陸戦型ザクII ザクキャノン

陸戦型ザクII

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 10:25 UTC 版)

ザクキャノン

諸元
ザクキャノン
ZAKU CANNON
型式番号 MS-06K
所属 ジオン公国軍
地球連邦軍 / ティターンズ
製造 ジオニック社
全高 18.4m[4]
頭頂高 17.7m[4]
本体重量 59.1t[4]
全備重量 83.2t[4]
装甲材質 超硬スチール合金[65]
出力 976kW[4]
推力 41,000kg[4]
センサー
有効半径
4,400m[65]
最高速度 73km/h[4]
武装 180mmキャノン砲
120mmバルカン砲(ガトリング砲)
2連装スモーク・ディスチャージャー
3連ミサイル・ポッド×2
ビッグ・ガン×2
その他
搭乗者 イアン・グレーデン
アルフレディーノ・ラム
キャンドル
アイリス・アリスン

プラモデル企画『MSV』、アニメ『機動戦士Ζガンダム』、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』および『機動戦士ガンダムUC』に登場。

ジオン公国が開発したザクIIを基に作られ、ザクIIの右肩に対空砲を装備したバリエーション機。当初は開発が凍結されていたが、地球連邦軍のガンキャノンの出現に対抗する形でドムの量産に平行して生産された。主な装備としては、ランドセルに装着された右肩の180mmキャノン砲、ランドセル左部の2連装スモーク・ディスチャージャー、腰部の2連ロケット弾ポッド(ビッグ・ガン)があり、モノアイは全周囲型に改良されたほか、サブカメラも装備している。また、ランドセルを換装もしくは排除することでJ型と同様のスペックを発揮できるほか、180mmキャノン砲を120mmガトリング砲(6砲身)に換装したガトリング砲装備型もある[注 5]。アンテナは通常1本だが2本の機体も存在し、ラビットタイプと呼ばれた。もとは、連邦軍の航空機に対するために作られた対空用機であるが、開発中に対地支援にも有効なことが証明され、中/長距離支援用機としても運用されるようになった。運用は主に遮蔽物を利用した間接照準射撃だが、場合によっては直接照準射撃も行うことがあった。

砲撃武装がランドセルに集約されているうえにそこが弾薬格納庫となっていたため、弾丸補充には別MSの手を借りなければならず、運用に不便な点があった(だが、自動装填装置を有しているとの異説もある)[要出典]。支援機ゆえに携帯武器は通常携行しないが、ザクマシンガンのほか、ザク用の各種携行火器は流用可能である。

カラーリングとして当初は北米・西アジア戦を想定してデザート・イエローが生産されたが、のちにザクII同様のカラーリングであるダークグレー系の迷彩に変更された。MS-06Jのバリエーションの1つとして、MS-06J-12と記述された資料が存在する[要出典]。主にキャリフォルニアベースに配置されたとの記述があるが、アジア戦ではコジマ大隊所属の08小隊によってザクキャノンの発見が報告されている。

一年戦争時に確認されている機体はわずかであった(『MSV』では、試作された全9機が北米で実戦参加したと設定されている。ただし、バンダイ刊『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』では、「アフリカではD型ザクと並びポピュラーな機体」と記述されている[要ページ番号]。)。一年戦争終盤にキャリフォルニアベース防衛のために連邦軍を挟撃したものの連邦軍にキャリフォルニアベースを奪回され、フロリダ半島へ撤退した時点で終戦を迎えた。

グリプス戦役時には、連邦軍に接収された機体が運用されている。コックピットはリニアシートに換装されており[66]、カラーリングは青と紫と基調とする。宇宙戦用に改造された機体もあり[67]、資料では背面にアタッチメントの宇宙用バーニアを装備しているようだと記述されている[66]

劇中での活躍
ジオン公国軍第2地上機動師団所属のイアン・グレーデン中尉は、MS-06Kで構成されたMS中隊を率い、北米戦線において航空機34機、車両71台、MS2機の撃墜スコアを残している。なお、グレーデンの乗機はラビットタイプであり、オリーブグリーンに塗装されていた。
『機動戦士Ζガンダム』でアレキサンドリア級重巡洋艦ハリオに立ち寄ったパプテマス・シロッコは、搭載されている本機を見て「旧型」と蔑み、アーガマへの攻撃には「私のメッサーラだけで充分」と嘲笑している。なお、キリマンジャロ基地のシーンでも1カット登場しており、小説・漫画『審判のメイス』ではパイロットがティターンズアイリス・アリスン軍曹であることが描かれた。
OVA『第08MS小隊』第3話では、下半身を土中に埋めて砲台化した本機が登場する。基地のトーチカと連携し、一度は陸戦型ガンダム3機の攻撃を退けている。
機動戦士ガンダムUC』では、トリントン基地襲撃に参加。小説版ではジオン軍残党シンブ隊のキャンドル中尉の愛機とされ、ヨンム・カークス少佐の乗るザクI・スナイパータイプを援護する。OVA版では、アジアのジオン残党の基地となっているグレイファントム級の残骸[68]からドダイYSに乗って出撃している。漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』にも、シンブ隊隊長キャンドルの搭乗機として登場している。また、その後は海賊に回収されたらしく、外伝作品『袖付き』の機付長は詩詠う』の第7話では、海賊に回収された機体が他の奪われた機体と共にカークス隊基地襲撃に参加している。
備考
初出はムック『劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック』に掲載されたイラストで(説明では対空砲がビーム砲であるとされていた)[要ページ番号]、これをもとに『MSV』において背面画稿と詳細な設定が追加され、プラモデルとしても発売された。『Ζガンダム』に登場したカラーリングのものも発売されたほか、2008年8月には「ザク Ver.2.0」をベースとしたマスターグレード版が発売された。

ザクハーフキャノン

諸元
ザクハーフキャノン
ZAKU HALF CANNON
型式番号 MS-06JK
頭頂高 17.5m[69]
全備重量 81.6t[69]
武装 180mmキャノン
120mmバルカン砲
2連装スモーク・ディスチャージャー
3連装ミサイル・ポッド×2
ビッグガン×2
その他
搭乗者 ミア・ブリンクマン

『MSV-R』に登場。なお、それ以前に発売されたアクションフィギュア『MOBILE SUIT IN ACTION!! ジオン軍地球侵攻作戦』では、ザクキャノンのランドセルと同型の「キャノンパック」が付属しており、本機と同様にJ型への装備が可能となっていた。

ザクキャノンの開発コンセプトのひとつとして決定されていた、180ミリキャノン砲装備の大型ランドセルを独立した1ユニットとしてJ型に換装した機体。これは、前線での機体損耗の際の応急措置として、パーツ換装による機種変更の必要性を検討していた公国軍上層部の発案による[69]

ジオニック社の開発陣はザクキャノンの試作終了後に[70]、火器管制システムの一部を変更した[71]J型にザクキャノンのランドセルを換装して射撃試験をおこない、結果を報告した[70]。その結果、J型のオプション兵装として有効であると判断され[71]、180ミリキャノン、ランドセル、専用シールドをひと組とする24セットの生産が決定する[70]。ただし、確認されている機体は180ミリキャノンではなくガトリング砲装備のみであり、ビッグガンも両腰あるいは左腰のみに装備している[注 6]。ザクキャノンのような装甲強化がないため機動性の低下も最小限となっており、汎用機に随伴して前線で火力を発揮できる機体となっている[47]。一部の機体には、ザクキャノンと同様の迷彩塗装がほどこされている[71]

作中での活躍
一年戦争末期の北アメリカ方面の中規模ジオン航空施設で撮影されたザクキャノン(ガトリング砲装備型)の写真の背後に、後ろ姿の本機が写り込んでいる[72]
個人用カスタム機
ミア・ブリンクマン専用機
ゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション Code Fairy』に登場。北米戦線の秘匿部隊「ノイジー・フェアリー」所属のミア・ブリンクマン技術少尉が搭乗する機体で、脚部にアンダーグラウンド・ソナー(「闇夜のフェンリル」隊が試験運用しているものと同型)を内蔵しており、頭部のアンテナ増設(ザク・デザートタイプのダブルアンテナと同型のものを左側のみ)と併せて優秀な索敵能力を誇る[50]。武装類はJ型のものに換装しており[73]、右手にザク・マシンガン(対空砲弾マガジン)、左手に通常のザクIIの右肩シールドを携行、脚部に3連装ミサイル・ポッドを装備する。左腰にはビッグガンも装備している。部隊カラーの薄紫と白を基調に、一部ダーク・グレーで塗り分けられている。オデッサ作戦直前の時期の戦闘で、ジムのビーム・ライフル(陸戦型ガンダムと同型)の砲撃により大破するが、ミアは無事である。なお、機体名称は後述のMSD版と同じく「ザク・ハーフキャノン」と中黒入りで表記される。

ザク・ハーフキャノン(MSD版)

諸元
ザク・ハーフキャノン
ZAKU HALF CANNON
型式番号 MS-06CK
所属 ジオン公国軍
頭頂高 17.5m[74]
全幅 9.2m(スパイク含む:9.7m)[74]
武装 180mmキャノン砲
ガトリング・ガン
2連装スモーク・ディスチャージャー
ビッグ・ガン×2
ヒート・ホーク
搭乗者 サッシャ・キッツ、他

機動戦士ガンダム THE ORIGIN Mobile Suit Discovery』(以下『MSD』)および漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島』に登場。

主にC型をベースとするため、型式番号が変更になっている。C-5型やC-6型をベースとする機体は胸部形状が異なるが、型式番号に変更はない[75]。ただし、J型がベースの場合はMS-06JKとなる[75]。右肩のシールドが通常のザクIIのものとなっており、塗り分けもMSV-R版と異なるが、MSD版をもとにMSV-R版を再現したカラー画稿も存在する[75]

劇中での活躍
漫画『ククルス・ドアンの島』では、ジャブロー攻略戦でサッシャ・キッツ少尉が搭乗するC-6型ベースの機体[75](頭部にブレード・アンテナ装備)とともに、C型(あるいはJ型)ベースの機体も3機(パイロットはギル二等兵、フース二等兵、ロウ上等兵)登場し、ガウ攻撃空母から地上に降下する。塗装はいずれも通常のザクIIと同様で、キッツ機のみ左肩のスパイクが黄色く塗られ、右肩に以前所属していたY-02小隊のエンブレムが描かれている。

ザク・キャノン (MSD版)

MS-06をベースに中距離支援を主眼に製作された試作機である。ランドセルには180mmキャノン砲(もしくはガトリング・ガン)、2連装スモーク・ディスチャージャーを装備。ランドセル下部には、MSでの集団戦を想定した2連装ミサイル・ポッド「ビッグガン」も携行できた。脚部には、MS-07 グフのノウハウを生かした補助バーニアを装備している。試作は9機に留まったといわれ、サンディブラウンのほかにはダークグリーンの機体も確認されている。その機体は頭部にアンテナを2本装着し、「ラビットタイプ」と呼ばれた。

ザク・キャノン テストタイプ

『MSD』に登場(型式番号:YMS-06K)。

対MS戦用に切り替わる以前の、高機動な防空手段として検討された試作機[75]。上半身やランドセルはザクキャノンとほぼ変わらないが、膝から下が通常のザクIIのものになっている。重量バランスの問題により、開発は停滞する[75]

なお、防空用としての計画時点でザクキャノンの特徴的な装備が組み込まれていたとするのはMSD独自の解釈である[75]

ザクトレーラーキャノン

漫画『機動戦士ガンダム バニシングマシン』に登場。名称は現地部隊によってつけられたもので、制式なものではない。

歩行不能に陥ったザクキャノンの上半身を、ザクタンクと同じ要領でトレーラー[注 7]の荷台に左向きに固定した機体である。武装は180mmキャノン砲とザクマシンガンのほか、トレーラーヘッドの上部に機関銃1挺を備えている。パイロットはボランスキー(ザクキャノン部分)とボーイ(トレーラー部分)。

義勇兵部隊「ヤーコブ隊」が、連邦軍のオデッサへの進撃を受けて撤退する部隊の殿を務める際に現地で急造し、連邦軍部隊との戦闘に投入する。最後はぬかるみに入ったところで陸戦型ジムの攻撃に遭って横転し、自軍の武器庫へ転落して大爆発した。その結果、パイロット両名が即死したうえにヤーコブ隊はほとんどの武器・弾薬を失い、さらなる苦境に立たされた。


注釈

  1. ^ 本項では、「ザクI(旧型ザク)」については触れない。
  2. ^ a b c d ただし、のちに「JC型」と変更された『第08MS小隊』版J型の設定からの引用である。
  3. ^ MSV-R版の右肩シールド上部は斜めに折れている。SD版の左斜め前からを描いた画稿でもそう見えるが、正面を描いた画稿ではザク・デザートタイプのようにさらに水平に折れている。
  4. ^ 初出の『ガンダムエース』2009年6月号掲載のイラストでは黒を基調としているが、『MSV-R アクショングラフィック編』では同じ構図で描き直されており、標準塗装に変更されている[49]。いずれもブレード・アンテナを装備。
  5. ^ 『MSV-R』での新設定。
  6. ^ 設定画ではビッグガンは左腰のみ、後述の北米での写真では両腰に装備。
  7. ^ 形状はサムソンに類似しているが、サムソンより一回り小型である。

出典

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