餅 主な餅の種類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/17 06:03 UTC 版)

主な餅の種類

通常、餅の原料にはもち米が用いられるが、うるち米などが用いられることもある。もち米にうるち米を混ぜてついた餅を強餅(こわもち)という。

基本となるもち米をついて作る餅

のし餅(延し餅・伸し餅)、角餅(切り餅)
ついた餅を1.5cm前後の厚さに延ばして板状にした餅を「のし餅」と言う。好みの大きさに切って食べる。角餅と呼ばれるのは、のし餅を切ったものを言う(切り餅とも)。
なまこ餅
ついた餅をナマコ状の半楕円形に伸ばした餅。包丁等で適当な厚さに切って食べる。焼いたり、油で揚げて食べる。関西では、ねこ餅とも言う。
丸餅
ついた餅を丸く成形したもの。大きさや厚みによってそのまま食べたり、板状に切断して食べる。
鏡餅は、お供えとして大小の丸餅を二段に置いたもの。
あぶり餅
竹串にさして炭火であぶった餅。
鳥の子餅
鳥の子供の姿に似せてずん胴のヒョウタン型に成形した餅。子供の一生になぞらえて一升餅で作る。餅を二分して食紅(しょくべに)で赤く着色したものを紅白餅として祝う風習があるが、一生を二分するのは不遜として紅白に分けない場合もある。

もち米をついて作る餅とその餅を利用した料理

赤福餅御福餅川渡餅あんころ餅ぼたもち
小豆で包んだ餅。
揚げ餅
七味味の揚げ餅
餅を 1cm 内外のサイコロ状に切断、または前記の鏡餅で砕いた破片等を油で揚げた餅。揚げた後に醤油・薬味などをまぶして食べる。
飴餅
餅を水飴でくるんだもの。江戸時代佐夜の中山で売られた[23]
宮城県北部では正月に食べる習慣がある[25]
あん餅、大福
中にあんこが入った餅。
磯辺餅(いそべもち)
切り餅を焼き、熱いうちに醤油を付けて海苔を巻いたもの。
えび餅
炒ったヌマエビを餅に絡めたもの。
仙台藩領内の北部(宮城県北部から岩手県南部)の郷土料理であり、見た目が紅白になることから祝いの席で出される。
かき餅(かきもち、欠餅)
「おかき」。餅を薄く切断したものを天日で乾燥させ、焼いたもの。醤油等を塗る場合もある。古来は刃物を使わず槌や手で餅を欠いた。
柿餅
干し柿をもち米とともにつき、餅にしたもの。
中国では円形に縦から潰した干し柿自体を柿餅と称している。
草餅
ヨモギなどと共についた餅。もち粉やうるち米を用いたものや、小豆あんを包んだものも草餅と呼ばれる。
豆餅
黒豆などを混ぜ込んだ餅。
からみ餅
大根おろしにからませて食べる。
かんころ餅
さつまいもを輪切りにして湯がいて天日で干した物と、もち米を一緒に蒸して、混ぜてついた黄色の餅(甘古呂餅)。
きなこ餅
焼いた餅、煮た餅、もしくは蒸した餅に大豆を臼で引いて粉状にしたきな粉に砂糖を若干加えたものをまぶして(混ぜて)食べる。
巾着餅
油揚げの中に餅を入れたもの。おでん種として用いられる。
くるみ餅
クルミを擦って作った餡をからめたもの
凍り餅・氷餅・凍み餅
凍らせた餅[23]
笹餅
の葉で巻いた餅
酢餅
大根おろしカボスまたはの果汁(ポン酢)にからませて食べる。一味唐辛子をかける人もいる。主に福岡県大分県で食べられる。
ずんだ餅
ゆでた枝豆すり鉢等を用いて潰したものにからめて食べる。
栃餅
の実を混ぜてついた茶色の餅。
納豆餅
納豆をからませたもの。
菱餅
雛祭りの際に雛壇に飾る菱形の餅。
へぎ餅(おへぎ、方餅)
餅を薄く刃物で切断したものを天日で乾燥させ、焼いたもの。油で揚げる場合もある。現在はかき餅と混同されている事がある。
水餅
水に漬けて貯える餅[23]
バター餅
バターや砂糖などを練りこんだ餅で、秋田県の郷土料理。

もち米の粉を練って作るもの

椿餅
もち米を蒸してから乾燥し、軽く砕いた道明寺粉で作る餡入りの餅で、椿の葉ではさむ。
桜餅(道明寺)
もち米を蒸してから乾燥し、軽く砕いた道明寺粉で作る餡入りの餅で、塩漬けしたの葉で包む。
信玄餅
求肥にきな粉と砂糖をまぶしたもの。黒蜜のたれをかける。
羽二重餅乳団子、走井餅
もち粉に砂糖や水飴を加えて練った柔らかい餅。
亥の子餅
亥の子に際して作られる餅菓子。様々な材料で作るが、求肥が多い。餅の場合もある。
芥子餅(けしもち)
求肥で餡をくるみ芥子の実をまぶしたもの。
ムーチー(鬼餅)
水で練ったもち粉を月桃(さんにん)の葉で包んで蒸した沖縄の餅。
花びら餅・御焼餅(おやきかちん)
ゴボウを薄くのばした餅で包んだもの。
日本のちまき
笹の葉で巻かれた餅。これに対して中国のちまきは、おこわの一種である。
トック
韓国の餅の一種。もち粉を練って、押し出し方式で作る。
煎餅(せんべい、いりもち)
練って作った餅を薄く成形して天日で乾燥させ、焼いて醤油等を塗ったもの。
白玉
ふところ餅
草粿(チャウコエ)
台湾の草餅。「草仔粿」(チャウアコエ)ともいう。カメの形に作る「烏草龜粿」(オーチャウクイコエ)もある。客家の「艾粄」も同様。
炸麻糬(チャーモワチー)
台湾の揚げ餅
紅龜粿(アンクイコエ)
台湾の赤く染めてカメに似た形に作るもの。

うるち米を使うもの

五平餅(五兵衛餅、御幣餅、吾平餅)
うるち米の餅を板に付け火であぶり、味噌を塗ったもの。
月見団子
ピンポン玉程度の大きさの丸餅をピラミッド状の三角錐に積み、月に供えてから食べる。地域により形状などに違いがある。
串団子
一口で食べられる大きさの団子状に成形した丸餅数個を串に刺したものを食べる。生のまま、または焼いたものに醤油・砂糖・片栗粉で作った甘辛いタレをからめたみたらし団子(御手洗串団子)や小豆・枝豆などのつぶ餡やこし餡を付けて食べる。醤油を塗って焼いた串団子に海苔を巻いたものを磯辺団子という。
牛蒡餅
うるち米の餅と黒砂糖などを混ぜてケシの実をまぶした餅。
柏餅
の葉で包んだ餅。小豆こしあん、味噌あんなどを包む。柏の自生が少ない近畿圏以西ではサルトリイバラの葉が用いられることが多い。
鶴の子餅
鳥の子餅とほぼ同じ形状で縁起の良い鶴の卵を象ったもの。紅白の色をしている。すあまで作るものを鶴の子餅と称することが多い。
うる餅、あらかね餅、ぼろ餅、おふく、こごめ餅、たがね餅、ごんだ餅、どや餅
もち米にうるち米を混ぜてついた餅。地方により様々な名称で呼ばれ、味や形も様々である[23]
小米餅
もち米にうるち米を混ぜてつき、米粒を残したもの。
やしょうま
信州(長野県)のカラフルな米粉餅である。名前の起源については釈迦弟子のヤショを偲ぶ、釈迦の奥様ヤソダラ姫に因む、あるいは痩せ馬の姿に似ているからなど複数の説がある[26]

デンプンを用いるもの

葛餅
クズデンプンや、代用品としてのジャガイモデンプンなどを用いる。
わらびもち
ワラビのデンプンを用いる。
蘇鉄餅
ソテツのデンプンを用いる。

小麦粉を用いるもの

焼皮桜餅(長命寺)
小麦粉寒梅粉(もち米の加工品)を加えて、鉄板で焼いた皮(煎餅の一種)で餡をはさみ、塩漬けした桜の葉で包む。
月餅
中国の中秋節のお菓子。皮は小麦粉。
くず餅(久寿餅)
小麦粉の澱粉質を乳酸発酵した物を蒸し上げて作る。主に関東地方で食べられている。関西葛餅葛粉から作る。

その他の材料のもの

雪餅
つくね芋でつくった白いきんとん。冬の和菓子
藁餅
藁を水洗いした後乾燥させ臼引きして粉状にし、米粉や小麦粉やくず粉やわらび粉などでんぷん質を持つ粉と水を加え練り混ぜて蒸したもの。元々は飢饉時の代用餅の一種。
粟餅
をついて作ったもの。
大根餅
すりおろしたダイコンに小麦粉や片栗粉を混ぜて焼いたもの。ただし米粉を配合する場合もある。
麩餅
生のを使って作ったもの。
高麗餅(これもち)
小豆練餡そぼろ状にして固めて蒸したもの。鹿児島県の郷土菓子。
水信玄餅
寒天を滴状にしたもの。

注釈

  1. ^ 『大鏡』では、どちらの皇子だったか覚えていないと記す。
  2. ^ 餅は餅屋ウィクショナリー
  3. ^ 絵に描いた餅ウィクショナリー
  4. ^ 棚から牡丹餅ウィクショナリー

出典

  1. ^ フランスで「MOCHI」ブーム 日本の「餅」とは微妙に違う…ザンネンな点も” (日本語). デイリー新潮. 2022年5月17日閲覧。
  2. ^ miraclenachan. “英語で「Mochi」と呼ばれる、アメリカで大人気のアレって何?” (日本語). ENGLISH JOURNAL ONLINE. 2022年5月17日閲覧。
  3. ^ a b 「粢」 コトバンク - 日本大百科全書(ニッポニカ)
  4. ^ 多彩な餅料理 栗原市観光ポータルサイト
  5. ^ 一関もち料理データベースが出来ました 一関市公式観光サイト「いちのせき観光NAVI いち旅!」、2018年6月1日、2019年1月18日閲覧。
  6. ^ 【仰天ゴハン】300種類のもち料理(岩手県一関市)新メニュー続々 にも届け『読売新聞』朝刊2019年1月6日(日曜版別刷り「よみほっと」1面)。
  7. ^ 篠田統『中国食物史』柴田書店、1976年、P54-56
  8. ^ 「餅」 コトバンク - 世界大百科事典 第2版
  9. ^ 全国餅工業協同組合 餅つきをしよう
  10. ^ 日本の食生活全集32 聞き書 島根の食 p.38,P.124,p.168,p.287 農山漁村文化協会, 1991, ISBN 4-540-91002-7
  11. ^ 日本の食生活全集32 聞き書 島根の食 p.223 農山漁村文化協会, 1991, ISBN 4-540-91002-7
  12. ^ 日本の食生活全集32 聞き書 島根の食 p.81,p.285,292 農山漁村文化協会, 1991, ISBN 4-540-91002-7
  13. ^ 古進編『客家人』p177, 中国三峡出版社, 1994, 北京
  14. ^ 大塚初重・吉村武彦 編『古墳時代の日本列島』p.267、青木書店、2003年。ISBN 4-250-20330-1
  15. ^ 佐原眞『食の考古学』1996年
  16. ^ かみつけの里博物館 第5回特別展「鳥の考古学 神・精霊・人の死―古代人の精神と密接にかかわる鳥の造形たち―」1999年
  17. ^ 大塚初重・戸沢充則・ 佐原眞編『日本考古学を学ぶ(2) 原始・古代の生産と生活』p.252、有斐閣選書、1979年
  18. ^ 『新訂総合国語便覧』p.30、第一学習社、1998年 改訂28版(初版1978年)
  19. ^ 網野善彦『中世再考 列島の地域と社会』講談社学術文庫、2000年
  20. ^ 坪井洋文『イモと日本人』未来社、1979年
  21. ^ 宮本常一『宮本常一著作集 13』
  22. ^ さむ~い冬はお餅を食べよう 北陸ろうきん会員情報誌「ろうきんボイス」Vol.45
  23. ^ a b c d e 広辞苑』第五版【餅】
  24. ^ 餅とカビの歴史
  25. ^ 飴餅(宮城の正月の餅) みんなのきょうの料理
  26. ^ やしょうま”. コモリ餅店. 2020年7月19日閲覧。
  27. ^ 餅は喉ごし、かまずに楽しむ 山形・河北町「つかえたら除名」 - 河北新報(47NEWS)
  28. ^ 溝延地区に伝わる食文化「餅飲み」”. 河北町. 2020年7月19日閲覧。
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  30. ^ 議員立法で規制を検討 「こんにゃくゼリー」で自民”. MSN産経ニュース (2008年10月10日). 2009年3月7日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年2月9日閲覧。
  31. ^ 死とシルバーデータ(1)(1999.06) お葬式プラザ
  32. ^ こんにゃく入りゼリー等食品による窒息事故に係るリスク評価に関連する情報 (PDF)”. 食品安全委員会 (2010年1月15日). 2010年7月17日閲覧。
  33. ^ 小林未来 (2010年1月14日). “こんにゃくゼリー「事故頻度、アメと同等」食品安全委”. 朝日新聞』朝刊13版 (朝日新聞社): p. 29面. http://www.asahi.com/national/update/0113/TKY201001130387.html 2010年4月1日閲覧。 
  34. ^ “製造中止「蒟蒻畑」に同情1万人…ネットに反対の声”. ZAKZAK (産業経済新聞社). (2008年10月16日). オリジナルの2008年10月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20081019020331/http://www.zakzak.co.jp/top/200810/t2008101638_all.html 2010年4月1日閲覧。 
    “「こんにゃくゼリー」法規制混迷 「もち」「米」も危険という声も”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2008年10月14日). オリジナルの2009年5月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090501004800/http://www.j-cast.com/2008/10/14028560.html 2010年4月1日閲覧。 
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  37. ^ a b “餅が喉に詰まっても掃除機は使わないで”. 大分合同新聞. (2022年1月1日). https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2022/01/01/015019755 2022年1月3日閲覧。 
  38. ^ 長友千代治『重宝記の調方記: 生活史百科事典発掘』2005年
  39. ^ 耳嚢』 巻之四
  40. ^ 鶏アデノウイルスによる封入体肝炎について KMバイオロジクス株式会社
  41. ^ 一乃穂 しとぎばなし
  42. ^ カウシカ「日本における餅の習俗 : 贈答品としての餅を中心に」『東アジア文化研究 = 东亚文化研究』第4号、國學院大學大学院文学研究科、2019年2月、 165-184頁、 ISSN 2423-8422NAID 120006862910






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