電子辞書 オンライン辞書

電子辞書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/22 02:16 UTC 版)

オンライン辞書

インターネット上のサーバなどに格納された辞書データに対して、スマートフォンタブレット端末、PCなどから、ウェブブラウザ経由でアクセスして閲覧するシステムが代表的である。オンライン辞書サイトには、無料版と有料版とがある。有料版の形態としては、フルコンテンツ版に対して利用料を課す代わりに、利用制限のある版を無料で公開している例や、オンライン版のアクセス権を付与したキーを、紙媒体の辞書の付録として頒布している例などがある。オンライン版のアクセスキーを付録としている例には、ロングマン現代英英辞典6訂版が挙げられる[48]

沿革

1999年2月22日にNTTドコモiモードのサービスを開始すると、携帯電話IP接続が可能になった[49]。このiモードの公式サイトにて、三省堂が月額50円の利用料で国語辞典『大辞林』など3点を提供し始めた[49]のを筆頭に、会員制の携帯辞書サイトという新しい市場が生まれた[49]。2001年、World Wide Web上では、3月に三省堂の「Web Dictionary」(有料会員制)が、4月に小学館グループ(ネットアドバンス)の「ジャパンナレッジ」(同年6月に有料化)が、5月にユーザー参加型のフリー百科事典ウィキペディア日本語版が、それぞれサービスを開始した[49]ポータルサイトが運営する無料辞書検索サイトの先駆けとしては、goo辞書(1999年8月開設)とYahoo!辞書(2000年7月開設)があり[49]、多くの日本語ポータルサイトがそれらに続いた。インターネットで提供される有料辞書サービスの多くは、無料のオンライン辞書・事典の台頭で苦戦しているが、そのうち「ジャパンナレッジ」はB2B市場の開拓に成功し、安定した運営を続けている[49]朝日新聞社と複数の出版社が集まって開設したコトバンクは、検索連動型広告(キーワード広告)を収益源とする運営システムを採用し、消費者向けの無料辞書サービスを実現している[49]


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