読経 読経の概要

読経

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 01:50 UTC 版)

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黄檗宗の読経

「どきょう」「どくきょう」「どっきょう」などと読み慣わしている。多くの僧侶が声をそろえて読経する場合は「諷経(ふうぎん)」とも言う。 「読誦」ともいうが、「読経」は経文を見ながら読唱すること、「誦経」は経文を暗誦することである[1]

概要

経典の読誦は、本来、経典の意義を理解し実践するため、また経典を記憶し流布するためのものであったが、大乗仏教になると、しばしば「読誦」そのものに修行呪術といった宗教的意義を認めるようになった[1]。読経は音韻を研究する悉曇学声明へと発展し、読経を専らとする読経僧のうち秀でた僧は能読と呼ばれ僧俗ともに尊敬を集めた。

  • また中国・日本では、死者供養・祈雨(きう)(雨乞〈あまごい〉、請雨〈しょうう〉)・鎮護国家(ちんごこっか)などを目的とする経の読誦も行われた[2]

経の読み方

読経は以下のような方法で行われるが、宗派に認められていない民俗的な読経も存在すると考えられる[3]木魚太鼓などの打ち物で拍子を取る場合もある。

経文の左右両側に、それぞれ訓読と真読(漢字の呉音読みによる直読のこと)による読み方を示した両点本。江戸期の折り本で、経文は『法華経』如来寿量品第十六の一部
直読
一部の宗派では「真読」と呼ぶ。漢字の音読みについては、原則は呉音読みだが、天台宗の阿弥陀経や真言宗の理趣経は漢音で直読し、黄檗宗は唐音で音読するなど例外もある。節回しについては、「雨滴曲」と呼ばれるように最初から最後まで同じリズムで読み通すものと、天台宗の「眠り節」のように「曲節」と呼ばれるを付けた読み方がある。
訓読
経文を訓読み(漢文訓読)で読誦する。
転読
略読ともいい、経題と中間の数行と巻末を読み上げることで一巻読み終わったとする読み方。読み終えた折り本をアーチ状に繰るなど儀礼の場で用いられ、所作やどの部分を読むかは宗派によって異なる。修験道密教の七五三読みも転読の一種である。

その他に、外に声を発さず内に響かせ読誦する「無音」や、読誦しながら道場を巡る「行道」、羽黒修験道で行われる経典を後ろから読む「逆さ経」などがある。

参考文献

  • 清水真澄 『読経の世界:能読の誕生』 吉川弘文館〈歴史文化ライブラリー〉、2001年。ISBN 4642055215 

関連項目


  1. ^ a b 藤山 2001, pp. 52–55.
  2. ^ 藤山 2001, pp. 92–112.
  3. ^ 藤山 2001, pp. 73–76.


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