郵政解散 郵政解散の概要

郵政解散

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/21 00:31 UTC 版)

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概説

2005年8月8日、参議院本会議郵政民営化関連法案が否決された(詳しい経緯は郵政国会を参照)。

会期中から郵政法案が否決された場合は衆議院を解散して総選挙を行うことを明言していた小泉純一郎内閣総理大臣は当日午後2時から、緊急の自由民主党役員会を開催した。会議上小泉首相が衆議院解散の意思を表明し、また同時に衆議院で反対票を投じた全議員に自由民主党の公認を与えず、郵政民営化賛成派候補を擁立することを命じた。

午後2時30分から与党党首会談(自民党と公明党)が開催され、小泉首相は「選挙日程は8月30日公示、9月11日投票」ということを公明党側に伝えた。その後午後3時より臨時閣議が開催された。

臨時閣議では島村宜伸農水相麻生太郎総務相中川昭一経産相村上誠一郎行政改革担当相の4閣僚が解散に反対する意見を述べたため、小泉首相は最終的に解散に同意した中川経産相を除く3閣僚を別室に呼び、個別に説得をした。しかし、島村農水相のみ最後まで解散詔書に関する閣議決定文書への署名を拒否して辞表を提出した。これに対し小泉首相は辞表を受理せず、閣議を中断して天皇の認証を得て島村農水相を罷免、首相自身が農水相を兼務して解散詔書を閣議決定した。

そして午後7時に開かれた衆議院本会議において、野党側は内閣不信任決議案を提出したが、直後に衆議院は日本国憲法第7条に基づき、2003年10月以来1年10か月ぶりに解散した。

その後の経緯は第44回衆議院議員総選挙を参照。

呼称

この解散を、元郵政相の自見庄三郎は「自爆解散」、前首相の森喜朗は「花火解散」、元自民党幹事長の加藤紘一は「干からびたチーズ解散」、前農水相の島村宜伸は「驚き解散」、民主党代表の岡田克也は「日本刷新解散」、公明党幹事長代行の太田昭宏は「突発解散」、共産党委員長の志位和夫は「ゆきづまり解散」、社民党党首の福島瑞穂は「八つ当たり解散・わがまま解散」と呼んだが[4]、総選挙後は「郵政解散」が定着した。

解散直後の首相演説

衆議院解散をした同夜、小泉首相は首相官邸の記者会見で衆議院を解散した理由と総選挙に対する意気込みを表明した。その中で、「郵政民営化が、本当に必要ないのか。賛成か反対かはっきりと国民に問いたい」「郵政民営化に賛成する候補者しか公認しない」と主張した。そして、自らを地動説を主張した天文学者ガリレオ・ガリレイになぞらえ、この解散を郵政・ガリレオ解散と名付けた。このときの瞬間視聴率は21.8%に達したといわれ、選挙の流れを決定付けたとの評もある。

自民党の選挙CMは当初はこの首相演説の映像を用いようとしたが内閣の職務で行われた性格から断念し、代わりに首相演説時と同じネクタイやカーテンを用いて小泉首相が立って国民に郵政民営化の必要を語りかけるCMを作成した[5]

8月解散

8月解散は日本政治史上では2例目。前回の8月解散は1952年8月28日の衆議院解散(抜き打ち解散)であり、53年ぶりとなった。

8月解散があまりなかったのは、8月の国会は閉会自然休会になっていることが多く、与野党共に政治休戦の時期に当てることが多いこと、各省庁が来年度予算案の概算要求基準策定時期に当たること、猛暑の中での選挙戦が高齢の候補者にとって体力的に負担になることなどが配慮になって避けられていた。

1952年の解散は8月下旬だったので選挙戦は9月に行われ投票日は10月となったが、2005年の解散は8月上旬だったので、8月から9月上旬までの猛暑の中で選挙戦に突入した。


  1. ^ 朝日新聞 2005年07月26日 朝刊 1総合 「「郵政解散」賛成53% 小泉首相・自民反対派、共感二分 朝日新聞社世論調査」
  2. ^ 読売新聞 2007.01.18 西部朝刊 西2社 「[攻防・07北九州市長選](下)「郵政解散」激戦の影(連載)」
  3. ^ 読売新聞 2009.08.21 東京朝刊 山梨2 「[衆院選・データで見る]郵政解散 天候不順でも投票率好調=山梨」
  4. ^ 郵政解散?自爆解散? 読売新聞 2005年8月9日記事
  5. ^ 世耕弘成「プロフェッショナル広報戦略」(ゴマブックス)
  6. ^ 法律案の採決が衆参で一致しない場合の両院協議会開催については国会法第84条では「法律案について、(中略)参議院において衆議院の送付案を否決し(中略)たときは、衆議院は、両院協議会を求めることができる」とあり、任意になっている。過去にも1951年に食糧の政府買入数量の指示に関する法律案の採決が衆参で異なった時、両院協議会を開かず、衆議院の法案再議決をしなかった例がある。
  7. ^ 飯島勲「小泉官邸秘録」(日本経済新聞社)
  8. ^ 当時は衆議院で与党単独可決に必要な3分の2以上の議席を獲得することは非現実的と思われていた。
  9. ^ 両院を解散できる国としてはイタリアが存在する。ただし、解散権は首相の専権事項ではなく大統領が留保している。


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