舗装 概要

舗装

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/22 20:10 UTC 版)

概要

道路の断面は、多くは表面から地下の順に、表層・基層・路盤(上層路盤と下層路盤)・路床(ろしょう)とよばれる各層からなり、このうち表層・基層・路盤を併せた部分が舗装と定義されている[1][2]。舗装の下にある1メートルの層が路床、その下を路体(ろたい)と呼び、舗装を支える基礎となる地盤である[1][2]。高架橋やトンネル内の道路、歩道などでは、舗装の断面構成要素はこれら内容とは異なる[1]。普通、表層部は一般にアスファルトとよばれているアスファルト混合物アスファルトコンクリート、基層部は表層部よりアスファルト混合量が少ないアスファルト混合物、路盤は人工的に粒径を調整された砕石によって構成されている[1]。表層にはアスファルトが使用されることが多いが、環境に配慮した道路や遊歩道では、インターロッキングブロック (ILB) が使用される例もみられる[1]

道の歴史は、原始人が草を踏み分けたものから始まり、歩き辛さを軽減するために小石などを取り除き、やがて荷物を運搬するために牛・馬の背に載せたり、台車で大量運搬するようになっていったと考えられている[3]。人は、物の運搬の効率化を考えるようになると、なるべく牛や馬の疲れを軽減し、人も歩きやすくするために道路改良を行うようになり、雨天によって出来たぬかるみなどで歩行に影響が出ない人工的な路面、すなわち舗装が考えられるようになった[3]。近代になると自動車が走るようになり、その後の自動車の大型化が進むとともに道路の舗装断面もそれに耐えうる構造に、舗装の設計法は変わっていった[3]

したがって、舗装の役割・機能とは次のようなものである。

  1. 路面が雨天時に軟弱になり泥濘化[注釈 1]することや、晴天時に車両が通行することで砂塵が巻き上げられ、周囲環境が汚染されるの防止する[4]
  2. 路面を平坦にし、また適切な摩擦抵抗をもたせることによって、人が歩く時、また車両で走行する時の快適性や安全性を向上させる[4]
  3. 道路の耐久性を高める[4]

舗装は設計に際して、交通荷重と自然環境の作用に対する耐久性確保に配慮する必要がある。舗装の基礎部分である路床は、その上層の加重および交通荷重に耐えられなければならず、道路の善し悪しは路床の強度で決定づけられる[1]。舗装全体は、表層からの交通荷重を分散させられるように適切な構造でなければならない。その場所ごとの状況・条件、沿道環境、経済性などを考慮しながら舗装の構造を決定する必要がある。


注釈

  1. ^ になってしまうこと。
  2. ^ あるいは「ジョン・ラウダン・マカダム」「ジョン・ロウドン・マカダム」とも。
  3. ^ 国土交通省によれば、日本の約95 %の道路がアスファルト舗装である。
  4. ^ ただし、一部寒冷地においては、下層路盤の下に凍上抑制層の5層となる
  5. ^ 2012年に一部開通予定の新東名高速道路では、開通区間約160 kmのうち、70%弱にあたる110 kmがコンクリート舗装となる。

出典

  1. ^ a b c d e f 峯岸邦夫 2018, p. 80.
  2. ^ a b 宮川豊章・岡本亨久・熊野知司 2015, p. 131.
  3. ^ a b c 峯岸邦夫 2018, p. 82.
  4. ^ a b c d 浅井建爾 2015, p. 25.
  5. ^ a b c d e f g h 峯岸邦夫 2018, p. 84.
  6. ^ ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 159.
  7. ^ a b c d 塚本敏行「アッピア街道」 [1]
  8. ^ a b c d ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 160.
  9. ^ a b c d e f g h 峯岸邦夫 2018, pp. 36–37.
  10. ^ a b 峯岸邦夫 2018, p. 85.
  11. ^ a b c d e f g h 峯岸邦夫 2018, p. 86.
  12. ^ a b c ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 161.
  13. ^ a b c d e 浅井建爾 2015, p. 26.
  14. ^ a b アスファルト基礎知識 1-2アスファルト利用の歴史”. 日本アスファルト協会. 2019年11月12日閲覧。
  15. ^ 武部健一 2015, pp. 170–171.
  16. ^ 武部健一『ものと人間の文化史 116-Ⅱ 道Ⅱ』法政大学出版局 2003年 pp. 205–206。※初版のp. 206で、坪からhaに変換した際の括弧内の数字が2桁間違っているので注意。
  17. ^ 今井哲、ほか「六大都市道路發達概要」、『道路の改良』第22巻第12号、道路改良会、1940年12月、 pp. 161–228。
  18. ^ 武部健一 2015, pp. 177–181.
  19. ^ 巻上安爾ら 2002, p. 148.
  20. ^ a b c 辻本明人 1999, p. 34.
  21. ^ 日本道路協会 2018, pp. 112–113.
  22. ^ 巻上安爾ら 2002, p. 280.
  23. ^ a b c d 峯岸邦夫 2018, p. 88.
  24. ^ a b 峯岸邦夫 2018, p. 98.
  25. ^ a b 峯岸邦夫 2018, pp. 100–101.
  26. ^ a b c d 峯岸邦夫 2018, p. 92.
  27. ^ 巻上安爾ら 2002, p. 149.
  28. ^ 峯岸邦夫 2018, p. 108.
  29. ^ a b c d 峯岸邦夫 2018, pp. 92–93.
  30. ^ a b c d ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 219.
  31. ^ a b c d e “原油高、舗装に変化 アスファルト高騰、コンクリに脚光”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2011年12月22日)
  32. ^ a b 宮川豊章・岡本亨久・熊野知司 2015, p. 132.
  33. ^ a b c d e f g 峯岸邦夫 2018, p. 90.
  34. ^ 巻上安爾ら 2002, p. 270.
  35. ^ 巻上安爾ら 2002, p. 271.
  36. ^ a b c d e f 窪田陽一 2013, p. 32.
  37. ^ 巻上安爾ら 2002, pp. 271–272.
  38. ^ a b c d e f g h i j k l m 峯岸邦夫 2018, p. 136.
  39. ^ 巻上安爾ら 2002, p. 274.
  40. ^ 巻上安爾ら 2002, pp. 274–275.
  41. ^ a b c d 巻上安爾ら 2002, p. 275.
  42. ^ a b c d e f 峯岸邦夫 2018, pp. 94–95.
  43. ^ a b c d e 峯岸邦夫 2018, p. 94.
  44. ^ a b 峯岸邦夫 2018, p. 95.
  45. ^ a b c d e f g h i 峯岸邦夫 2018, p. 96.
  46. ^ a b 桜井豪・高木雄一郎 (2019年11月12日). “道路で太陽光発電 ミライラボ、CASEにらみ開発”. 日本経済新聞. https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52043140R11C19A1TJ1000/ 2019年11月12日閲覧。 
  47. ^ WWMT NEWSCHANNEL 3:Rural Mich. counties turn failing roads to gravel、2009年6月12日
  48. ^ 浅井建爾 2015, pp. 26, 28.
  49. ^ Ⅱ-3-1 世界の道路延長、舗装率
  50. ^ https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/inter/keizai/gijyutu/pdf/road_design_j1_03_1.pdf 日本における道路整備について
  51. ^ a b c 浅井建爾 2015, pp. 27–28.






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