから、猿の像を鬼門避けとして祀ったり、京都御所の北東角の軒下に木彫りの猿が鎮座し、築地塀がそこだけ凹んでおり、「猿ヶ辻」と称されてきた。
京都御所の築地塀が鬼門、北東方位を凹ませてつくられていることから、「御所が鬼門を避けている」「除けている」と考えられ、それが鬼門を除ける手法とされてきた。
東京芸術大学、東京工業大学名誉教授 清家清の著書 「現代の家相」[24]には、「家相の教え通りに凹ませている」と書かれている。現代でも人々は縁起を担ぎ、家の北東、鬼門の方角に魔よけの意味をもつ、ヒイラギやナンテン、オモトを植えたり、鬼門や裏鬼門(南西)から水回りや玄関を避けて家作りをする場合がある。京都のNPO法人が2015年、京都市内中心部だけで、ビルや店舗、一般住宅など、約1100か所に鬼門除けがあるという調査がなされ、四角く囲って玉砂利を敷いたり、ヒイラギ、南天を植えている調査結果が発表されている[25]。
京都御所の内部には鬼の間が存在している。鬼の間とは、京都御所において仁寿殿の西、後涼殿の東にある清涼殿の南西隅の部屋であり、すなわち裏鬼門の位置にある。飛鳥部常則が康保元年(964年)に鬼を退治する白沢王像を描いたとされている。順徳天皇が著した『禁秘抄』にこれに関する記述がある。壁に描かれていた王は、一人で剣をあげて鬼を追う勇姿であり、それを白沢王といい、古代インド波羅奈国(はらなこく)の王であり、鬼を捕らえた剛勇の武将であると言う説がある。 現在の建物(鬼の間)に、白澤王の絵は描かれていない[26]。なお、江戸中期の随筆「夏山雑談」には、白沢王は李将軍、「白澤王」としても記されている[26]。京都御所、天皇家が鬼の災い、神の祟り(自然災害、火災、疫病の蔓延)を恐れて、築地塀を凹ませていた、という解釈より、庶民に災いごとがふりかからないように、皇室が一手に凹みで受けとめて、御所内部の清涼殿、鬼の間に導いて鬼を切り倒し、世の安泰を願っていた、そう解釈したほうが自然であると、家相を研究する小池康寿は著書に[26]記している。現代でも皇居の間取りは公開されておらず、外から見ただけの塀の凹みだけを受けて鬼門除けに繋がったと考えた方が理に適う[27]。猿ヶ辻に関しても前述とは別に御所を守護する日吉神社の神の使いが猿だったことから、「猿ヶ辻」と呼ばれる記述もある。昭和43年、皇居東御苑が一般公開されたが、京都御所はGHQの管理下でありながら、昭和21年11月に一般公開されたが、現在でも鬼の間は一般公開されていない[26]。
- ^ 日本人なら知っておきたい正しい家相の本 2015, p. 37.
- ^ 村山, 修一. 日本陰陽道史話. 東京: 平凡社. p. 101. ISBN 4-582-76406-1
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- ^ 小池 2015, p. 20.
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- ^ 水野杏紀「新井白石『鬼門説』について : 翻刻と注解 (平木康平教授退職記念号)」『人文学論集. 平木康平教授退職記念号』第26号、大阪府立大学人文学会、2008年3月、97-117頁、doi:10.24729/00004460、ISSN 0289-6192、NAID 110007145726、2021年12月2日閲覧。
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- ^ 『迷信』第1章(4)「こけ威しの鬼門」p113-126(国立国会図書館)
- ^ 井上円了『迷信と宗教』 (青空文庫)
- ^ 文教当局と迷信、恥ずかしい話『大阪毎日新聞』昭和11年4月8日(『昭和ニュース事典第5巻 昭和10年-昭和11年』本編p712 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
- ^ リリアン・トゥー『図説 風水大全』東洋書林、1998年9月10日。
- ^ a b c d e 小池 2015, p. 187.
- ^ 『出雲大社教布教師養成講習会』発行出雲大社教教務本庁平成元年9月1日全218頁中230頁
- ^ “京都の表鬼門を護る”. 天台宗 比叡山延暦寺 皇城表鬼門 赤山禅院. 2021年6月14日閲覧。
- ^ 小池 2015, p. 99.
- ^ a b c 小池 2015, p. 100.
- ^ “みずほ障害、重い4度目 鬼門のバッチ処理でつまずき”. 日本経済新聞. (2021年3月16日) 2022年3月5日閲覧。
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