等級 (天文)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/05 04:49 UTC 版)
主な天体の等級
見かけの等級 (V) | 絶対等級 (V) | 天体 |
---|---|---|
-26.7 | +4.82 | 太陽 |
-12.7 | - | 月(満月時。半月でも-10等前後で、皆既月食でもマイナス等級のときがある) |
−12.4 | - | ベテルギウスが超新星爆発を起こした際の明るさ(仮定)[31] |
-10.0 | - | 池谷・関彗星(1965年) の明るさ[32] |
-8 | - | イリジウム衛星(人工天体)によるフレアの明るさ(最大)[33] |
-6.0 | - | 超新星 SN 1054 の最大の実視等級(1054年) |
-4.7 | - | 金星の最大の明るさ |
-4.7 | - | 国際宇宙ステーション(人工天体)の最大の明るさ[34] |
-4.0 | - | 真昼に肉眼で見ることができる天体の最小の明るさ |
-3.0 | - | 火星の最大の明るさ |
-2.9 | - | 木星の最大の明るさ |
-1.46 | +1.4 | シリウス (太陽を除いて)全天で最も明るい恒星 |
-0.74 | -5.6 | カノープス 全天で2番目に明るい恒星 |
-0.4 | - | 土星の最大の明るさ |
-0.05 | -0.3 | アークトゥルス |
+0.01 | +4.4 | リギル・ケンタウルス 太陽系に最も近い恒星系ケンタウルス座α星系の主星 |
+0.03 | +0.6 | 変光星ベガの標準的明るさ |
+0.91 | -5.2 | 超巨星アンタレスの標準的明るさ |
+2.02 | -3.6 | ポラリス(現在の北極星)の標準的明るさ |
+3.4 | - | アンドロメダ銀河 |
+5.1 | - | 小惑星ベスタの最大の明るさ[35] |
+5.5 | - | 天王星の平均の明るさ |
+5.7 | - | GRB 080319B 最も明るいγ線バースト、かつ肉眼で見えた最も遠い物体 |
+6.0 | - | 肉眼で見える最も暗い恒星 |
+7.72 | - | HD 85828 肉眼で観測できた最も暗い恒星 |
+7.9 | - | 海王星の平均の明るさ |
+12.6 | - | 3C 273 最も明るいクエーサー |
+13.65 | - | 冥王星の最大の明るさ |
+16.8 | - | マケマケの最大の明るさ |
+17.27 | - | ハウメアの最大の明るさ |
+18.7 | - | エリスの最大の明るさ |
+20.5 | - | セドナの最大の明るさ[36] |
+27.7 | - | 地上望遠鏡(すばる望遠鏡)で観測した最も暗い天体[37] |
+31.5 | - | ハッブル宇宙望遠鏡で観測できる最も暗い天体 |
注釈
- ^ 「21個ある1等星」などと書かれたときの1等星には、マイナス等級となるシリウスや0等級のベガなども含まれる。
- ^ 「輻射流速密度」とも。天文学では、電磁波やエネルギーが単純に放出されることを「放射 (emission)」、等方的に放出されることを「輻射 (radiation)」と使い分けすることがある[6]。
- ^ Jyは放射流束密度の単位で、1 Jy = 10-23erg s-1 cm-2 Hz-1
- ^ 1974年刊行の学術用語集天文学編ではapparent magnitudeの訳語として「視等級」が用いられていたが、1995年刊行の増訂版では姿を消し、代わりに「見かけの等級」が訳語として充てられている。
- ^ 英語では absolute magnitude だが、日本では標準光度や絶対光度と呼ばれることもある。
出典
- ^ a b “等級”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2019年10月3日). 2020年6月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g Derek, Jones (1968-7). “Norman Pogson and the Definition of Stellar Magnitude”. Astronomical Society of the Pacific Leaflets 10 (469): 145-152. Bibcode: 1968ASPL...10..145J.
- ^ a b “ポグソンの式”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2018年7月2日). 2020年2月23日閲覧。
- ^ a b Pogson, N. (1856). “Magnitudes of Thirty-six of the Minor Planets for the First Day of each Month of the Year 1857”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 17 (1): 12-15. doi:10.1093/mnras/17.1.12. ISSN 0035-8711.
- ^ a b c d 沢武文「第3章 恒星の世界 18 星の明るさと色」 『極・宇宙を解く』恒星社厚生閣、2020年2月10日、74-77頁。ISBN 978-4-7699-1643-7。
- ^ 福江純「第1章 現代天文学の基礎概念 7 輻射場の基礎」 『極・宇宙を解く』恒星社厚生閣、2020年2月10日、31-33頁。ISBN 978-4-7699-1643-7。
- ^ a b c 岩室史英 著「4.1.1 明るさと等級」、家正則、岩室史英; 舞原俊憲 ほか 編 『15 宇宙の観測 I - 光・赤外天文学』日本評論社〈シリーズ現代の天文学〉、2017年11月15日、66-69頁。ISBN 978-4-535-60765-1。
- ^ “測光システム”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2019年8月25日). 2020年6月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 市川隆 (1997-01). “標準測光システム”. 天文月報 (日本天文学会) 90 (1): 23-28. ISSN 0374-2466 2018年5月15日閲覧。.
- ^ a b c “ベガ等級”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2018年3月12日). 2020年6月22日閲覧。
- ^ a b Oke, J. B.; Gunn, J. E. (1983). “Secondary standard stars for absolute spectrophotometry”. The Astrophysical Journal 266: 713-717. doi:10.1086/160817|bibcode=1983ApJ...266..713O. ISSN 0004-637X.
- ^ a b “AB等級”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2019年2月5日). 2020年6月22日閲覧。
- ^ a b “Zeropoints”. stsci.edu. STScI (2020年5月7日). 2020年6月26日閲覧。
- ^ a b “実視等級”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2019年10月3日). 2020年6月8日閲覧。
- ^ “実視絶対等級”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2018年3月9日). 2020年6月14日閲覧。
- ^ “写真等級”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2018年3月8日). 2020年6月14日閲覧。
- ^ 大沢清輝 1984, pp. 43–44.
- ^ “見かけの等級”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2018年3月12日). 2020年6月8日閲覧。
- ^ “絶対等級”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2019年9月16日). 2020年6月8日閲覧。
- ^ “距離指数”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2018年3月11日). 2020年6月29日閲覧。
- ^ Dymock, Roger (2007-12). “The H and G magnitude system for asteroids”. Journal of the British Astronomical Association 116 (6). ISSN 0007-0297 .
- ^ “COMMISSION 20: POSITIONS AND MOTIONS OF MINOR PLANETS, COMETS, AND SATELLITES (POSITIONS ET MOUVEMENTS PES PETITES PLANETES, PES COMETES ET PES SATELLITES) Report of Meetings, 21, 23, and 27 November 1985”. IAU. p. 184 (1985年8月). doi:10.1017/S0251107X00026195. 2020年6月29日閲覧。
- ^ 吉川真; 山口智宏 (2013). “特集「チェリャビンスクイベントと天体衝突リスク」 - 「スペースガード」とは何か”. 日本惑星科学会誌「遊・星・人」 22 (4): 214-221. ISSN 2423-897X .
- ^ a b “放射等級”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2018年3月12日). 2020年6月22日閲覧。
- ^ a b c 安藤裕康 著「1.1 星の明るさと色」、野本憲一、定金晃三、佐藤勝彦 編 『7 恒星』(初版第二刷)日本評論社〈シリーズ現代の天文学〉、2010年5月30日、1-8頁。ISBN 978-4-535-60727-9。
- ^ a b “RESOLUTION B2 on recommended zero points for the absolute and apparent bolometric magnitude scales”. IAU (2015年8月). 2020年6月19日閲覧。
- ^ Leavitt, Henrietta S.; Pickering, Edward Charles (1917). “The north polar sequence”. Annals of the Astronomical Observatory of Harvard College 71 (3): 47-232. Bibcode: 1917AnHar..71...47L.
- ^ a b 大沢清輝 1984, p. 44.
- ^ Johnson, H. L.; Harris, D. L. (1954). “Three-Color Observations of 108 Stars Intended for Use as Photometric Standards.”. The Astrophysical Journal 120: 196-199. Bibcode: 1954ApJ...120..196J. doi:10.1086/145903. ISSN 0004-637X.
- ^ a b Johnson, H. L.; Morgan, W. W. (1953). “Fundamental stellar photometry for standards of spectral type on the revised system of the Yerkes spectral atlas”. The Astrophysical Journal 117: 313-352. Bibcode: 1953ApJ...117..313J. doi:10.1086/145697. ISSN 0004-637X.
- ^ Dolan, Michelle M.; Mathews, Grant J.; Lam, Doan Duc; Lan, Nguyen Quynh; Herczeg, Gregory J.; Dearborn, David S. P. (2017). “Evolutionary Tracks for Betelgeuse”. The Astrophysical Journal 819 (1): 7. arXiv:1406.3143. Bibcode: 2016ApJ...819....7D. doi:10.3847/0004-637X/819/1/7.
- ^ “Brightest comets seen since 1935”. International Comet Quarterly. 2011年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月18日閲覧。
- ^ CalSky Glossary
- ^ CalSky ISS Brightness(国際宇宙ステーションが近地点で100%照らされている時)
- ^ Menzel, Donald H.; and Pasachoff, Jay M., "A Field Guide to the Stars and Planets", 1983 (ISBN 0-395-34835-8). 肉眼で見える唯一の小惑星。
- ^ "Horizons Output for Sedna 2076/2114"
- ^ What is the faintest object imaged by ground-based telescopes? Archived 2016-02-02 at the Wayback Machine., by: The Editors of Sky Telescope, 24 July 2006
「等級 (天文)」の続きの解説一覧
- 1 等級 (天文)とは
- 2 等級 (天文)の概要
- 3 歴史
- 4 主な天体の等級
- 5 脚注
- 等級 (天文)のページへのリンク