雷電 (シューティングゲーム) 概要

雷電 (シューティングゲーム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/08 22:56 UTC 版)

概要

当時いわゆる「大作主義」が主流だったシューティングゲームの中にあり、本作は極めてシンプルで、異彩を放っていた。これがユーザーに好評を以て受け入れられ、最終的には全世界累計で2万枚以上を売り上げるなどアーケード基板としては大ヒット作となった[2]

本作のゲームシステムは、『究極タイガー』(1987年)を始めとする東亜プランの縦スクロールシューティングを踏襲したものである。これは、『究極タイガー』の海外版である『TWIN COBRA』などを制作時に参考資料にしていることが理由である。それまではこのような作品は、ゲーマーの間では「東亜系」と呼ばれていたが、東亜プランのシューティングゲームが方向転換しつつあったこともあり、本シリーズがヒットしてからは「雷電系」と呼ばれることが多くなり、同ジャンルのデファクトスタンダードに置き換わった様子も見られた。

インカム低下対策として、プレイヤーの行動次第でランクなどが変化するよう調整が施されているが[2]、本作ではデモ画面でコインを投入するタイミングによってもランクが変わるシステムが実装されている[要出典]

ゲーム内容

システム

8方向レバーと2ボタンで自機である「超高空戦闘爆撃機・雷電」・「超高空戦闘爆撃機・雷電マークII」・「ファイティングサンダー」を操作する。ボタンはそれぞれショット、ボンバーが割り当てられており、ショットを押すとメインショットとミサイルを同時発射する。2人同時プレイ可能。

メインウェポン

メインウェポンは現在の装備と同じ色のアイテムを取ると1段階ずつパワーアップする。パワーアップは、雷電IIIでは5段階まで、Vを除くでは最大8段階である。

ある程度パワーアップすると自機のフォルムに変化が生じると同時に当たり判定が大きくなる。

  • バルカン(赤)
初期装備。自機前方に扇状に弾丸を撃ち出す。パワーアップにより、最大で前方の7方向にまで攻撃できるようになる。撃てる弾数が増えるだけで威力は変わらず、敵にも補正がかかり耐久力も増すので一発あたりの威力は相対的に弱くなる。しかし、連射性能に優れていて大量の弾丸を敵に浴びせられるため、敵に密着して全弾を集中して撃ち込み、さらに超連射するとボスすら秒殺するほどの驚異的な攻撃力を発揮する。使い勝手が最も良く、道中・ボス戦と使い方を工夫できるので汎用性に富んでいる。
  • レーザー(青)
自機正面に、レーザーを再現した青白い光弾を切れ目なく発射する。パワーアップしていくとレーザーの本数が増え、幅が広くなる。バルカンに比べ攻撃判定は非常に狭いが、破壊力が高いため耐久力のある中型・大型の敵機に重宝する。その破壊力の高さに比例して、より耐久力に補正が掛かった状態で敵も登場するが、換装前から画面内にいる敵の耐久力には補正がつかないので、これを利用してボスが登場した直後にレーザーを装備すれば、敵を速攻で倒すことも可能。
  • プラズマレーザー(紫)
II、DX、IV、Vに登場。II、DXでは連射しているとレーザーの性質が変化し、曲線を描きながら敵を捕捉しダメージを与え続けることができるようになる。IVではレーザーの性質は変化せず、連射中は常時捕捉。左右の移動によってレーザーも移動方向に曲がるため、蛇のうねる姿のような特徴的な軌道が常時形成される。ボタンを連射しているだけで画面中の敵ほぼ全てに対応できるうえ、見た目の演出もバルカンやレーザーよりも派手である。ただし、バルカン・レーザーに比べて攻撃力が低く、近距離でも遠距離でも与えるダメージが一定のため、ボス戦では長期戦になりがち。そのため、良くも悪くも初心者向けである。なおIVでは、ある程度でレーザーを重ねて当てることで威力を上げることができる。
雷電の関連作『ライデンファイターズ』では、雷電の自機(ライデンMk-II)が登場した際のメインショットはこのプラズマレーザーになっている。初代には登場しない武器でありながら、雷電の代名詞ともなった武器である。
  • プロトンレーザー(緑)
III、IVに登場。レバーを左右に振る事でレーザーが一定角度まで鞭のように撓る性質を持つ。撓っている間は攻撃力が増加し、最大で通常の20倍に達する。撓らせ方を工夫することで、威力を上げた状態で斜め方向の敵も集中的に攻撃することができる。IIIのメインウェポンで唯一貫通性能がある。外見や動作は上記のプラズマレーザーと似ているが、性能は全く違う。IVではライデンMK-IIの紫装備の選択により使用可能。
  • プロトンレーザー改(紫)
IVに登場。IIIに登場したプロトンレーザーの改良版で、自機から三叉状に発射されるのが大きな違い。レバーを左右に振り続けることによりレーザーが一本に収束される。

サブウェポン

サブウェポンも現在の装備と同じ記号のアイテムを取ると1段階ずつパワーアップする。『雷電III』は3段階、他の作品では4段階まで。初代、II、DX、IIIでは初期状態の自機からは発射出来ず、アイテムを取った時点で発射されるようになる。IVの自機であるファイティングサンダーME-02改は、LIGHTモードを選択した時のみサブウェポンの第1段階が標準装備されている。なお、サブウェポンアイテムはIVまで登場し、Vは複数自機(現時点では計3機)が登場している為サブウェポンは各機体一つずつに所有している。

  • ニュークリアミサイル「M」(黄)
前方へ散らばるようにミサイルを発射する。ミサイルは徐々に速度を上げて突き進み、敵に命中すると高い攻撃力のある爆風が発生する。パワーアップすると、弾数、爆風の大きさ、威力が強化される。敵に密着して撃つ事で遅い初速をカバーすれば、ボス級の耐久力が高い敵も瞬殺するほどの威力を発揮する。
  • ホーミングミサイル「H」(緑)
自機の斜めまたは横から扇状にミサイルを発射する。ミサイルは敵を自動追尾し高い命中率を誇る。1発あたりの威力は低いがバルカン、ニュークリアミサイル同様、敵に密着して超絶連射すると驚異的な破壊力を発揮する。パワーアップすると発射できる数が増え、追尾性能と弾速も上がる。最高段階のホーミングミサイルはその高い弾速と誘導性能で、ザコ掃討に役立つ。
  • レーダーミサイル「R」(紫)
III、IVに登場。前方にミサイルを発射する。発射されたミサイルは直進しつつ、敵機に対して左右方向に水平移動し追尾する。高めの命中率と高めの威力があるが、真横や後方の敵には誘導しない難点もある。

ボンバー

アイテムを取得することで、ボンバーの数を1つ追加する。最大ストックは7個。最大数所持中に取ると5,000点のボーナス。II、DXでは、同一種のボンバーを最大数まで所持している時に更に同種のボンバーを取得すると、50,000点のボーナスになる。

  • ボンバー(赤)
ダメージを与え、かつ敵弾を相殺するボンバーを発射。攻撃力は高いが、射出から爆発まで長いタイムラグがあるため、緊急回避には向かず、計画的に使用する必要がある。ボンバーの爆発に乗じて接近し連射すると、耐久力の高い敵も瞬時に撃破することができる。III、IV、Vでは射出してすぐに爆風が画面全体に拡散するタイプへと一本化された。
II、DXに登場。自機の周囲に無数の小型ボンバーを散布。通常のボンバーと異なり、射出直後から攻撃・相殺判定があるため、緊急回避に用いることが可能。ただし、威力はあまり高くない。

その他の攻撃手段

  • バチバチ弾
2人同時プレイ時のみ見られる特殊な攻撃。味方機に収束状態のプラズマレーザー以外のメインショットを当てると、高い攻撃力を持った火花が前方に飛び散る。バチバチ弾という名は通称で、公式なものではない。
  • 自機の破片
ミスし自機が爆発したときに飛び散る破片。これはゲーム中最高の攻撃力を持つ。初代雷電も破片に攻撃判定があるが、国内版の初期の作品では単独プレイだと戻り復活によりあまり意味が無い事もある。後期ではこの攻撃手段は廃止されている。

特殊アイテム

  • 勲章
地面の特定の施設・敵を破壊すると出現。取得すると300点(初代)、または500点(II)のボーナス。雷電DXでは、出現と共に徐々に色がくすんでいき、得点も下がっていく。完全に色がくすむと一瞬だけ光り、その時に取ると3,000点になる。
  • 青勲章
II、DXに登場。IIでは3,000点。DXでは、通常の勲章と同じく徐々に色がくすんでいき、くすみきってから一瞬だけ光った時に取ると10,000点になる。
  • ミクラス
勲章の出現する個所にて、まれに勲章の代わりに出現する怪獣。初代では3,000点、IIでは10,000点。DXでは、動きを停止した後再び動き出す瞬間に取ると、50,000点のボーナスになる。また、黄・青勲章を最高得点で3回取れば、次は必ずミクラスが出る。
  • 1UP
一定条件を満たしている場合に限り、特定の場所に出現。残機が1つ増える。
  • フルパワー(P)
Vを除く一定条件下で出現。取得すると、現在装備中の武器が一気に最強段階にまでパワーアップする。フルパワー状態で取ると10,000点ボーナス。
  • フェアリー
特定の場所に一定量のショットを撃ち込み続けると出現[3]。取得すると10,000点のボーナスになる他、Vでは一定のダメージ受けた直後に体力を一定量を回復し、それ以外の作品ではミスして復活した直後には複数のアイテムをばら撒く。アイテムを出すタイプの一部の作品ではストックできる(取った数に応じてアイテムが出るミスの回数が増える)。

設定

ストーリー

AD2090、地球は外宇宙生命体の攻撃にさらされた。激しい戦いのさなかで、世界連合軍は優れた技術者たちを集め、敵の撃墜された戦闘機をベースに超高空戦闘爆撃機"雷電"を開発した。

しかし、あまりにも優れた機動力、性能のため、実戦に耐えられるパイロットはたった二人のみ。二機の雷電は、地球の存亡を賭けて出撃した。

ステージ構成

本作のステージを記述する[4]

ステージ名 ボス名 BGM
1 田園 デザートスパイダー GALLANTRY
2 都市 フライングフォックス LIGHTNING WAR
3 海洋 ファランクスMK-III ROUGH AND TUMBLE
4 遺跡 ギジドー GALLANTRY
5 敵地上基地 ランドクラウン FIGHTING THUNDER
6 浮遊大陸 ガーディアン ROUGH AND TUMBLE
7 宇宙ステーション アントノフMa-27 LIGHTNING WAR
8 敵巨大戦艦 ドレイネージ=コア FIGHTING THUNDER

  1. ^ a b c d e f g 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、18 - 19頁、ISBN 9784881994290 
  2. ^ a b c 雷電IV公式ブログより
  3. ^ a b 『ハイパープレイステーション』ソニー・マガジンズ、1995年6月1日、88,89,90,91,頁。 
  4. ^ 『PS版 雷電プロジェクト 付属取扱説明書』pp.12-15及び攻略DVD『THE ACES HIGH 雷電』を参照。
  5. ^ a b c 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店、1993年7月15日、66頁。 
  6. ^ a b c d e 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、95頁。 
  7. ^ a b c d e 「8月情報号特別付録 スーパーファミコンオールカタログ'93」『SUPER FAMICOM Magazine』、徳間書店、1993年8月1日、55頁。 
  8. ^ 田名網陽平 (2002年10月22日). “サイバード、「イース」や「雷電」、「R-TYPE」が遊べる「ゲームの殿堂!!!」を配信” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2019年5月18日閲覧。
  9. ^ 『イース』『R-TYPE』などがiアプリに!「ゲームの殿堂!!!」が11月5日にオープン” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2002年10月22日). 2019年5月18日閲覧。
  10. ^ 太田亮三 (2004年2月4日). “サイバード、900i向けに「雷電」「R-TYPE」など配信” (日本語). ケータイ Watch. インプレス. 2019年5月18日閲覧。
  11. ^ サイバード、900i向けに「R-TYPE」などメジャーゲームタイトルを投入” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2004年2月5日). 2019年5月18日閲覧。
  12. ^ 太田亮三 (2005年1月27日). “BREWに対応したシューティング「雷電」” (日本語). ケータイ Watch. インプレス. 2019年5月18日閲覧。
  13. ^ BREW版シューティングゲーム「雷電」” (日本語). ITmedia Moblie. アイティメディア (2005年1月28日). 2019年5月18日閲覧。
  14. ^ PS4/Switch『アケアカ 雷電』7月1日に配信決定。超高空戦闘爆撃機・雷電に搭乗して外宇宙生命体から地球を防衛するシューティングゲーム” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2021年6月25日). 2021年7月2日閲覧。
  15. ^ 緑里孝行 (2021年6月25日). “PS4/Switch「アーケードアーカイブス 雷電」7月1日に発売 「雷電」を操作し外宇宙生命体の侵略から地球を守るSTG” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2021年7月2日閲覧。
  16. ^ ito (2021年6月25日). “シューティングゲーム「雷電」が“アーケードアーカイブス”に登場。2021年7月1日にPS4とSwitchに向けて配信” (日本語). 4Gamer.net. Aetas. 2021年7月2日閲覧。
  17. ^ CONTINUE 『 メガドライブ大全 』 p.81参照(太田出版
  18. ^ 株式会社QBQ編 『スーパーファミコンクソゲー番付』マイウェイ出版発行、2017年。ISBN 9784865117097 p98-99
  19. ^ スーパー雷電 | ゲーム | 株式会社ハドソン
  20. ^ a b Raiden for TurboGrafx-16 (1991)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年9月10日閲覧。
  21. ^ a b c Raiden for Genesis (1991)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年9月10日閲覧。
  22. ^ a b 雷電伝説 まとめ [メガドライブ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年9月21日閲覧。
  23. ^ a b 雷電 まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年9月21日閲覧。
  24. ^ a b スーパー雷電 まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年9月21日閲覧。
  25. ^ a b c Raiden for Jaguar (1994)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年9月10日閲覧。
  26. ^ a b c d 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、80頁。 
  27. ^ Raiden for SNES (1991)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2017年9月10日閲覧。
  28. ^ a b 「最も愛されたゲームたち!! 読者が選んだベスト30」『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社、1991年7月1日、63頁、ASIN B00BHEECW0 
  29. ^ 「ビデオゲーム フルリスト」『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社、1991年7月1日、175 - 216頁、ASIN B00BHEECW0 
  30. ^ 「ザ・ベストゲーム」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、80頁、ISBN 9784881994290 





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