集積回路 プロセス・ルール

集積回路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/24 04:57 UTC 版)

プロセス・ルール

プロセス・ルールとは、集積回路をウェハーに製造するプロセス条件をいい、最小加工寸法を用いて表す。プロセス・ルールによって、回路設計での素子や配線の寸法を規定するデザイン・ルールが決まる。

通常、最小加工寸法はゲート配線の幅または間隔である。ゲート配線幅が狭くできれば、金属酸化物電界効果トランジスタ (MOSFET) のゲート長が短くなるから、ソースとドレインの間隔が短くなり、チャネル抵抗が小さくなる。したがって、トランジスタの駆動電流が大きくなり、高速動作が期待できる。このため、プロセス・ルールは、高速化を期待して、ゲート長のことを指す場合もある。特にDRAMプロセスでは、ゲート長はゲート配線の最小寸法を使わない場合があるし、拡散層とメタル層を導通させるコンタクトの径が最小加工寸法の場合もある。つまり、プロセス・ルールは、製造上の技術的な高度さや困難さを示す指標と言える。

プロセス・ルールが半分になれば、ダイの外部配線部を除けば、同じ面積に4倍のトランジスタや配線が配置できるため、同じトランジスタ数では4分の1の面積になる。ダイ面積が4分の1に縮小できれば1枚のウェハーから取れるダイが4倍になるだけでなく、歩留まりが改善されるためさらに多くのダイが取れる。トランジスタ素子が小さくなればMOSFETのチャネル長が短くなり、ON/OFFの閾値の電圧 (Vth) を下げられ、低電圧で高速のスイッチング動作が可能となるため、リーク電流の問題を考えなければ、消費電力を下げながら性能が向上する。

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  • 注釈

    1. ^ 専門的には「ダイ」とも呼ぶ。
    2. ^ 個別の部品を集積した「ハイブリッド集積回路」なども含める場合もあるが、ここではそちらへの言及は割愛する。
    3. ^ 多くの場合、端子とその間隔のために必要な大きさが、パッケージサイズの要因となっている。
    4. ^ 1980年代に商用化しようとした例もあったが、歩留の制約を越えられずに失敗している。WSIの実用化の優先度は高くない。(トリロジー・システムズ英語版の記事などで見られる)

    出典

    1. ^ a b c 1960年代初 国産ICのスタート, http://www.shmj.or.jp/museum2010/exhibi719.htm 
    2. ^ 城阪俊吉、私とハイブリッドマイクロエレクトロニクスの出会い -戦後40年のやきもの 『HYBRIDS.』 1988年 4巻 1号 p.2-20, doi:10.5104/jiep1985.4.2
    3. ^ 米誌に触発された電試グループ, http://www.shmj.or.jp/shimura/ssis_shimura2_06.htm 
    4. ^ 固体回路の一試作 昭和36(1961)年4月8日 電気四学会連合大会, http://www.shmj.or.jp/shimura/shimura_J_L/shimura2_06_3L.jpg 
    5. ^ 東大グループは「固態型論理回路」, http://www.shmj.or.jp:80/shimura/ssis_shimura2_07.htm  半導体産業人協会 日本半導体歴史館 志村資料室 第Ⅱ部
    6. ^ The Bipolar Digital Integrated Circuits Data Book, 日本テキサスインスツルメンツ 
    7. ^ 原題: Introduction to VLSI Systems
    8. ^ 福田哲生著 『はじめての半導体シリコン』工業調査会 2006年9月15日初版第1刷発行 ISBN 4769312547
    9. ^ 日経エレクトロニクス 2007年11月5日号「激安DRAMを活かす」 p.63
    10. ^ [インテルCPUロードマップ 2016年中に10nmプロセスを量産、7nmは2019年]ASCIIデジタル2016年04月18日
    11. ^ ついに“ひと桁”、7nmプロセス開発へ加速EE Times Japan Weekly 2016年03月28日
    12. ^ “Broadwell-EP”こと「Xeon E5-2600 v4」が販売開始ASCII 2016年04月01日
    13. ^ New nano logic devices for the 2020 time frames
    14. ^ マイクロ分光素子を用いたイメージセンサの高感度化技術を開発 Panasonic Newsroom プレスリリース 2013年2月4日


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