霜
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自動車ガラスの霜
自動車のフロントガラスなどの霜は視界を不透明にして、安全な走行の妨げとなることがある。付いた霜を除去する方法としてスクレイパー(へら)や解氷剤の使用があり、熱湯をかけるとガラスが割れたり再凍結を起こす恐れがあるため適切ではないとされる。また、予め撥水剤でコーティングしておくと氷が除去しやすくなり、カバーをかけておくと霜の付着予防となる[52]。
冷蔵庫の霜
冷却方式によっては通常使用でも、冷蔵庫は露出している冷却器の周辺に、冷凍庫は庫内の壁に広く霜が付着する。厚くなれば冷却能力が低下するため、定期的に霜取りをする必要がある。これは直冷式の機種の特徴で、もうひとつの主要冷却方式であるファン式の機種では、冷却器は内蔵のため内部で霜取りを行っており、通常は霜取りが不要である。ただこの機種でも、ドアの開け閉めが多い、外気の湿度や温度が高いなどの使用環境や、ドアパッキンの異常などにより霜が付くことがある。直冷式は、日本の主要メーカーの例では、小容量で冷凍室と冷蔵室が分離していないワンドアタイプの冷蔵庫や一部の業務用冷凍庫で採用されている[53][54][55]。
言葉・文化
日本語では、霜が発生することを「霜が降りる(おりる)」「霜が降る(ふる)」と表現することがある。「霜」という言葉は冬の季語である[56]。また二十四節気のひとつに霜降(そうこう)(10月23日ごろ)があり[56]、旧暦11月は霜月(しもつき)の異名をとる[57]。古典的表現では「しも-ふる(降)」は「霜降」に読みを充てたのが起源と考えられ、そのほかに日本古来の表現として「しも-おく(置)」の表現があって、この2つは『万葉集』にもみられる。時代が下って近世後期には「しも-おる(下)」が使われるようになり、現代の「霜が降りる」へとつながる[56]。
霜の文学的あるいは口語的表現として、まだらに降りた霜をはだれ霜、一面に降りた霜をたたみ霜[58]、霜が降りそうな無風の夜を「霜凪」、霜が降りた朝以降の晴天や好天を「霜晴れ」「霜日和」[59]、霜が降り傷んだ草木の様子を「霜傷み」「霜荒れ」「霜枯れ」「冬枯れ」「霜焦げ」「霜割れ」[60]などと表す。「霜焼け」(しもやけ)は寒さで皮膚が赤く痒みをもつような状態を指すが、草木の様子を表す表現でもある[61]。
英語ではfrostと呼ぶ[1]。frostは大気中の凍結現象である霜のほかに、permafrost(永久凍土)[62]、frost heaving(凍上)[63]など土壌中の凍結も指す。
ジェド・マロース(ロシア語:Дед Мороз, ブルガリア語:Дядо Мраз, ポーランド語:Dziadek Mrózなど)は、スラヴの神話・民間信仰にルーツをもつ寒さあるいは霜の精霊で、聖ニコラオス、ファーザー・クリスマス、サンタクロースに類似した伝説・伝承上の人物[64][65]。これがもとになったロシア民話マローズカ (Морозко)(邦題は『寒の太郎』など)もある。
イギリスの民間伝承におけるジャックフロスト(英語:Jack Frost)も霜や寒さを擬人化したもので、窓にできる羽根のような模様の霜はジャックフロストの仕業だといわれてきた[66][67][68]。霜の巨人(ヨツン)は北欧神話における怪物のひとつである[69]。
脚注
注釈
- ^ 太陽放射と地表からの赤外線放射(外向き長波放射)の差。プラスは太陽放射が多く、マイナスは地表放射が多いことを示す。
- ^ 高山気候も参照
- ^ 海洋性気候も参照
- ^ アメリカ合衆国農務省作成のハーディネスゾーン (Hardiness zone) を日本向けにしたもの。
出典
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