野宮家 野宮家の概要

野宮家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 14:42 UTC 版)

野宮家
陰菖蒲菱かげあやめびし [1]
本姓 藤原北家花山院流庶流
家祖 野宮定逸
種別 公家羽林家
華族子爵
出身地 山城国
主な根拠地 山城国
東京府
凡例 / Category:日本の氏族

歴史

左大臣花山院定熙の子忠長の子野宮定逸を祖とする[3][4]後水尾天皇の叡旨により別に一家を起こすことが許されて野宮姓を賜った[3][注釈 1]

公家としての家格は羽林家、新家[4]。江戸時代の家禄ははじめ150石、後に200石[注釈 2]

明治維新後の明治2年に公家と大名家が華族として統合されると野宮家も公家として華族に列し、明治17年(1884年)7月7日の華族令の施行で華族が五爵制になると、同8日に大納言直任の例がない旧堂上家[注釈 3]として野宮定穀子爵を授けられた[2]。定穀は貴族院の子爵議員に当選して務めた[3]

定茂の代の昭和初期に野宮子爵家の邸宅は東京市豊島区椎名町にあった[3]

系譜

実線は実子、点線(縦)は養子、点線(横)は婚姻関係。
花山院定熙
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
忠長野宮定逸1
 
 
 
 
 
野宮定逸定縁2[9]
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
定雄定基3[10]
 
 
 
定俊4[11]
 
 
 
定之5
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
定晴6定業
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
定顕7定業8
 
 
 
定静9
 
 
 
定祥10
 
 
 
定功11
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
定平定美[12]定允[13]定穀12[14]
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
定茂13綾小路護

脚注


注釈

  1. ^ 花山院忠長が猪熊事件によって配流となったために弟の花山院定好が花山院家を継いだが、事件の翌年に忠長の男子(後の野宮定逸)が生まれた。このため、後水尾天皇はその子を定熙の養子として育てさせ、成長後は独立して一家を創設させることにした[5]。こうした事情から、野宮定逸の墓は野宮家の菩提寺である廬山寺ではなく、花山院家の菩提寺である十輪寺にあった[6]。なお、廬山寺は定逸の娘を娶って養子に迎えられた2代目の野宮定縁の実家・中院家の菩提寺あった[7]
  2. ^ 国立歴史民俗博物館の『旧高旧領取調帳データベース』より算出した幕末期の野宮家領は山城国相楽郡菅井村のうち50石、山城国相楽郡千童子村のうち100石で合計2村・150石。
  3. ^ 中納言からそのまま大納言になることを直任といい、中納言を一度辞してから大納言になるより格上の扱いと見なされていた。叙爵内規は歴代当主の中にこの大納言直任の例があるか否かで平堂上家を伯爵家か子爵家かに分けていた[8]

出典

  1. ^ 御祭神・由緒 | 三峯神社
  2. ^ a b 小田部雄次 2006, p. 335.
  3. ^ a b c d 華族大鑑刊行会 1990, p. 298.
  4. ^ a b 太田 1934, p. 4618.
  5. ^ 佐竹朋子「近世公家社会における葬送儀礼」『国立歴史民俗博物館研究報告』141号(2008年)/所収:佐竹『近世公家社会と学問』吉川弘文館、2024年 ISBN 978-4-642-04357-1 2024年、P61.
  6. ^ 佐竹朋子「近世公家社会における葬送儀礼」『国立歴史民俗博物館研究報告』141号(2008年)/所収:佐竹『近世公家社会と学問』吉川弘文館、2024年 ISBN 978-4-642-04357-1 2024年、P61-62.
  7. ^ 佐竹朋子「近世公家社会における葬送儀礼」『国立歴史民俗博物館研究報告』141号(2008年)/所収:佐竹『近世公家社会と学問』吉川弘文館、2024年 ISBN 978-4-642-04357-1 2024年、P34-35.
  8. ^ 浅見雅男 1994, p. 118.
  9. ^ 中院通純の子。
  10. ^ 中院通茂の2男、先代・定縁の甥。
  11. ^ 正親町公通の2男。
  12. ^ 久我建通の子。
  13. ^ 竹屋光有の2男。
  14. ^ 竹屋光有の3男、定允の実弟。


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