義親 義親の概要

義親

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 23:58 UTC 版)

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一般には「義理の親」、「法律上の親(-in-law)」とも呼ばれる。

概要

実親

義親は、実親に対する概念である。一方で生物学的なとされる実親であっても、なお、当該社会における家族制度などに左右され、生物学上の親とは一致しない場合がしばしばある。

なお、一般の用法上は、嫡出子であると非嫡出子であるとを問わず、実親・実子の関係となる。また生物学上の関係は問題にされない。

嫡出

例として日本の現行民法(2021年)では、婚姻中の女性が懐胎した子はその夫の子と推定する(婚姻の解消等の日から300日以内に出生した子は前夫の子と推定する)嫡出推定(民772条)が規定されている。嫡出推定には生物学的証明は必要とされず、生物学的関係に関わらず、懐胎当時の夫婦と当該子との関係は、原則として実親・実子とされる。嫡出推定の例外は、次の場合がある。

  • 婚姻前に懐胎し、婚姻後に出産した子の扱い
    • 婚姻後200日以内に出生した子につき母が非嫡出子として出生届を提出した場合(母の非嫡出子となる)
    • 婚姻後200日以内に出生した子につき嫡出子として出生届を提出した場合は、前婚が無く、または前婚の解消等の日から301日以降に出生した子であれば、嫡出推定によらず当然に嫡出子の身分を得る[1]
  • 妻が懐胎した時期に夫が出征、収監、行方不明、長期の別居(婚姻関係の破綻に準じる)などの状態であり[2]、外観的に婚姻の実態が無い情況における懐胎と判断される場合[1]

日本民法では嫡出推定は厳格に適用され、嫡出推定を覆すためには、夫が子の出生(妻の分娩)を知った時から1年以内に提起し、かつ、嫡出否認の審判または判決が確定する事を必要とする。嫡出否認の判決等が確定をみない場合は、嫡出推定を受けている子は出生から当然に嫡出子と推定される。

嫡出否認の認容にも次のような制限がある(確定判例等)。

  • 子が既に出生し、かつ、既に死亡していないこと。
  • 出生後に承認をしていないこと[3]
  • 血液型鑑定またはDNA鑑定により生物学的な血縁関係が無いこと(第三者との血縁関係があること)が推定される場合であっても、その事実だけを以て嫡出否認はできない(確定判例)[4]

認知など

嫡出の効力が及ばない子(非嫡出子)については、その父が認知することにより、その父の嫡出子としての身分を得る。

一方、嫡出否認が認容され、認知もされない場合には、その父と子の間では、民法上の親子関係は否定される。

母子関係は懐胎と続く出生により当然に母と子の親子関係が推定されるが(確定判例)、稀に出生時のトラブル(嬰児の遺棄、自己分娩、赤ちゃんの取り違え、出生届不提出など)により生物学上の母子関係が異なり、あるいは無戸籍児の場合がある。

義親

実親に対し、義親は社会的な、家族制度上の、あるいは法律上の親のことであり、配偶者の親、養親、親の配偶者(継親)などがある。そのため対象者より年上であるとは限らない。男性の義親のことを義父(ぎふ)といい、女性の義親を義母(ぎぼ)という。

義親の種類や呼び名には以下の例がある。

  • 配偶者の親
    • 義親、義父(岳父)、義母(岳母
  • 養親
    • 養父養母
  • 親の配偶者(実親でない者)
    • 継親継父継母[5]

配偶者の親

配偶者の親は義親の一種であり、他の義親と区別する場合には、義親のうち男性(父親)を(しゅうと)または岳父(がくふ)、女性(母親)を(しゅうとめ)または丈母(じょうぼ)、岳母(がくぼ)。自身より年少の場合もある。

民法上は、配偶者(内縁、事実婚を除く)の実親は、本人からみて親族であり、姻族である。


  1. ^ a b この場合には、嫡出否認の訴えではなく、親子関係不存在確認訴訟となる。そのため、嫡出否認の訴えとは異なり、訴えの利益があればいつでも提起できる。
  2. ^ 別居開始から9か月余りに出生した子について、婚姻関係が未だ破綻していない時期に懐胎した可能性があるとして嫡出推定が及ぶとした確定判例がある
  3. ^ 承認の方式は定められていないため、口頭の承認であっても照明可能であれば証拠能力を有すると考えられる。なお、子の命名や出生届の提出の事実だけをもって承認とはされない。
  4. ^ 民法「嫡出推定」、DNA鑑定より優先 最高裁初判断” (日本語). 日本経済新聞 (2014年7月17日). 2022年2月1日閲覧。
  5. ^ これらについても、義親、義父、義母と呼ぶ場合もある(ただし、舅、姑とは呼ばれない)
  6. ^ 血縁関係の有無に関係なく、一定の基準がある。
  7. ^ 実親ほか実の血族(自然血族)
  8. ^ 養親の多額の遺産を相続しておきながら、養親以外の親族に困窮している者があり扶養を要すると認められる場合には、権利の濫用であるとして、例外的に許可が下りない場合がありうる。
  9. ^ a b c d ただし、民735条(直系姻族間の婚姻の禁止)または民736条(養親子等の間の婚姻の禁止)に該当する場合は、この限りではなく、新たに婚姻はできないこととなる。これらは、離婚、離縁または死別により姻族関係が終了しまたは養子縁組が解消された後も、同様である。
  10. ^ a b c d e f (ただし、養子縁組をした場合はこの限りでない)
  11. ^ a b 継親と継子の間は、同居している限りにおいて相互に扶養義務が生ずる(「扶養」を参照)。また継親は18歳未満の継子に対し、身分犯たる監護者性交等罪監護者わいせつ罪の主体や、児童買春・児童ポルノ処罰法違反の罪の対償供与等の相手方となりうる。これは、これらが法律上適正な親権監護権に基づく権利行使である必要はなく、親権や監護権による監督保護と事実上同程度のものであれば足りるからである。 また連れ子同士の関係、または連れ子と実子との関係であったとしても、成年の者と18歳未満の者との間における行為の場合には、成年の者が事実上の親権や監護権を行使している場合にはこれらの罪の主体等になりうる。 なお、対償供与等のほか経済関係に乗じた18歳未満の者との行為に関しては、対償供与等のほか経済関係に乗じた周旋があれば児童買春・児童ポルノ処罰法違反の罪の成立を妨げないため、継親や連れ子、実子などの関係に限定されず第三者まで広く対象となる。


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