鉢巻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/12 14:09 UTC 版)
歴史
鉢巻が使用されるようになったのは平安時代とされている[1]。鉢巻は古くは抹額(まっこう)と呼ばれ、『魏志倭人伝』の「男子は皆露紹し、木綿を以て頭に招け」の記述が最も古い記述の一つといわれている[2]。
鎌倉時代には、烏帽子や頭巾の上から鉢巻を締めて脱落を防止するのに用いられ、また合戦などで精神を引き締めるための軍装の一部だった[2]。武家のしきたりでは大将は必ず紅色の鉢巻を用いることとされた[2]。
江戸時代の『女重宝記』によると当時の女性は髪に膏沢(油気)を用いることが少なかったため、綿帽子や鉢巻を使って頭髪をまとめていたと記されており、汗止めや気を引き締める効果もあるとされていた[2]。
現代では指示系統の明確化や意思伝達の円滑化を図るため、工事現場で作業班の班長がヘルメットの上から「班長」と記された鉢巻をするといった使用例がある[4]。
関連項目
外部リンク
- ^ a b 石井隆之. “「重なり志向」の日本文化”. 言語文化学会. 2019年11月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 飯島吉晴「鉢巻と褌の民俗」『古事 : 天理大学考古学・民俗学研究室紀要』第14号、天理大学文学部歴史文化学科考古学・民俗学専攻、2010年3月、16-18頁、ISSN 1346-8847、NAID 120005858422、2021年3月1日閲覧。
- ^ アイヌ生活文化再現マニュアル「装身具」 - 財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構、2021年1月5日閲覧。
- ^ チョッキや鉢巻による管理体制の強化 (PDF) 職場のあんぜんサイト(厚生労働省)、2021年1月5日閲覧。
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