重力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/26 06:30 UTC 版)
地球の中心における重力
前節で述べたように、重力は、地球を構成する質点が物体を引く力の合力であるから(地球の中心での重力を考える場合は遠心力は無視してよい)、仮に地球が完全な球体であって、内部の物質分布も地球の中心に対して対称であれば、地球の中心では全方向から同じ大きさの力で外側に向かって引かれる状態になるので、すべての力が互いに打ち消し合って、重力は0になる。
ニュートン力学
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前述のように、地球上での物体の運動を扱う場合は、 他の質量から受ける万有引力(以下「引力」)と地球自転による遠心力との合力を「重力」と言うことがある。
地球の自転と共に動く回転座標系で物体の運動を記述するならば、 物体は地軸に対して垂直に下記の遠心力(慣性力の一種)を受けると考えることができる。
- 遠心力 = (質量)×(地軸までの距離)×(角速度)2
引力は、地球が球対称ではないため厳密にではないが、ほぼ地球の中心方向に向かう。 それに対し重力は、遠心力が加わるため、地球の中心方向からやや赤道寄りに(北半球なら南寄りに)ずれ、大きさはやや小さくなる[8]。
一方、天文学や宇宙開発では、宇宙空間のことは適当な慣性座標系(慣性系)で考えることが多い。この場合、慣性力は存在せず、重力という言葉を万有引力と同じ意味で使うことになる。たとえば人工衛星の運動を慣性座標系で説明すると、「重力(= 引力)が向心力となって回転運動をしている」となる。
同じ状況を人工衛星と共に動く座標系で考えれば、引力と遠心力(慣性力)が釣り合っており、その合力はほぼゼロとなる。これを無重力状態または無重量状態と言うことがある[9]。 これを無重力と言うのは一般相対性理論の等価原理に似た考え方ともいえる。
相対性理論による重力
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一般相対性理論は、外力(たいていの場合は電磁気力)にって加速されるときに感じる重力と万有引力によって生じる重力は区別できないものとする 等価原理 を基礎としている。
一般相対性理論の立場からは、重力場は時空の歪みそのものと解釈される。より厳密には、その曲率によって重力値を示す四次元時空多様体が定義される[10]。
- ^ デジタル大辞泉
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 村田一郎「重力、重力異常」 『世界大百科事典』1988年。
- ^ a b c d e f 横山雅彦「重力」 『哲学・思想事典』1998年。
- ^ a b c 矢野健太郎 『アインシュタイン』講談社学術文庫、1991年、127-166頁。ISBN 4-0615-8991-1。
- ^ a b 高橋憲一「太陽中心説」 『哲学・思想事典』1998年。
- ^ マックス・ボルン 著、林 一 訳 『アインシュタインの相対性理論』東京図書、1980年、82頁。ISBN 4-4890-1007-9。
- ^ a b 佐藤文隆; 松田卓也 『相対論的宇宙論』講談社、1981年、232頁。
- ^ 朝永振一郎 『物理学読本』(第2)みすず書房、1981年、28頁。ISBN 4-622-02503-5。
- ^ 前田恵一 (2013). 重力とは何か?―宇宙を支配する不思議な力 (ニュートンムック Newton別冊). ニュートンプレス. p. p.37
- ^ ペーター・G・ベルグマン 著、谷川安孝 訳 『重力の謎 一般相対性理論入門』講談社、1981年、163頁。
- 1 重力とは
- 2 重力の概要
- 3 地球の中心における重力
- 4 主要な天体の重力加速度
重力と同じ種類の言葉
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