銀河パトロール ジャコ 銀河パトロール ジャコの概要

銀河パトロール ジャコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/18 08:12 UTC 版)

銀河パトロール ジャコ
Jaco the Galactic Patrolman
ジャンル 少年漫画SFコメディ
漫画
作者 鳥山明
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス
発表号 2013年33号 - 44号
巻数 全1巻
話数 全11話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

概要

2013年7月1日発売の『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて「創刊45周年記念・新連載第一弾」として発表されたもので、同年7月13日発売の第33号から[1][2]2013年44号まで連載。雑誌掲載時には「集中短期連載」と記載されていた。

鳥山が連載を行うのは、2000年の『SAND LAND』以来およそ13年ぶりで、同誌に作品が掲載されるのは、2010年50号の『KINTOKI-金目族のトキ-』以来、2年8か月ぶり[1][2]。鳥山の雑誌巻末コメントによると「古臭い内容だが、それは何故か最後まで読めばわかる」と記載されていた[3][4]。各話のタイトルに「DB-○○(残りの話数)」の表記がされ、話数に「10+1」という分母がついている。これは同作者の作品『ドラゴンボール』の前日譚であることを示唆しており、最終話では同作の登場人物が何人か登場した。『ドラゴンボール』で使われていた通貨単位「ゼニー」も、本作で西の都方面の通貨として使用され、東の都方面の通貨単位「円」との為替レートが示された(1ゼニー=1.5円)。

本作執筆の10年ほど前に鳥山が書いていた原作用シナリオが基になっており、もともとは別の内容にする予定だったが、劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』の破壊神と被る部分があったのでジャコに変更され、内容も鳥山好みの地味で呑気なものに書き換えられた[5]。また鳥山によると、第10話の段階で自分では最高に面白い傑作が描けたと思っていたが、派手なバトルが無く絵のタッチも少し古い感じで描いており、やや古い舞台設定にも理由付けが必要だと思い、最終話をオマケ扱いで付け足したという[5][6]。鳥山が愛用のペン軸を無くしたため全てデジタルでの作業となった[4]。時間を掛けて1人で描き上げた作品であり、鳥山は『COWA!』『SAND LAND』とともに大好きな作品だと語っている[5]

鳥山が桂正和との合作漫画『さちえちゃんグー!!』を描き始めたときに「銀河パトロールシリーズ」の構想ができ上がっており、『さちえちゃんグー!!』と『JIYA -ジヤ-』が収録された『桂正和×鳥山明共作短編集 カツラアキラ』や本作もそのひとつ[7]

単行本には登場人物のフルネームなどのプロフィールと、16ページのスペシャルおまけストーリー『DRAGON BALL- 放たれた運命の子供』(ドラゴンボールマイナス はなたれたうんめいのこども)が掲載されている。カカロットこと孫悟空地球に送り込まれる前の話が描かれているが、同時期を描いたアニメ『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦〜フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父〜』とはストーリーや設定が一部異なっている。

2015年には、『ドラゴンボールZ』の劇場版アニメ第19作『ドラゴンボールZ 復活の「F」』にジャコがゲスト出演した。さらに『ドラゴンボール超』では「フリーザ復活編」からジャコが準レギュラーとして登場している。またゲーム『ドラゴンボール ゼノバース』シリーズに登場するジャコもこれらの設定が反映されている。

2018年の映画『ドラゴンボール超 ブロリー』では、おまけ漫画の『DRAGON BALL- 放たれた運命の子供』の一部が映像化され、冒頭の回想シーンでバーダックやギネが登場した。

あらすじ

打上げ間近のロケット「キラキラ8号」に搭乗するアイドル歌手の亜月アンの話題がテレビで賑わっている最中、地球の小さな孤島に暮らす工学博士・大盛の前に、宇宙からやってきた銀河パトロール隊員・ジャコが現れた。凶悪宇宙人が地球に向かっているため、退治に来たが、乗ってきた宇宙船が故障してしまったのだという。

大盛は小さな孤島にやってきた政府警察の固茹に退去警告を受けながらも、宇宙船を調査し、再び宇宙船を動かすためには「空金」(スカイゴールド)という貴金属が必要だと判明したが、実はその貴金属は非常に高価なため、大盛とジャコは途方にくれてしまう。とりあえず、大盛とジャコは食料を買うために東の都に向かうが、スリや少女に絡む暴漢集団などの悪者を見るや否やジャコは激しく悪者に大暴れをし、次第には大暴れを見た警察を攻撃する。それを見た大盛はジャコを連れて人目のつかないところに逃げるが、その時、暴漢集団に絡まれていた少女のタイツに出会う。


注釈

  1. ^ これは本作から数十年後の設定である『ドラゴンボールZ 復活の「F」』でも変わっておらず、作中でも本人は「まだ若いので死にたくない」と語っている。
  2. ^ ただし、漫画版『ドラゴンボール超』では主に銀河パトロールの同僚に対して「オレ」になる場合がある。
  3. ^ 銀河王がジャコに、地球へ向かうサイヤ人の子供を退治するよう頼んだときも、他の隊員は「たいして重要じゃない星だ。銀河王さまもダメ元で任命されたんだろう」と喋っている。ジャコの宇宙船はかなり古いタイプなので、重力装置のライセンス契約料をどうすればいいかブリーフ博士から聞かれて本部に聞いたときも、タダでいいという返事が返ってきた。
  4. ^ アニメ映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』およびテレビアニメ『ドラゴンボール超』ではいずれも孫悟天からそのことを指摘されている。
  5. ^ 『ドラゴンボール超 ブロリー 映画ノベライズ みらい文庫版』では、サイヤ人の中でも2人の戦闘能力は高いほうと表現されている[11]
  6. ^ ジャコの隊員ナンバーは34。
  7. ^ ただしサイヤ人には通用しない。

出典

  1. ^ a b “鳥山明氏、13年ぶり新連載決定 タイトルは『銀河パトロール ジャコ』”. オリコンスタイル. (2013年7月1日). https://www.oricon.co.jp/news/2023773/full/ 2013年7月1日閲覧。 
  2. ^ a b “鳥山明 : 13年ぶりの新連載「銀河パトロール ジャコ」 13日発売のジャンプでスタート”. まんたんウェブ. (2013年7月1日). https://mantan-web.jp/article/20130630dog00m200030000c.html 2013年7月1日閲覧。 
  3. ^ 瓶子吉久編「2013 NO.33 CONTENTS」『週刊少年ジャンプ 2013年33号』集英社、2013年7月13日発売、雑誌29935-7/29、480頁。
  4. ^ a b Vジャンプ編集部編「After the Period of DRAGON BALL 2013 JAKO THE GALACTIC PATROLMAN 鳥山先生コメント」『30th Anniversary ドラゴンボール超史集』集英社、平成28年(2016年)1月26日、ISBN 978-4-08-792505-0、81頁。
  5. ^ a b c d e f g 「寺P『ジャコ』のすべてを探る!!」『Vジャンプ』2013年12月号、集英社、453-457頁。
  6. ^ MEN'S NON-NO』2014年1月号、集英社、187頁。
  7. ^ 『桂正和×鳥山明共作短編集 カツラアキラ』集英社〈ヤングジャンプ・コミックス〉、192-194頁。
  8. ^ a b c d 最強ジャンプ』2014年3月号ふろくコミック『ドラゴンボール エピソード オブ バーダック』の鳥山明一問一答から(これらは漫画では描かれていない)。
  9. ^ 『キャラクター&パワーアップ大図鑑」『ドラゴンボール超 ブロリー 通常パンフレット』東映、2018年12月14日、14頁。
  10. ^ 小説『ドラゴンボール超 ブロリー』集英社(ジャンプ ジェイ ブックス)、2018年12月14日、ISBN 978-4-08-703468-4、48頁。
  11. ^ 小川彗「其之四 バーダックの予感」『ドラゴンボール超 ブロリー 映画ノベライズ みらい文庫版』鳥山明、集英社〈集英社みらい文庫〉、2018年12月19日、78頁。ISBN 978-4-08-321475-2 
  12. ^ 「ドラゴンボール超 其之四十三 銀河パトロール入隊!」『Vジャンプ』2019年2月特大号、集英社、63頁。


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