第XIII因子 構造

第XIII因子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/11 09:02 UTC 版)

構造

ヒトの血中で第XIII因子は、2つのAサブユニットと2本のBサブユニットの「ユニット」からなるヘテロ四量体として存在する。Aユニットは潜在的な触媒活性を有しているのに対し、Bユニットは有していない。Aユニットは四量体の中心部を形成している。非共有結合的に結合したBユニットは中心部の周りにリング状の構造を形成する。第XIII因子が第XIIIa因子へ活性化される際に、Bユニットは除去される。Aサブユニットのみからなる二量体は、血小板のような特定の細胞内にも存在する。血中には、Bサブユニットの単量体も大量に存在する。四量体が血液凝固に関与する一方で、このようなAサブユニット二量体やBサブユニット単量体も関与するかは不明である[1]

Aサブユニットは約83 kDaで、731アミノ酸残基、5つのタンパク質ドメインから構成される[1]。N末端からC末端へ次のように並んでいる。

  • 活性化ペプチド (1–37)
  • βサンドイッチ (38–184)
  • 触媒ドメイン (185–515): C314、H373、D396、W279が触媒に関与する
  • βバレル1 (516–628)
  • βバレル2 (629–731)

Bサブユニットは糖タンパク質である。重量は約80 kDa(重量の8.5%は炭水化物由来)、641残基で、10個のSushiドメインから構成される。各ドメインは約60残基で、ドメイン内に2つのジスルフィド結合を含む[1]

生理学

ヒトの第XIII因子のAサブユニットは主に血小板と他の骨髄由来の細胞で合成される。Bサブユニットは肝細胞から血中へ分泌される。AユニットとBユニットは血中で組み合わせられてヘテロ四量体を形成する。血漿中のヘテロ四量体の濃度は14–48 mg/lで、半減期は9–14日である[1]

第XIIIa因子によって安定化されていない血栓は5 mol/L尿素に溶解するが、安定化された血栓ではこの現象は起こらない[2]

第XIII因子欠乏症

第XIII因子欠乏症は、一般的には稀であるものの存在する。世界で最も発生数が多いのはイランで、473症例が報告されている。イランの中でもスィースターン・バルーチェスターン州Khashで最も発生数が多く、近親婚が多くみられる地域である[3]




  1. ^ a b c d e f g h i j k l “Factor XIII: a coagulation factor with multiple plasmatic and cellular functions”. Physiological Reviews 91 (3): 931–72. (July 2011). doi:10.1152/physrev.00016.2010. PMID 21742792. https://semanticscholar.org/paper/b66ce47e91a18be0b344195205ec3a8c824db3ec. 
  2. ^ a b “On the Solubility of Fibrin Clots”. Science 108 (2802): 280. (September 1948). Bibcode1948Sci...108..280L. doi:10.1126/science.108.2802.280. PMID 17842715. 
  3. ^ Factor XIII Deficiency in Iran: A Comprehensive Review of the Literature. Seminars in thrombosis and hemostasis;. 41. (2015). pp. 323–329. 
  4. ^ a b “Factor XIII: recommended terms and abbreviations”. Journal of Thrombosis and Haemostasis 5 (1): 181–3. (January 2007). doi:10.1111/j.1538-7836.2006.02182.x. PMID 16938124. 


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