鉄輪温泉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/17 13:41 UTC 版)
概要
別府八湯(別府、亀川、柴石、鉄輪、明礬、堀田、観海寺、浜脇)は西部の火山帯から東部の別府湾に向けて広がる火山麓扇状地に噴出する自然湧出泉からなり、江戸時代後期まで農閑期を中心に多くの湯治客を集めていた。明治時代の近代化以降は別府港、鉄道、道路の整備により観光客が急増し、一大観光地と化す。地上に吹き上げる高温の沸騰泉は気液分離装置により温泉水と温泉蒸気とに分離され、温泉水は配管で各集落へ、高温の蒸気は「湯けむり」となり空中に高く排出され、温泉場らしい雰囲気を醸成している。とりわけ鉄輪温泉は明礬温泉とともに湯治場の色彩が強く、今なお木賃宿や旅籠の起源を持つ古い宿泊施設が旅館や貸間として残り、路地を挟んで小規模な湯治宿が建ち並ぶレトロで情緒豊かな町並みを形成している。また、町の各所に住民により管理された共同浴場が点在する[2]。
いたるところからもうもうと湯煙りを上げる鉄輪温泉地区の町並の景観は、明礬温泉地区とともに「別府の湯けむり・温泉地景観」の名称で2012年(平成24年)9月19日に重要文化的景観として選定されている[2]。
歴史
- 鎌倉時代(建治2年)に一遍が念仏行脚の途上に鉄輪の地を訪れた際、猛り狂う地獄地帯を鎮め、湯治場(鉄輪むし湯)を開いたのが始まりとされ、そのため上人創設の鉄輪むし湯には一遍上人像が祀られ、また「上人湯」という名の共同浴場もある。上人像の自分の体の悪い部分と同じ部位に温泉の湯をかけると、悪い箇所がよくなるとされる[3]。例年9月には鉄輪湯あみ祭りが開催され、県内唯一の時宗寺院の温泉山永福寺にて一遍上人に感謝する湯あみ法要も行われる[4][5]。
- 2009年(平成21年3月)、鉄輪温泉地区温泉湯けむり重点景観計画策定[2]。
- 2012年(平成24年)9月19日、明礬温泉とともに重要文化的景観として選定される[2]。
共同浴場
鉄輪むし湯をはじめ「上人湯」、「地獄原温泉」など9か所の共同浴場がある。
- 鉄輪むし湯 - ナトリウム塩化物泉(別府市鉄輪上1組)500円 6:30〜20:00(第4木曜日定休)
- 上人湯 - 塩化物泉(別府市鉄輪風呂本5組)100円 10:00〜17:00
- 渋の湯組合温泉 - 塩化物泉(別府市鉄輪風呂本1組)100円 6:30〜21:00
- 地獄原(じごくばる)温泉- 含ホウ酸食塩泉(別府市鉄輪東6組)100円(賽銭箱へ入れる)6:30〜21:00
- すじ湯温泉 - 塩化物泉(別府市鉄輪井田4組)100円(賽銭箱へ入れる)6:30〜17:00
- 熱の湯温泉 - :ナトリウム塩化物泉(別府市鉄輪井田1組)無料 6:30〜21:00
- 谷の湯 - 塩化物泉(別府市北中1組の8)80円 6:30〜22:00
- ひょうたん温泉[1] - 塩化物泉(別府市鉄輪159-2)700円(200円)9:00〜25:00
- 夢たまて筥 - 塩化物泉(別府市北中1組 ホテル風月HAMMOND敷地内)500円(200円)7:00〜26:00
以上[6]
地獄めぐり
別府観光を代表する観光地で、全部で八か所がある。すべて入場は有料だが2日間有効の「8地獄共通観覧券」がある[7]。
※別府地獄めぐりを参照。
固有名詞の分類
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