芸妓 他国の例

芸妓

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他国の例

中国

1900年頃に中国を訪れた芸妓の観察によると、中国の芸娼妓は、「嫖児」と言い、三段階の階級があった。最下級が「野鶏」、その上が「長三」といって日本の半玉に当たり、場合によっては娼妓も務める。最上が「青宮人」と呼ばれ、芸妓に当たる。彼女らを仕切る親方は、男が「亀公」、女が「亀婆」と呼ばれ、それぞれが数人の嫖児を持ち、同業者と共同で大きな館を借り、これを「院房」と呼んで茶屋として営業。他に、茶館や茶楼と称してわずかな茶代で野鶏や長三を呼んで遊ぶこともできる。院房は通りから入った路地の奥にあり、城郭の外に金文字で女の名前が掲げられ、入口にいる番人が客を出迎える。客が中に入ると、十数人の嫖児が顔出しし、客はその中から好みの者を選ぶ。青宮人の場合は、客とともに書楼と呼ばれる場所に行き、そこで芸を見せる。気に入った娘がいた場合は、お茶を注ぎに来た男性従業員に耳打ちし、待合する[29]

琉球

尾類(ジュリ)と呼ばれる技芸の教養を身に付けた女性が、冊封使首里の貴人などをでもてなしていた[30]

関連書籍

  • 相原恭子『京都発 極上作法で魅せる舞妓さんマナー集』山海堂、2007年3月、ISBN 4381022351
  • 相原恭子『京都花街もてなしの技術』小学館、2005年5月、ISBN 4093875537
  • 相原恭子『京都舞妓と芸妓の奥座敷』(文春新書)、文藝春秋、2001年10月、ISBN 4166602055
  • 相原恭子『舞妓さんのお道具帖 おしゃれのアイデアと、すぐに使える小物がいっぱい』山海堂、2007年11月、ISBN 9784381023315
  • 相原恭子『未知の京都 舞妓と芸妓』弘文堂、2007年7月、ISBN 9784335551130
  • 青山益朗『ぎをん桔梗家ものがたり』コエランス、2004年11月、ISBN 490773106X
  • 浅野喜市『祇園 昭和13年~35年 浅野喜市写真集』京都書院、1990年6月、ISBN 476363142X
  • 浅原須美『お座敷遊び 浅草花街芸者の粋をどう愉しむか』(光文社新書)、光文社、2003年4月、ISBN 4334031935
  • 浅原須美『東京六花街 芸者さんに教わる和のこころ 新橋・赤坂・芳町・神楽坂・浅草・向島+八王子』(地球の歩き方BOOKS 地球の歩き方 GEM STONE 013)、ダイヤモンド・ビッグ社、2007年7月、ISBN 4478077894
  • 浅原須美(文)、中川カンゴロー(写真)『夫婦で行く花街花柳界入門』小学館、1998年3月、ISBN 4093431345
  • 井沢寿治『ぼんぼんの原風景』かもがわ出版、2000年6月、ISBN 4876995206
  • 石井美代(高良留美子岩見照代・共編)『芸者と待合』ゆまに書房、2004年6月、ISBN 4843312185
  • 石田民三『京洛風流抄』「京洛風流抄」刊行会、1973年、[7]
  • 石原哲男『日本髪の世界 舞妓の髪型編』自費出版、2004年4月、[8]
  • 石原哲男『舞妓の髪型 京・先斗町』同朋舎出版、1993年5月、ISBN 4810412946
  • 板倉有士郎『祇をん 舞妓の四季 板倉有士郎写真集』サンライズ印刷株式会社、1989年3月
  • 井上精三『博多風俗史 遊里編』積文館書店、1968年12月、[9]
  • 井上雪『廓のおんな』(朝日文庫)、朝日新聞社、1984年9月、ISBN 4022602902 単行本:朝日新聞社、1981年、ISBN 402254807X
  • 岩崎究香(岩崎峰子)『祇園のうら道、おもて道 女の舞台、一流の事情』幻冬舎、2005年10月、ISBN 4344010604
  • 岩崎峰子『祇園の課外授業』集英社、2004年9月、ISBN 4087813126
  • 岩崎峰子『祇園の教訓 昇る人、昇りきらずに終わる人』幻冬舎、2003年7月、ISBN 4344003586
  • 岩下尚史『芸者論―神々に扮することを忘れた日本人』雄山閣、2006年10月、ISBN 4639019521
  • 岩下尚史『名妓の資格―細書・新柳夜咄 芸者論2』雄山閣、2007年4月、ISBN 4639019661
  • 上村敏彦『花街・色街・艶な街 色街編』街と暮らし社、2008年1月、ISBN 4901317172
  • 上村敏彦『東京 花街・粋な街』街と暮らし社、2008年9月、ISBN 4901317199
  • 及川和哉『ひだりづま 盛岡芸者いまむかし』八重岳書房、1991年5月、ISBN 4896461398
  • 太田達ほか『京の花街―ひと・わざ・まち 』日本評論社、2009年4月、ISBN 453558561X
  • 小川智恵子/語り、鈴木美代子/聞き書き『おてんばば女将の祇園昔ばなし』草思社、2007年6月、ISBN 9784794216045
  • 小原源一郎(文)、板倉有士郎(写真)『京・祇園 幽玄なる伝統美の世界』日本地域社会研究所、1994年4月、ISBN 4890227385
  • 柏木健一『祇園は恋し』文芸社、2004年11月、ISBN 4835580702
  • 加藤政洋『花街 異空間の都市史』朝日新聞社、2005年10月、ISBN 4022598859
  • 加藤政洋『京の花街ものがたり』(角川選書)、角川学芸出版、2009年8月、ISBN 4047034487
  • 上七軒市まめ『舞妓のお作法』大和書房、2007年11月、ISBN 9784479781721
  • 川村徳太郎(述)、田中巌(編)『新橋を語る』新橋芸妓屋組合、1931年9月、[10]
  • 菊池武徳『名士と名妓 明治史の裏面』ダイヤモンド社、1937年5月、[11]
  • 岸井良衛『女藝者の時代』青蛙房、1974年1月、[12]、再版: 1985年10月、[13]
  • 片岡仁左衛門(文)、清岡虹子(写真)『祇園の舞妓』フジアート出版、1985年2月、ISBN 4828902961
  • 桐木千寿『愛され上手になる 祇園流・女磨き』講談社、2007年3月、ISBN 9784062138413
  • 熊谷康次郎(文)、濱岡昇(写真)『祇園と舞妓』淡交社、1974年
  • 佐野美津子『祇園女の王国 紅殻格子のうちとそと』新潮社、1995年2月、ISBN 4104034010
  • 杉田博明(文)、溝縁ひろし(写真)『京の花街祇園』淡交社、2003年5月、ISBN 4473019802
  • 角田嘉久『或る馬賊芸者・伝 「小野ツル女」聞き書より』創思社出版、1980年2月、[14]
  • ライザ・ダルビー(入江恭子・訳)『芸者 ライザと先斗町の女たち』TBSブリタニカ、1985年12月、ISBN 4484851156
  • 高橋利樹『京の花街「輪違屋」物語』(PHP新書)、PHP研究所、2007年8月、ISBN 4569693784
  • 高橋秀彰『「一見さんお断り」の勝ち残り経営』 ~京都花街お茶屋を350年繁栄させてきた手法に学ぶ~ぱる出版、2017年4月、ISBN 9784827210507
  • 高安美三子『おおきに。祇園に学ぶしなやか処世術 』扶桑社、2007年3月、ISBN 4594053432
  • 田中優子『芸者と遊び日本的サロン文化の盛衰』(学研新書)、学研、2007年6月、ISBN 9784054034594
  • 千谷道雄『明治を彩る女たち お梅・お須磨・ぽん太・お鯉・妻吉』文藝春秋、1985年2月、[15]
  • 千代喜久『赤坂ずっこけ芸者 お座敷ここだけの話』、幻冬舎、2005年8月、ISBN 4344010264
  • 陳奮館主人『江戸の芸者』(中公文庫)、中央公論社、1989年8月、ISBN 4122016363、改版: 中央公論新社、2005年11月、ISBN 4122046181
  • 蔦清小松朝じ『女はきりきりしゃん あたしは百歳現役芸者』ごま書房、1994年5月、ISBN 434117049X
  • 出馬康成『芸者の粋と意地―向島 花柳界に舞う女たちの生き様』、角川学芸出版、2008年2月、ISBN 4046216069
  • 内藤悦子『舞妓はんになってみませんか 京都宮川町の舞妓姉妹、君香さんと君晴さん フォトガイド写真集』第三書館、2007年9月、ISBN 9784807407125
  • 中島よしゑ『和学塾 美しい日本女性の生き方』太陽出版、2007年4月、ISBN 9784884695118
  • 中島よしゑ『京都・祇園流格別のおもてなし作法』亜紀書房、2007年10月、ISBN 9784750507095
  • 夏栄(聞き書き・岡田喜一郎)『神楽坂芸者が教える女の作法』河出書房新社、2005年2月、ISBN 4309017002
  • 中島花代『小さな芸者さん!お酌チャンno.1!』メディアファクトリー、1992年8月、ISBN 4889912592
  • なでし子(高良留美子、岩見照代・共編)『やとな物語』ゆまに書房、2000年6月、ISBN 4843301019
  • 浪江洋二・編『白山三業沿革史』雄山閣出版、1961年、[16]
  • 成島柳北(原著)、色部義明、小松田良平(共著)『柳北綺語』色部義明ほか、1976年、[17]
  • 南地大和屋『大和屋歳時』柴田書店、1996年8月、ISBN 4388057835
  • 納屋嘉治ほか(文)、溝縁ひろし(写真)『祇園 粋(すい)な遊びの世界』淡交社、1995年4月、ISBN 4473013995
  • 西尾久美子『京都花街の経営学』東洋経済新報社、2007年9月、ISBN 9784492501764
  • 西川ぎん子『花柳界はこんなところでございます。お座敷の楽しみ方から芸妓とのつきあい方まで』PHP研究所、2004年8月、ISBN 4569635687
  • 根岸省三『高崎のサービス業と花街史』高崎市社会教育振興会、1967年12月、[18]
  • 橋本余四郎『置屋物語 花街を彩った人々』八朔社、2005年9月、ISBN 4860140281
  • 花園歌子(高良留美子、岩見照代・共編)『芸妓通』ゆまに書房、2004年6月、ISBN 4843312215
  • 濱岡昇『京舞妓』京都書院、1987年6月、ISBN 4763630571
  • 早崎春勇『祇園よいばなし』京都書院、1990年10月、ISBN 4763640445
  • 林田亀太郎『藝者の研究』潮文閣、1929年5月、[19]
  • 舟橋聖一『風流抄』文藝春秋新社、1954年12月、[20]
  • ジョン・フォスター『京舞妓百景 ジョン フォスター写真集』東方出版、2006年12月、ISBN 4862490484
  • 蒔田耕『牛込華街読本』牛込三業会、1937年11月、[21]
  • 増田小夜『芸者―苦闘の半生涯』平凡社ライブラリー、1995年11月(1957年刊の増補改訂版)、ISBN 4582761224
  • 溝縁ひろし『京都祇園』光村推古書院、1996年7月、ISBN 4838101716
  • 溝縁ひろし『京都花街 祇園甲部・宮川町・上七軒・先斗町・祇園東』光村推古書院、2002年7月、ISBN 4838103034
  • 溝縁ひろし『京都先斗町』光村推古書院、1997年8月、ISBN 4838102070
  • 溝縁ひろし『京舞妓歳時記 溝縁ひろし写真集』東方出版、1995年8月、ISBN 4885914361
  • 溝縁ひろし『祇をん市寿々』小学館、2000年10月、ISBN 4096813222
  • 溝縁ひろし『祇園 今に生きる伝統美』日本交通公社、1985年4月
  • 溝縁ひろし 『祇園・舞ごよみ』京都書院、1992年4月、ISBN 4763631950(のち文庫・京都書院アーツコレクション 写真 で

1998年6月、ISBN 4763616420

  • 溝縁ひろし『祇園舞妓抄』吉村書房、1978年4月
  • 溝縁ひろし(京都新聞出版センター・編)『はんなりと 京舞妓の四季』京都新聞出版センター、2004年4月、ISBN 4763805347
  • 三田村鳶魚『花柳風俗』中央公論社、1998年10月、ISBN 4122032717
  • みな子(長尾みつ)『華より花』主婦と生活社、2009年4月、ISBN 978-4-391-13649-4
  • 三宅 小まめ、森田 繁子(共著)『「祇園」うちあけ話―お茶屋のこと、お客様のこと、しきたりのこと』(PHP文庫)、PHP研究所、2004年7月、ISBN 4569662250(『聞き書き 祇園に生きて』同朋舎・発売:角川書店、2000年5月、ISBN 4810426084 を改題)
  • 宮川はるの「京の花街文化考」・「花街における教育」日本繊維新聞社出版『和遊』創刊号、2007年、2008年
  • 山口公女『すっぴん芸妓―京都・祇園のうっかり日記』ローカス、2007年1月、ISBN 9784898147085
  • 山口富美恵『芸者雪そのの青春』集英社、1986年5月、ISBN 4087750841
  • 山本雅子『お茶屋遊びを知っといやすか』廣済堂出版、2001年1月、ISBN 4331507475
  • 依田義賢(文)、濱岡昇(写真)『舞妓の四季』(駸々堂ユニコンカラー双書)、駸々堂出版、1975年
  • 渡辺憲司監修『大人の教養を愉しむ 祇園のしきたり』(青春新書)、青春出版社、2009年7月、ISBN 4413042425
  • 渡会恵介『京の花街』大陸書房、1977年6月

脚注

出典


  1. ^ 『近代日本の格差と最下層社会』草間 八十雄 (著), 安岡 憲彦 (編集)
  2. ^ 博多券番とは 博多券番、2021年8月1日閲覧。
  3. ^ 児童虐待六行為を内務省令で指定『中外商業新報』昭和8年5月12日(『昭和ニュース事典第4巻 昭和8年-昭和9年』本編p279 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  4. ^ 府警察が調停、解決へ動く『大阪毎日新聞』(昭和12年3月6日)『昭和ニュース事典第6巻 昭和12年-昭和13年』本編p46
  5. ^ 芸妓六十人が信貴山に籠城『大阪毎日新聞』(昭和12年2月27日夕刊)『昭和ニュース事典第6巻 昭和12年-昭和13年』本編p46
  6. ^ 新検番の設立認可、芸妓側に凱歌『大阪毎日新聞』(昭和12年3月7日夕刊)『昭和ニュース事典第6巻 昭和12年-昭和13年』本編p47
  7. ^ 『運命の影に』松崎天民著 (磯部甲陽堂, 1917)
  8. ^ a b 関西学院大学先端社会研究所紀要第12号、『地方花柳界における〈芸〉と〈色〉-諏訪湖沿岸地域の事例-、谷岡優子、2015年
  9. ^ 『娯楽業者の群 : 社会研究』権田保之助著 実業之日本社 大正12
  10. ^ 清水晴風著『東京名物百人一首』明治40年8月「不見転」国立国会図書館蔵書、2018年2月10日閲覧
  11. ^ 『大宰相・原敬』 福田和也、PHP研究所, 2013/11/25、「大慈寺」の章
  12. ^ 『「家系図」と「お屋敷」で読み解く歴代総理大臣 昭和・平成篇』竹内正浩、実業之日本社, 2017/07/25、「犬養家関係の人々」の項
  13. ^ 椿山荘の女王・吉田貞子 ]『現代之人物観無遠慮に申上候』河瀬蘇北、二松堂書店、1917年
  14. ^ 深川タウン誌 11月12月号 2017年 No239
  15. ^ 夕刊讀賣新聞 2022年 8月19日号
  16. ^ 宮島悠夏, 岡崎篤行, 松井大輔、「花街の景観演出要素としての提灯の掲出 -京都五花街を中心として-」『日本建築学会技術報告集』 2016年 22巻 51号 p.739-742, doi:10.3130/aijt.22.739
  17. ^ 中村真己(2007)花街における伝統の維持・継承と変容
  18. ^ 旧花街の伝統芸能継承と街並みの形成保存維持
  19. ^ お座敷外活動の展開にみる八王子花柳界の再興要因 - 首都大学東京
  20. ^ 西尾久美子(2007)京都花街の経営学 - 東洋経済新報社
  21. ^ 加藤政洋(2005)花街: 異空間の都市史 - 朝日新聞社
  22. ^ 明田鉄男(2002)日本花街史 - 雄山閣
  23. ^ 伊豆長岡温泉 芸妓”. 伊豆長岡芸能事業協同組合. 2018年7月3日閲覧。
  24. ^ 静岡伝統芸能振興会”. 静岡商工会議所. 2018年7月3日閲覧。
  25. ^ 名妓連”. 名古屋伝統芸能振興会. 2018年7月3日閲覧。
  26. ^ 有馬芸妓”. 料有馬伝統文化振興会. 2021年1月1日閲覧。
  27. ^ 土佐芸妓”. 料亭 濱長. 2020年12月24日閲覧。
  28. ^ あきた舞妓”. 株式会社 せん. 2018年7月3日閲覧。
  29. ^ 『二代芸者 : 紅灯情話』 安藤せん子著 (新栄社, 1913)
  30. ^ 国立国会図書館. “沖縄のジュリ(尾類)についての資料はあるか。”. レファレンス協同データベース. 2021年5月28日閲覧。






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