角速度 定義

角速度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/11 21:11 UTC 版)

定義

質点位置ベクトルを r速度ベクトルを v とするとき、質点の原点まわりの角速度 ω

と定義される。ここで r は位置ベクトルの大きさ |r| であり、×ベクトル積を表す。この定義は以下のように示される。

時刻 tt′ における質点の位置ベクトルをそれぞれ rr′ とする。これらのなす角度を φ とすれば

である。時間の間隔 Δt = t't が小さいときに

であることから、ベクトル積に関する恒等式 r × r ≡ 0を用いれば

が得られ、上式両辺における Δt の1次の項を比較して

が導かれる。回転角 φ = ωΔt の向きを回転軸の方向(すなわち右ねじの進む方向)に一致するように定めると[3]、定義式が導かれる。


  1. ^ 物理学などの文献においては、文脈上紛れがない限り、単に「次元」と呼ばれる。
  2. ^ 速度の次元は長さ L に時間 T の逆数を掛けた L⋅T−1 である。
  3. ^ z軸周りの回転運動を表わす角速度はz軸成分しかもたないため、真にベクトルであるならばx-z面を鏡映面とする鏡映反転により不変に保たれるはずであるが、鏡映反転により回転運動の方向は反転されるため、z軸成分の符号が反転する。
  4. ^ より高次元の空間を含む n 次元空間に対して統一的に使える方法としては、自由度 1/2n(n − 1) の二階反対称テンソルとして表わす方法がある。
  1. ^ 江沢 2005, p. 42, §6 曲線運動.
  2. ^ 例えば ω について 江沢 2005, p. 42、新井 2003, p. 167 など。Ω について 江沢 2005, p. 254、ランダウ & リフシッツ 1974, p. 121 など。後者は特に運動座標系に対する一般の角速度に対して用いられている。
  3. ^ ランダウ & リフシッツ 1974, p. 21, §9 角運動量.






角速度と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「角速度」の関連用語

角速度のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



角速度のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの角速度 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS