霰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/04 01:55 UTC 版)
構造
結晶の表面に凍った霧の粒が付着していることが多いため、霰の小粒を観測することには困難が伴う。さらに、被写界深度の限界があるためマイクロスコープを用いても同様。しかしながら、雪の結晶の観測同様、低温用のSEMを用いれば、明確に結晶の表面が観測できる。霰は雪と異なり、角板、樹枝状、角柱、および針という4つの基本的な雪の結晶形状全てが混在した状態から成るため、規則正しい結晶構造は観測できない[16]。
言葉
現在では、大きさで雹と区別されるが、本来は雹も含んだ[17]。
凍雨を含めて、「あられ」と総称することもある[2]。また、単にあられと言った場合、雪あられをさすこともある。
霰を詠んだ歌の例としては、『万葉集』巻第一・65番「あられ打つ 安良礼(あられ)松原(大阪市住之江区) 住江の 弟日娘と見れど 飽かぬかも」が見られる。
「霰降り」は、「かしま」「きみつ」「とほつ」などの枕詞である。
出典
参考文献
- 『最新気象の事典』、東京堂出版、1993年 ISBN 4-490-10328-X
- 『気象観測の手引き』、気象庁、1998年(平成10年)9月発行・2007年(平成19年)12月改訂。
- 『オックスフォード気象辞典』〈初版〉、朝倉書店、2005年 ISBN 978-4-254-16118-2
外部リンク
注釈
出典
- ^ 『最新気象の事典』p.12 石井幸男「霰」
- ^ a b c d e f g h i 『気象観測の手引き』、p.61-65「大気現象の種類と定義・解説」
- ^ a b c “Snow Pellets”. International Cloud Atlas(国際雲図帳). World Meteorological Organization(世界気象機関) (2017年). 2023年3月4日閲覧。
- ^ a b c オックスフォード気象辞典 p.84「氷あられ」p.257「雪あられ」
- ^ 驟雨(しゅうう)性の降水:積雲や積乱雲など対流性の雲から降る、強さがよく変化する降水。
- ^ a b c d “Small Hail”. International Cloud Atlas. World Meteorological Organization (2017年). 2023年3月4日閲覧。
- ^ a b 「予報用語 降水」、気象庁、2023年1月24日閲覧
- ^ 『気象観測ガイドブック』、気象庁、2002年12月、p.44
- ^ 「報道発表 地方気象台における目視観測通報を自動化します」、大阪管区気象台、2019年11月16日、2023年1月24日閲覧
- ^ 「雪(初雪)の観測は誰がどのように行っているのですか?」、福岡管区気象台『はれるんマガジン』36号、2022年12月27日、2023年1月24日閲覧
- ^ “天気の「快晴」がなくなった 「歴史的転換」迎えた観測”. 朝日新聞デジタル. 2020年4月3日閲覧。
- ^ 「国際式の天気記号と記入方式」、気象庁、2023年1月21日閲覧。
- ^ 過去の気象データ検索 > 「天気欄と記事欄の記号の説明」、気象庁、2023年1月21日閲覧。
- ^ 理科年表FAQ > 山内豊太郎「天気の種類はいくつあるのですか。その記号も教えてください。」、理科年表オフィシャルサイト(国立天文台、丸善出版)、2008年3月、2022年1月21日閲覧。
- ^ 「METAR報とTAF報の解説」、那覇航空測候所、2023年1月21日閲覧。
- ^ “Rime and Graupel”. U.S. Department of Agriculture Electron Microscopy Unit, Beltsville Agricultural Research Center. 2017年7月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月23日閲覧。
- ^ 『広辞苑』(5版)「霰」
- >> 「霰」を含む用語の索引
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