結婚 各国における結婚の状況

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結婚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 01:00 UTC 版)

各国における結婚の状況

ヨーロッパ

新婚者、ストックホルム市庁舎(2016年)

中世において、結婚の記録は教会の教区簿冊に頼っていた。そのため、キリスト教の影響力が弱くなる等によりキリスト教によらない結婚や事実婚が増えると、結婚の記録に不備が生じる。

結婚記録の不備は特に相続の場面において社会問題となった。そのため、例えばイギリスは法律により国教会によらない結婚は結婚として認めず、違反者には重い罰金を科すなどの政策をとったことがある[117]

現代スウェーデンでは56%の人が未婚のまま出産し多くはそのまま生涯未婚を通す。フランスでも6割近くが未婚のまま出産を行っており、こうした婚外子は年々増加しつつある[118]。こうした中で結婚しなくても夫婦と同等の権利になれる制度や子育てに関する社会保障が法的に定められ、あくまでこの範囲の中で夫婦として子育てを行い、本当に愛し合い一生連れ添いたいとお互い思った場合のみ結婚を行うという考えが一般的になりつつある。

アメリカ

異人種間結婚(白人と非白人との結婚)禁止法を撤廃した時期ごとに示したアメリカ合衆国の州
  法案非通過
  1887年以前撤廃
  1948年以降1967年以前撤廃
  1967年6月12日破棄

アメリカ合衆国では結婚は一般的なものの、46%とほぼ2組に1組の高い離婚率を示しており、先進国ではトップに位置している。

中国

概要

法律の最低結婚可能年齢は、男性22歳、女性20歳(2008年時点)となっている[119]

全体としては、晩婚化が進んでいる[120]

また、一人っ子政策により「男性が余っている」というイメージが強いが、結婚当事者の意識としては「女性が余っている」状況にあるという。大きな要因としては「女性の方が婚期が短い」ことが挙げられる[121]。都市部の結婚適齢期の未婚の世代でも、女性の方が多い状況にある[122]。この問題については、三高#中国も参照されたい。では男性はどこで余っているかというと、農村部となる。地方の低収入の男性が「数千万単位で溢れている」[123]状況にある。

一方で、金持ちになった男性は二号、三号の妾を囲うことが、ある種のステータスとなっている。

中国における意識

中国における結婚への意識として、以下のものがある。

  • 夫婦の年齢は、夫の方が高い方がよい(男大女小と言う)[122]
    • こうした状況に対し、2008年3月の全国人民代表大会で「年上の女性と結婚するのにもメリットがあるから、やってみないか」と代表の一人が提案したことがある[122]
  • 結婚するには、まず家[124]と車が必要[120]
  • 結婚は女性にとっては働く上で不利
    • 企業の求職時に「未婚に限る」という条件がある場合もある。そのため、結婚していることを隠し未婚と偽って働く女性をさして「隠婚族」という言葉が生まれた(もちろん、ばれた場合は虚偽申告の罪に問われる)[125]

中国における歴史

中華人民共和国成立以前は、親が縁談をまとめており、デートや自由恋愛といったものはなかった[126]。中華人民共和国成立(1949年)後は、中国共産党が党への忠誠心などを勘案しながら結婚の許可を行うこととなった[122]改革開放(1978年)後は、自由恋愛により結婚することができるようになった[122]。なお、1966年からの文化大革命の際には、多くの知識人が地方へと下放され、そこで地元の女性と結婚することとなった。そのため、改革開放後に離婚が自由にできるようになると、こうした夫婦が離婚するケースが各地でみられた[126]

1990年代後半からの経済成長とそれに伴う経済格差の拡大により、結婚に際し愛情よりも経済力を優先する風潮が強まり、若い女性が生活向上のための手段として玉の輿を狙う姿がみられるようになった[127]。こうした世論を反映するように、成金が80後(後段参照)の女性を狙い、女子大に花嫁募集をかける動きが2006年頃から現れた(こうした女子大への求婚活動は「社会征婚進高校」といわれる)[127]

中国の世代における傾向

以上のような背景を踏まえた上で、世代の傾向として以下のようなものがあるという。

  • 70後(1970年代に生まれた世代)
上述したように、親が文化大革命により下放した知識人の場合、離婚するケースがある。こうした家庭で育ち親の離婚を経験した70後の女性は、結婚に対するネガティブなイメージを抱くこととなる[126]。また、いわゆる三高問題の対象でもあり、「結婚できない」ことが問題となっている。
  • 80後(1980年代に生まれた一人っ子政策後の世代で、親や祖父母からの愛情を一心に受けている。何不自由なく育ったため、大学卒業後に就活失敗による失業や低賃金な職場への就職により、生活水準が下がることを恐れる[126]小皇帝も参照)
小皇帝でも述べられているが、世代として「贅沢に慣れており金遣いが荒い」「我が強い」「わがままで自己中心的」「家事ができない」「競争時代に生きており、より良い条件を求める」といった問題点が指摘されている。また、結婚への価値観もそれまでの世代と異なっており、結婚に伴う責任などもあまり重く考えない。そのため、「すぐに結婚する」「すぐに妊娠する(させる)」「すぐに離婚する」(それぞれ、「閃婚族」「閃孕族」「閃離族」と呼ぶ。また、まとめて「閃光族」と総称する場合もある[128])現象が起こっており、社会問題となっている[128]

注釈

  1. ^ 住民票で「夫(未届)」「妻(未届)」等の記載をすることが可能である。
  2. ^ これは懲罰的措置ではなく精神的治療に必要な期間とされている
  3. ^ ただし、女子については、2022年令和4年)4月1日から2024年令和6年)3月31日までの期間においては、2006年平成18年)4月1日以前に生まれており(2022年令和4年)4月1日の成人年齢引き下げの際に16歳に達しており)、成人年齢の18歳に達していない者については、親の同意を得て婚姻をすることができる(経過規定)。

出典

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