総合感冒薬 有効性

総合感冒薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/30 01:37 UTC 版)

有効性

アメリカ胸部医学会(ACCP)による2017年のシステマティックレビューでは[3]、咳をとめるための効果を裏付ける質の高い証拠はないため、咳止めや風邪薬を推奨していない[1]。これには、抗ヒスタミン薬や鎮痛薬、NSAID、亜鉛トローチが含まれる[1]

米国家庭医学会(AAFP)ガイドラインでは、4歳以下の児童に対してはOTC風邪薬を与えてはならないとしている(Should not be used, エビデンスレベルB)[2]

注意点

風邪というのは、特に薬を飲んだりしなくても自然治癒するものであり、総合感冒薬(風邪薬)というのは、あくまでも不快な症状を軽減する対症療法にすぎないため、薬を飲んだとしても十分休養すること。

また鎮痛・解熱剤が含まれる総合感冒薬は、飲むとかえって風邪を長引かせてしまうことになる、とも指摘されている。風邪の時、人体はあえて体温を上げることで免疫力を上げている。それに逆らって解熱剤で不自然に体温を下げてしまうと、せっかくの免疫力が落ち、治癒が遅れてしまうのである。例えば白血球というのは病原菌を死滅させる作用があるのだが、体温が1度下がるとその働きが30%ほど落ちてしまうという。解熱剤(鎮痛・解熱剤)入りの総合感冒薬で体温を下げてしまうよりも、むしろそれを飲まないようにして、身体を暖かく(熱く)保って免疫がうまく機能するようにしたほうが、短い期間で治癒する傾向がある[4]。ただし40度近い熱は脳に影響するので、高ければよいというものでもない。

また、医師や薬剤師の了解を得ずに他の薬と併用すべきものではない。インフルエンザや急性中耳炎・急性副鼻腔炎などにも一時的に症状緩和などの効果はあるが、あくまで応急処置にしかなりえず、(風邪でなくそうした症状の場合は)早めに医師の診察を受けるべきである。

副作用

主な副作用として、先述の「眠くなる成分」が含まれる製品を中心として、(体質や症状に応じて)眠気やだるさ(頭がぼーっとする感覚など)が表れることがある。このため服用後は、自動車など乗物運転・機械類の操作や飲酒は控えるべきであり、添付文書にも「注意事項」として、必ず記載されている。

重篤な副作用としては、間質性肺炎肝機能障害・アナフィラキシーショック薬疹スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)・ライエル症候群)・喘息などの薬剤アレルギー症状、PPA含有製品による脳出血のリスク(後述)などがある。

例えばスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)を例にとると、失明などの重大な後遺症が残ったり、死亡するリスクがある。副作用が発生しても本人が副作用だと気づかないまま症状が悪化していってしまうことが多々あり、また違和感や異常を感じて医療機関で診察を受けても、一般的に言うと医師は総合感冒薬の副作用とはなかなか気づかないので、誤診されてしまい(例えば手足口病などと誤診され)、手遅れになってしまうことが多い。

また、風邪薬に含まれるアセトアミノフェンを同時に大量摂取すると、肝臓障害を起こし死に至る危険性がある(本庄保険金殺人事件を参照)。


  1. ^ a b c “「風邪による咳に効く薬はない」米学会が見解”. CareNet. (2017年12月8日). https://www.carenet.com/news/general/hdn/45060 2018年6月1日閲覧。 
  2. ^ a b Fashner J, Ericson K, Werner S (2012). “Treatment of the common cold in children and adults”. Am Fam Physician 86 (2): 153–9. PMID 22962927. http://www.aafp.org/afp/2012/0715/p153.html. 
  3. ^ Malesker MA, Callahan-Lyon P, Ireland B, Irwin RS (November 2017). “Pharmacologic and Nonpharmacologic Treatment for Acute Cough Associated With the Common Cold: CHEST Expert Panel Report”. Chest (5): 1021–1037. doi:10.1016/j.chest.2017.08.009. PMID 28837801. 
  4. ^ 石原結実『東西医学』講談社、pp.87~90
  5. ^ [https://www.pmrj.jp/publications/02/pmdrs_column/pmdrs_column_72-46_12.pdf 薬事温故知新 第72回「アンプル入り風邪薬による ショック死事件」] 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス 2015年12月号(一般財団法人医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団)、2019年2月27日閲覧


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