選挙 選挙の概要

選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/03 23:31 UTC 版)

日本の選挙戦で使う候補者ポスター掲示板(選挙戦が公示されると候補者のポスターが届け出順で貼り付けられる)
日本の選挙で使用される投票箱

概説

選挙は公職に就任する者を選定する行為である[1]。歴史的には挙手や起立、喝采などの方法が採用されたこともあるが、現代の選挙は投票によって行われることが多い(日本の公職選挙法35条も参照)[2]

選挙の種別

選挙における普通選挙、平等選挙、直接選挙、秘密選挙(秘密投票)、自由選挙(自由投票)という5つの原則を選挙の五大公理という[3]。それぞれ対義の概念として、普通選挙と制限選挙、平等選挙と不平等選挙、直接選挙と間接選挙、秘密選挙(秘密投票)と公開選挙、自由選挙(自由投票)と強制選挙(強制投票)がある。

普通選挙・制限選挙

普通選挙
狭義には財力(納税額の多寡や財産の有無)を選挙人の要件としない選挙制度[4][5]。広義には財力・人種・信条・性別などを選挙人の要件とせず、一定年齢に達したすべての国民に選挙権を与える選挙制度[4][5]
普通選挙は日本では日本国憲法第15条3項及び日本国憲法第44条但書で保障されている[4][6]
普通選挙の実現は漸進的で、まず、財産制限の除去について1848年フランス第二共和政憲法において確立され、第一次世界大戦後になって世界各国に広まることとなった[5][3]。日本では1928年に財産制限が撤廃された。女性参政権についても第一次世界大戦後に世界の大勢となっていったが、フランスのように第二次世界大戦後に実現した国もある[3]。日本でも女性参政権は第二次世界大戦後に実現した。
制限選挙
選挙権を収入、資産、家柄などで制限するもの。

平等選挙・不平等選挙

平等選挙
選挙人の選挙権を平等に扱う選挙制度[4]。一人一票(数的平等)で一票の価値が平等(価値的平等)なもの。日本では日本国憲法第14条1項及び日本国憲法第44条但書で保障されている。
不平等選挙
数的あるいは価値的に格差のある選挙。差等選挙ともいう[6]。選挙人の一部が複数票を投票することを認める複数選挙や納税額の多少により等級を定め等級ごとに選挙を行う等級選挙がある[7][6]

直接選挙・間接選挙

直接選挙
選挙人が代表者を直接選ぶ選挙制度[7][8]。今日では少なくとも議会下院の選挙は直接選挙が原則となっている[9]
間接選挙
選挙人が選挙人(中間選挙人)を選びその中間選挙人が投票を行う選挙制度[9][8]。フランスやオーストリアなどの上院選挙やアメリカ大統領選挙で採用されている[8]。ただし、アメリカ大統領選挙のように選挙委員の候補者が誰を大統領に選ぶか予め明らかにしたうえで選出する制度では実際には直接選挙と変わらない[10]
なお、有権者から選挙で選ばれた公職にある者がさらに選挙で代表者を選挙する制度は複選制という。
日本国憲法には直接選挙制について定めた明文の規定はない[11][8]。学説には日本国憲法第43条の「選挙」には間接選挙が含まれると解する学説(参議院議員通常選挙においては衆議院議員総選挙とは異なり独自の間接選挙制の採用も許容される)と同条1項の「選挙された議員」の文言を根拠として直接選挙が保障されているとみる説(参議院議員通常選挙においても直接選挙によらねばならない)が対立しており争点となっている[11][8]

秘密選挙・公開選挙

秘密選挙
選挙人の投票内容(どの候補者あるいは政党に投票したか)の秘密が保障されている選挙制度[11][12]。日本では日本国憲法第15条4項前段で保障されており、公職選挙法46条(無記名投票制)や同法52条(投票の秘密保持)、同法68条(他事項記載投票の無効)などの規定もこの原則に基づく[11][13]
公開選挙
署名などで投票内容が分かるもの。公開選挙では社会的弱者が自由に意思表明することが困難となる[10]

強制選挙・自由選挙

強制選挙
棄権に対して制裁を伴う選挙制度[10]。有権者が必ず投票しなければならない義務投票によるもの。
自由選挙
投票したい者だけが自由に投票することを選択できる選挙制度[10]任意投票によるもの。

選挙方式

区割りと意見集約の方針で分類した選挙方式の表。

小選挙区制 多数代表 比例代表 少数代表
単純小選挙区制
 
単純小選挙区制(決選投票制)
 
Approval voting
 
コンドルセの投票方法
 
大選挙区制 多数代表 比例代表 少数代表
完全連記制 (block voting)
 
単記非移譲式投票  
単記移譲式投票  
比例代表制 多数代表 比例代表 少数代表
比例代表制  
チリで行われる国政選挙  
その他 多数代表 比例代表 少数代表
小選挙区比例代表併用制  
小選挙区比例代表並立制  

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  1. ^ 野中俊彦 et al. 2006, p. 13.
  2. ^ 野中俊彦 et al. 2006, p. 14.
  3. ^ a b c 『憲法 2 基本的人権(2)』 阿部照哉、有斐閣〈有斐閣双書〉、1975年、180頁。
  4. ^ a b c d 毛利透 et al. 2011, p. 198.
  5. ^ a b c 野中俊彦 et al. 2006, p. 16-17.
  6. ^ a b c 野中俊彦 et al. 2006, p. 17.
  7. ^ a b 毛利透 et al. 2011, p. 199.
  8. ^ a b c d e 野中俊彦 et al. 2006, p. 28.
  9. ^ a b 毛利透 et al. 2011, p. 199-200.
  10. ^ a b c d 『憲法 2 基本的人権(2)』 阿部照哉、有斐閣〈有斐閣双書〉、1975年、181頁。
  11. ^ a b c d 毛利透 et al. 2011, p. 200.
  12. ^ 野中俊彦 et al. 2006, p. 29.
  13. ^ 野中俊彦 et al. 2006, p. 29-30.
  14. ^ 西田亮介 (2013). ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容. 東洋経済新報社. 







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