退職金 米国

退職金

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/26 13:45 UTC 版)

米国

米国にはセベランス・ペイ(Severance Pay)と呼ばれる解雇に伴って支払われる割増退職金(解雇手当)の制度がある[15]

セベランス・ペイの中身は雇用契約や別個の契約で定められていることが多く、会社都合による解雇や雇用者の障害・死亡の場合にはセベランス・ペイの対象となることがある[15]。自己都合退職や懲戒解雇の場合にはセベランス・ペイの対象とならない[15]

経営陣はM&Aの際に雇用を失うリスクが大きいことから従業員層よりも手厚いセベランス・ペイが用意されていることが多く、その額は企業買収の買収価格の決定上看過できない水準の場合もある[15]。企業買収の防衛策として利用される場合には特にゴールデンパラシュート(Golden Parachute)と呼ばれる。

退職の際に Severance package と呼ばれるパッケージの一部の場合もある。このパッケージでは、退職金のほか次の就職までの支援なども含まれる[16]

イギリス

英国ではRedundancy(余剰解雇)理由での解雇である場合、法的なRedundancy payments(余剰解雇手当)支払額が定められている[17]

出典

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  1. ^ a b c d OECD Employment Outlook 2020, OECD, (2020-07), Chapt.3, doi:10.1787/1686c758-en, ISBN 9789264459793 
  2. ^ 欧州各国の雇用制度一覧 (PDF)
  3. ^ Redundancy: your rights”. GOV.uk. 2021年3月閲覧。
  4. ^ 賃金の支払の確保等に関する法律は昭和51年の成立であるが、法制定の背景として、退職金の支払を実質的に確保する手段に欠ける面があり、企業の倒産により、事業主に支払能力がない場合については、退職金の未払いがどうしても解決できなかったのが従来の実情であり、これに対する具体的な救済措置の創設が必要であるとされていた。特に、当時の経済情勢を反映して、企業倒産、賃金未払及び貯蓄金の未返還の発生件数は高水準で推移している実情にあった(昭和51年6月28日発基92号)。
  5. ^ 退職金の保全措置については、以下の難点があること等の問題点があることから、退職金の支払の確保の観点からは、保全措置を講ずるよりも、むしろ、企業の経営状態にかかわりなく常に安定した支払が保証されている法令に基づく社外積立退職手当制度を採用することが望ましく、特に、中小企業にあっては、国庫からの助成もある中小企業退職金共済制度への加入が望ましいものであること。法令に基づく社外積立退職手当制度を採用すること又は保全措置を講ずることに伴い、事業主は新たな負担を負うこととなるが、そのために既存の退職金制度が後退することがないよう配慮すべきであること(昭和52年1月20日基賃発2号)。
    1. 有効な保全措置として掲げられた種類の数が限定されていること
    2. 保全措置のうち「金融機関の保証」は、必ずしもあらゆる場合に金融機関が保証に応じるとは限らないという難点があること
    3. 保全措置のうち「質権の設定又は抵当権の設定」は手続が若干複雑であること
  6. ^ 退職金は、支給形態が退職一時金であるか、退職年金であるかを問わないものであること(昭和52年1月20日基発33号)。
  7. ^ 厚生年金基金の制度は平成26年の改正法施行により廃止されたが、法改正時点で現存する基金については特例が設けられている。
  8. ^ 確定給付企業年金法第25条2項に規定する一定の資格を定めたものは、同項の規定により加入者としないこととされた労働者に関しては、ここでいう「事業主」に該当しないものとする(施行規則第4条2項)。
  9. ^ 労使協定を締結した事業主に対しては、退職手当の支払を図る必要性の観点から、少なくとも当該協定の有効期間の満了の都度、法令に基づく社外積立退職手当制度を採用すること又は退職手当の保全措置を講ずることの可否について検討することが望ましいので、その旨を指導すること(昭和52年1月20日基賃発2号)。
  10. ^ 保全額として施行規則第5条に掲げる額は最低基準を示したものであり、個々の企業の実情に応じて、可能な場合は、保全額を引き上げることが望ましいことは言うまでもないこと(昭和52年1月20日基賃発2号)。
  11. ^ a b 厚生労働省・平成30年就労条件総合調査結果の概況
  12. ^ No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁
  13. ^ 中退共 掛金
  14. ^ 中退共 Q&A 9-2-1.掛金は税法上どのように取り扱われますか?
  15. ^ a b c d ウイリス・タワーズワトソン 『M&Aシナジーを実現するPMI』東洋経済新報社、2016年、52-53頁。 
  16. ^ Thibodeau, Patrick. “Displaced IT workers are being silenced”. 2022年4月8日閲覧。
  17. ^ GOV.UK. “Redundancy payments”. 英国政府. 2021年10月閲覧。

参考文献




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