道化師 道化師の概要

道化師

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 02:07 UTC 版)

お祭りの道化師
ヤン・マテイコ画『スタンチク』(1862年)。スタンチク(スタニスワフ・ゴンスカ)はポーランド王国の黄金時代(15 - 16世紀)に活躍した非常にユニークなタイプの宮廷道化師。高い教養をもつ優れた政治批評家および思想家の一人でもあり、同時代の他の思想家たちからも尊敬され、その鋭い発言を通じて国政に強い影響を与えていたことが記録されている。
絵は1514年、ポーランド王国(行政区分としてはリトアニア大公国)の東部辺境の国境線を守る要塞都市スモレンスク陥落の速報を首都クラクフのヴァヴェル王宮で行われた華やかな宮廷舞踏会の最中に楽屋にていち早く受け取り、表で見せる陽気な顔と異なり、真剣な面持ちで思索にふけるスタンチク。黄金時代を謳歌するポーランド王国の未来に不吉な影がさしたこと、聡明なスタンチクがそれに最も早く気づいていたことを表現している。画中のスタンチクの顔は作者のマテイコ自身のものであるとされる。
トマス・モア一家の肖像画。後列右から2人目がモア家お抱えの道化ヘンリー・パテンソン。1592年

西洋の道化師の特徴

クラウン」は派手な衣装と化粧をし、サーカスなどに登場するコメディアンである。日本では「ピエロ」と呼ばれることも多いが、ピエロはクラウンの一種である。こうしたもののステレオタイプな例は、マクドナルドのイメージキャラクター「ドナルド・マクドナルド」や、バットマンジョーカーなどにみることができる。また、フランスなどにおけるピエロの起源は、16世紀イタリア即興喜劇コメディア・デラルテに登場するプルチネッラとする説がある。

このほか、フール(fool)、ブッフォン(buffon)、アルレッキーノ(アルルカン、ハーレクイン)など道化師を指す言葉はさまざまある。英語のフールは「ふいご」、ブッフォンは「パッと息を吐く」を意味する言葉を語源とする[1]。クラウンは、clod(土の塊)、clot(ぬるぬるした塊)などを意味する語から派生して無骨な田舎者をも表すようになり、それが都会人には滑稽に見えたところから「滑稽な人」を指す言葉となった[1]。アルレッキーノは上述のコメディア・デラルテに登場する定番の道化師で、快活なアルレッキーノに対する内気な相手役として登場するのが、ピエロの語源と言われるプルチネッラ(ピエロット、ペドロリーノ)である[1]。また、一般に宮廷道化師と訳されるジェスター(jester)は、フランス語のgest(偉業)を語源とし、宮廷人に英雄譚を語り聞かせた者から派生した[1]

歴史

道化師の歴史は古代エジプトまで遡ることができる[2]。西洋においては、古代ギリシャ古代ローマでは物まねや軽口、大食芸などで座を楽しませることで裕福な家の晩餐に与る道化がいた[1]ローマ帝国の裕福な家では、魔除けとして、小人症の者や知的障害者奇形の者などを奴隷として傍に置く習慣があり、これらを「愚者」としてペット感覚で所有する貴族趣味は、16世紀末まで続いた[1]中世ヨーロッパなどでは、王族や貴族などの特権階級が城内に道化としての従者を雇っていたことが確認されており、「宮廷道化師」と呼ばれている。その数は14世紀より徐々に増加して15-16世紀に最高潮に達し、中世の英国においては、宗教界・俗界問わず大物は道化を所有しており、居酒屋や女郎屋でも所有した[1]。宮廷道化師達の肖像は犬と一緒に描かれることが多く、彼らが犬と同様に王の持ち物とされていたことを裏付けている。シェイクスピアの戯曲などにもしばしば登場し、重要な役を担う。日本では明治時代に初めて曲芸を行った。

宮廷道化師(ジェスター)

宮廷道化師の仕事は、その名の通りの主人または周囲の人物達を楽しませる役割を担っていた。また、宮廷道化師達は小人症などの肉体的障害を持っているものが多く、笑い物としての対象にされていた。しかし、君主に向かって無礼なことでも自由にものを言うことが許される唯一の存在でもあった。曲芸よりは冗談やジョークを言う芸風を主とする道化師である。

また、その職業的な役割(君主の機嫌取り、君主の感情を操れること)から、国家間の紛争における仲介(連絡)者や、行政と民の中立な立場で世間の風評を演技(表現、意見)する等、オンブズマンとしての役割も果たしていたという説がある。

ジョーカー

トランプでよく登場するジョーカーはジャック、クィーン、キングが宮廷の王族を意味する絵柄から関連して宮廷道化師が描かれることが多い。

クラウン

現在では曲芸と曲芸の間を埋めて、観客の曲芸への余韻を冷めさせない役目として作られたおどけ役の、曲芸もでき司会(日本的な視点では客いじりも行う)もする役者である。18世紀頃イギリスのサーカス(厳密にはその前身である円形の劇場での曲馬ショー)の中で「おどけ役」を演じていた役者が自らのことを「クラウン」と名乗ったのが始まりだとされている。クラウンの意味にはのろま、ばか、おどけ者、おどける、ふざける、田舎ものなどの意味を含む。18世紀当時は曲馬ショーと曲馬ショーとの間に曲馬乗りを下手に演じたり、パロディをしたりしていた。

ピエロ

クラウン自体はおどけ役だがその中でも馬鹿にされる人と言われる。つまりクラウンよりもさらに馬鹿にされる芸風(日本的な視点ではツッコミが無いボケ役)を行う[要出典]クラウンとピエロの細かい違いはメイクに涙マークが付くとピエロになる。涙のマークは馬鹿にされながら観客を笑わせているがそこには悲しみを持つという意味を表現したものであるとされる[要出典]またピエロはフランスの喜劇芝居の中に登場する事が多い[要出典]

ホワイトフェイス
  • sad clown (blanc)
  • happy clown (オーギュスト、auguste)
顔は白、ピンク、赤、もしくは褐色に塗られ、目や口等は協調された黒や赤で塗られる。役割は無政府主義者、ジョーカー、愚者である。
プエブロ・クラウン英語版(もしくはセイクリッド・クラウン)
プエブロ・インディアンの宗教儀式で道化、トリックスター的な役割を行う。
ロデオ・クラウン英語版
ロデオパフォーマンスを行うピエロ
キャラクタークラウン
パン屋など色んな役割を演じたピエロ

  1. ^ a b c d e f g 道化のコンセプト小野昌、城西大学、城西人文研究第19巻第2号
  2. ^ 道化. 東京:株式会社晶文社. (5月30日 1979). p. 62 


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