電気自動車 導入事例

電気自動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/31 09:23 UTC 版)

導入事例

ファイル:2011 Nissan Leaf SL - 10-28-2011.jpg

電気自動車の国内における導入実例には、1970年昭和45年)の大阪万博の会場内輸送を担う車両の生産をダイハツが担当した。それ以来ダイハツは3輪バイクハローや、商用車ハイゼットEVなどの市販電気自動車のほか、自治体特殊法人向けにラガー改造したEVを少数納入している。

山梨県北杜市では、7月末から電気自動車のモデルゾーン実験を行った。実験ではトヨタ車体旧アラコ)『コムス』、ゼロスポーツ『ゼロEVエレクシードRS』、オートイーブイジャパン『ジラソーレ』、昭和飛行機工業『e-VAN』等が採用された。

日本郵政グループの郵便事業会社(現・日本郵便)は、2008年12月初旬から環境対応車両の実証実験を行って、郵便事業会社の保有する集配用の自動車2万1000台を電気自動車に切り替える方針を発表している[56]。しかし2011年にゼロスポーツが破産したことで導入計画は頓挫、その後日産・e-NV200や後述する三菱・ミニキャブMiEVバンを導入している。

日産自動車は2010年に発表したリーフを世界展開する。三菱自動車は東京電力と共同で開発したi-MiEVの販売を開始、商用車でもミニキャブバンをベースにしたミニキャブMiEVを開発、2010年秋にプロトタイプ車をヤマト運輸に貸与して実証実験を行い、2011年から2017年まで販売され、2013年からはトラックも追加された。

そのほかでは、ホンダが栃木県のサーキット、ツインリンクもてぎ内で提供している会場内専用のレンタル車輌などがある。

自動車共用実験では超小型モビリティとしてシティコミュータータイプの電気自動車を使用するケースがあり、トヨタ・e-com日産・ハイパーミニなどがある。

トラックでは積載量2-3トンクラスの小型トラックでの採用例が見られる。2010年に三菱ふそう・キャンターをベースにしたキャンターE-CELLをIAAに出展、NEXCO中日本他でのモニター使用を経て2017年にeCanterとして量産を開始した。日野自動車は2013年にデュトロをベースにした集配車を開発、ヤマト運輸と西濃運輸が東京都内で実証運行を行った[57][58]

他に特殊用途自動車としては、ターレットトラックフォークリフト・ゴルフカートでは電動式のものが少なくない割合を占めている。動力つき車椅子や老齢者用カートは大半が電動式である。

日本国外ではスイスの観光地ツェルマットなど、内燃機関自動車の乗り入れを禁止し村内の自動車は原則としてすべて電気自動車とされている場所などもある。完全に定着した特殊用途自動車としてイギリスの牛乳配達用車両 (milk float) があげられる。これは「早朝にエンジン車はうるさい」との苦情から発生したもので、鉛蓄電池により駆動する。

市販の自動車の電気自動車への改造は希に行われている。改造電気自動車には近距離の荷物配達用バン(デリバリー・バン)や霊柩車などの実例がみられ、珍しいところでは九州電力玄海原子力発電所見学者用のバスや九州産交バス路線バスを電気自動車に改造。趣味性の高い方向では、日本EVクラブマツダ・ロードスターのEV改造キットを発表したり、同クラブ広島支部が2007年から2008年にかけて事故車のデロリアン・DMC-12をEV改造し、翌年3月にナンバー取得をしたケースがある。

モータースポーツ

モータースポーツの世界でも、2010年代に入り電気自動車を用いたレースが徐々に拡大しつつある。

古くから電気自動車が活躍するレースとしてはパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムがある。標高3000mを超える高地で行われる同レースでは、標高による出力低下の影響を受けない電気自動車の利点を活かす形で多くの電気自動車が参戦しており、参戦台数の増加に伴い2012年からは単独の「Electric Class」が設けられた。2015年には並み居るガソリン車勢を破り、リース・ミレンのドライブするeO PP03が電気自動車として初の総合優勝を遂げ、2018年にはロマン・デュマのドライブするフォルクスワーゲン・I.D. R Pikes Peakがコースレコードを樹立している。

日本では2010年より、日本電気自動車レース協会 (JEVRA) の主催で「全日本電気自動車グランプリ」(通称 : EV-GP)シリーズが開催されている[59]

2014年には国際自動車連盟 (FIA) がフォーミュラカーによるレースシリーズとしてフォーミュラEを発足させた。当初は速度が遅く軽んじる者もいたが、フォルクスワーゲングループのディーゼルエンジンにおける排ガス不正後は一転、ディーゼル推進派であったイメージを払拭したいドイツ車メーカーたちを中心にEVシフトが叫ばれ、ハイブリッドカーのF1やLMP1(ル・マン24時間)に代わり、メーカーが大挙する一大カテゴリとなった。

アメリカでは2018年からGRC(グローバル・ラリークロス)でEVカーによるクラスが発足する他、欧州中心の世界ラリークロス選手権でも2020年にEVクラスを導入する計画を進めている[60]




  1. ^ 電気自動車とは - 意味/解説/説明/定義 : 新語時事用語辞典”. 2009年9月30日閲覧。
  2. ^ 日産自動車株式会社. “日産 | ゼロ・エミッション | ゼロ・エミッションとは” (日本語). www.nissan-global.com. 2018年12月6日閲覧。
  3. ^ 日本の法令上、トロリーバスは無軌条電車と呼ばれる鉄道として扱われ、自動車として扱われないため、電気自動車には含まれない。
  4. ^ 報道発表資料:「ハイブリッド車等の静音性に関する対策について(報告)」の取りまとめ等について”. 国土交通省. 2011年9月17日閲覧。
  5. ^ @IT MONOist. 2日分の家庭用電力をEVから引き出す. http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1108/02/news085.html. 
  6. ^ パイクス参戦の増岡「ドラッグを上回るパワー」 - オートスポーツ・2014年6月26日
  7. ^ 総合効率とGHG排出の分析 報告書 日本自動車研究所 (PDF) 平成23年3月
  8. ^ 新しい構造の高性能「リチウム-空気電池」を開発 - 産業技術総合研究所 2009年2月24日発表
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  10. ^ エタノール改質燃料電池車の問題点
  11. ^ 川島研究室ホームページ 8.間欠給電式バスシステムに関する研究(太陽エネルギー研究開発センター関連) http://www.me.kanagawa-it.ac.jp/kawashima/Study.html
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  22. ^ 藤井英敏 リチウムイオン電池の価格を下げる「脱コバルト」レースの勝者は? 2009年8月18日公開
  23. ^ 日経BP TechOn 用語 リチウムイオン2次電池用電極材料 2007/01/11 11:56公開
  24. ^ 産業技術総合研究所 プレスリリース リチウムイオン電池用高容量正極の安価な新材料を開発 2006年11月6日 発表
  25. ^ 日立らが希土類磁石を使わないモータを試作、効率は5ポイント向上
  26. ^ 自動車の高効率化と電気自動車ファミリーの技術動向 (PDF)
  27. ^ 電気自動車の駆動系-どんなモータが最適か- (PDF)
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  29. ^ 【インプレッション・リポート】テスラ・モーターズ「モデルS」内の写真を参照
  30. ^ かながわ電気自動車普及推進方策 策定調査結果報告書 <概要版> (PDF)”. 2009年9月3日閲覧。
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  32. ^ 日本経済新聞2010.5.11.38面
  33. ^ 100Vより200V給電の方が電力ロスが少ない。
  34. ^ 一般に蓄電池の容量上限近くは内部抵抗が高くなり温度上昇と充電効率も悪化して時間も掛かるため、満充電ではなく80%ほどで充電を終える方式が採られる。
  35. ^ 数分程度で充電が完了する急速充電器も開発されている。充電器側はキャパシタなどを内蔵することで短時間に大電流を供給できるが、このような急速充電による車載蓄電池側の発熱などが問題とならないか不明であり、一般には十数分程度の充電時間とされている。
  36. ^ 十数分程度の充電時間が短縮できないなら、液体燃料の給油に比べて店舗内に留まる車両台数が増えて顧客回転率が低下する。充電サービス事業の収益性の確保や自動車台数への対応を考えればより多くの停車空間と充電ターミナルの確保が求められる。
  37. ^ 電気料金-国際比較- (PDF)
  38. ^ http://jp.autoblog.com/2014/12/24/tesla-real-world-beta-testing-model-s-battery-swap/
  39. ^ History of Railway Electric Traction
  40. ^ Inventors - Electric Cars (1890 - 1930)
  41. ^ Escaping Lock-in: the Case of the Electric Vehicle
  42. ^ ソニー・日産電池撤退、電気自動車は韓中主導で再編加速か - ダイヤモンドオンライン(2016年8月19日版/2016年11月5日閲覧)
  43. ^ 「5分の充電で800km」新キャパシタ電気自動車 2007年9月7日 WIRED.jp
  44. ^ 世界初の「キャパシターハイブリッドトラック」 UDトラックス(旧 : 日産ディーゼル)
  45. ^ http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2009/pr20090224/pr20090224.html
  46. ^ http://www.designnewsjapan.com/content/l_news/2009/02/o14nbe000001i82r.html
  47. ^ Tesla Motors、電気スポーツカー「Tesla Roadster」の商用生産を開始 2008年3月19日 CNET JAPAN
  48. ^ “News Edge「三菱自 社運乗せ、電気自動車発進」”, 日経産業新聞: 20, (2009年6月5日) 
  49. ^ http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2010/_STORY/101203-01-j.html
  50. ^ ハイブリッドではもう遅い?電気自動車で出遅れた日本 Yomiuri Online 2017年6月2日
  51. ^ 焦点:電気自動車の勝利か、英国が脱ディーゼル・ガソリン宣言 ロイター 2017年7月27日
  52. ^ トヨタ、日産、ホンダ…大競争時代に突入 海外企業を巻き込む「自動車三国志」 (1/5ページ) SankeiBiz 2017年11月3日
  53. ^ 走りでもEV、「GT-R」級のパワーに-日産自コンセプト車で訴求 Bloomberg 2017年10月25日
  54. ^ トヨタ創始者の夢「佐吉電池」 能力2倍の次世代型開発 日本経済新聞 2017年10月25日
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  57. ^ ヤマト運輸、トヨタ、日野が協力して電動(EV)小型トラックの実証運行を開始”. 日野自動車 (2013年3月1日). 2019年3月27日閲覧。
  58. ^ 西濃運輸、日野自動車が協力して電動(EV)小型トラックの実証運行を開始”. 日野自動車 (2013年5月21日). 2019年3月27日閲覧。
  59. ^ レース結果 - JEVRA
  60. ^ ラリークロスにも電動化の波。世界ラリークロスが2020年にフルEVシリーズへ変貌か





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