髑髏杯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/16 17:17 UTC 版)
中国
『戦国策』によれば、趙無恤がその敵晋の智瑶の頭部を盃にしたという。
元の呉元甫も髑髏杯を常用したという。
チベット仏教・ヒンドゥー教
チベット仏教およびヒンドゥー教のタントラにおいて、カパーラ(サンスクリット語: कपाल、チベット語:ཀ་པ་ལ་)と呼ばれる髑髏杯を宗教上の儀式に使う道具としている。チベット仏教では、カパーラに彫刻が彫られたり、貴金属や宝石の装飾が施されている場合がある。マハーシッダ(大成就者)、荼枳尼天などの図像に、カパーラを持つ姿が描かれている[9]。カパーラは智慧や知識の象徴である[10]。
日本
天正二年(1574年)1月1日、織田信長が、前年討ち取った浅井久政・長政及び朝倉義景の髑髏を髑髏杯にした逸話はあるが、実際は漆を塗ったものを馬廻衆との宴に披露したと『信長公記』にあり、近代では髑髏杯にして信長が酒を飲んだというのは作り話とされる。NHKの大河ドラマ『功名が辻』で使われた3人の黄金の髑髏杯が掛川城に展示してある。
『玉山遺稿』によれば、江戸時代の漢詩人高野蘭亭は、鎌倉で大館次郎の墓をあばき、髑髏杯を製したという。
徳川光圀は髑髏杯を所有していたという。これは少年時代に刑場からたずさえてきた罪人の首級であるとも、某忠臣の首級であるともいう。
今昔物語集に、天竺では釈迦を脅す天魔の2姉妹が髑髏杯を持っていると綴られている。
- ^ 元はコンスタンティノス・マナセスにより12世紀に記された。
- ^ バチカン図書館が保有する14世紀のものとされる写本より。
- ^ 髑髏杯の英語・英訳 - 英和辞典・和英辞典 Weblio辞書
- ^ ヘロドトス『歴史』
- ^ ロシア古代中世史 彼らはスヴャトスラーフの頭蓋骨から金箔の酒杯をつくって戦勝を祝ったという。
- ^ 《飯尾 1999,p513》
- ^ 『漢書』「匈奴伝」、『史記』「張騫列伝」
- ^ 『魏書』、『北史』
- ^ Benard, Elisabeth Anne (1994). Chinnamasta: The Aweful Buddhist and Hindu Tantric Goddess. Delhi: Motilal Barnarsidass. ISBN 81-208-1065-1
- ^ Mountain doctrine: Tibet's fundamental treatise on other-emptiness and the Buddha matrix. Shambhala Publications, 2017.
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