鬼の俎・鬼の雪隠 鬼の俎・鬼の雪隠の概要

鬼の俎・鬼の雪隠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/13 20:38 UTC 版)

 
鬼の俎(上)・鬼の雪隠(下)

概要

畑の中を通る遊歩道の脇の高台には「鬼の俎」が、遊歩道を挟んだ高台の麓に「鬼の雪隠」がある。両者は直線距離にして数十メートル離れているが、元は1つの古墳の石槨だったものが、盛土が無くなったうえ、二つに分かれてしまったものとされる。元々は花崗岩を繰り抜いた横口式石槨の蓋石(鬼の雪隠)とその底石(鬼の俎)であった。底石(俎)には横口式石槨の特徴である扉石を据えた痕跡が見られる。底石にはほぞ穴が並んでいるが、後世に割り取って石材として利用しようとしたためとみられる。

大きさは次の通り。

  • 底石(俎):長さ約4.5m、幅約2.7m、厚さ約1m。
  • 蓋石(雪隠):内幅約1.5m、高さ約1.3m。

言い伝えによると、風の森と呼ばれるこの地方に鬼が棲んでおり、通行人を騙してとらえ食べたと云われている。「俎」で調理し、「雪隠」で用を足したという。

なお、この鬼の俎・鬼の雪隠には双墓(ならびばか)説[1]がある。実は現在の俎の隣接したところにもう一つやや小さ目の底石があったが、明治の頃に小さく割られ民家の庭石に転用されたという。すなわち鬼の俎・雪隠古墳は双墓であり、隣にあったもう一つの石槨墓と対をなしていたというのである[2]。割られた石は民家から運ばれて現在は橿原考古学研究所付属博物館の屋外に展示されている。

脚注

関連項目


  1. ^ 日本書紀皇極元年(642)条には「予め双墓を今来に造る。一つをば大陵という。大臣の墓とす。一つをば小陵という。入鹿臣の墓とす」とある。
  2. ^ 河上邦彦:「飛鳥を掘る」講談社


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