青線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/20 10:27 UTC 版)
公娼と私娼
1946年1月21日にGHQから「日本における公娼制度廃止に関する連合国最高司令官覚書」が発せられたのを受け、1947年1月15日にポツダム命令の「婦女に売淫をさせた者等の処罰に関する勅令」(勅令第9号)が施行され、事実上公娼制度が廃止された。しかし管理売春ではない本人の自由意志による売春であることを前提に、娼婦(売春婦)が転向するまでの暫定措置という形で、特殊飲食店として地域(赤線地帯)を限って売春が許容、黙認された。そのため「公娼街=赤線」「私娼街=青線」と認識されがちであるが、あくまで許容、黙認であって公認ではないため全てが私娼であった。
その他
1958年4月に売春防止法が罰則適用の取締りによる全面実施となっても、一部の赤線や青線の業者などが形を変えて非合法の営業を続けた。一部週刊誌などで、素人(しろうと)売春とかけた白線(ばいせん・ぱいせん)、暴力団が仕切っていた「黒線(くろせん)」、電話の呼び出しで売春するものを「黄線(おうせん)」あるいは「イエローライン」といった呼び方もされたが、それほど定着はしなかった。
参考文献
- 牛窪浩/奥田道大『盛り場・池袋の魅力』(1985年)
- 『近代庶民生活誌 第14巻・色街・遊廓2』(1993年6月 三一書房)
- 木村聡『赤線跡を歩く』(1998年)
- 木村聡『赤線跡を歩く2』(2002年)
- 講談社『日録20世紀 1984』(1998年)
- 今和次郎『新版大東京案内』(ちくま学芸文庫版)(2001年)
- 藤木TDC/ブラボー川上『東京裏路地<懐>食紀行』(2002年)
関連項目
- ^ 米川明彦編著『明治・大正・昭和の新語・流行語辞典』(三省堂、2002年、166ページ)
- ^ 「性風俗取締りの変遷-小野常徳氏に聞く」『性・思想・制度・法 ジュリスト増刊』1970年
- ^ 都筑道夫『昨日のツヅキです』(新潮文庫、1987年)
- ^ 竹村民郎「赤線」:井上章一・関西性欲研究会『性の用語集』(講談社現代新書、2004年)に収録
- ^ 溝口敦『細木数子 魔女の履歴書』(講談社+α文庫、2008年)
- ^ 小松奎文編著『いろの辞典(改訂版)』(文芸社、2000年、22ページ)
- ^ 小林信彦『現代〈死語〉ノートII-1977~1999-』(岩波新書、2000年、216-217ページ)
- ^ 榊原昭二『昭和語-60年世相史』(朝日文庫、1986年)
- ^ 布施克彦『昭和33年』(ちくま新書、2006年、146-147ページ)
青線と同じ種類の言葉
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