鞭毛菌類とは? わかりやすく解説

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鞭毛菌類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/28 04:18 UTC 版)

鞭毛菌類(べんもうきんるい、: mastigomycetes[1], zoosporic fungi[2][注 1], flagellated fungi[4][注 1])とは、古典的な意味での「真菌[注 2]のうち、生活環の一時期に鞭毛細胞を形成するもののことである(図1)。古くは分類群としてまとめられ、1つの鞭毛菌門 Mastigomycota)または真菌門の1亜門(鞭毛菌亜門 Mastigomycotina)として扱われていた。ツボカビ類サカゲツボカビ類卵菌類などが含まれるが、これらは互いに近縁ではないと考えられるようになり、21世紀現在では鞭毛菌類は分類群として扱われることはない。ただし、これらの生物を示す一般名として「鞭毛菌類」が用いられることがある。


注釈

  1. ^ a b fungi の単数形は fungus[3]
  2. ^ 菌類のうち、粘菌を除いたもの。
  3. ^ 2023年現在ではコウマクノウキン門に分類される。

出典

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