第44回スーパーボウル 出場チーム

第44回スーパーボウル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/11 15:02 UTC 版)

出場チーム

インディアナポリス・コルツ

QBマニング

コルツはNFLベストの14勝2敗でシーズンを終えて3年ぶりのスーパーボウルを目指した。コルツのパワフルなオフェンスはプロボウル選出10回のペイトン・マニングに率いられ、マニングは4500ヤードを獲得、33タッチダウンパス、16被インターセプト、QBレイティング99.9でシーズンを終え4度目のMVPに選ばれた[7]。主なパスターゲットはレジー・ウェイン、ダラス・クラークでそれぞれ100キャッチ、10回のタッチダウンレシーブをあげた。ウェインはチームトップの1,260ヤード、クラークは1,106ヤードを稼いだ。他にもオースティン・コリーが60回のキャッチで676ヤード、7タッチダウン、ピエール・ガーソーンが47回のキャッチで756ヤードを獲得した。地上戦はRBのジョセフ・アダイが821ヤードを走り10タッチダウンをあげると共に51回のキャッチで336ヤードを獲得、3タッチダウンをあげた。またオフェンスラインはプロボウルセンターのジェフ・サタデーに率いられた。

ディフェンスラインはプロボウルに選ばれたロバート・マシス、ドワイト・フリーニーに率いられた。フリーニーはチームトップの13.5サックをあげ、マチスも9.5サック、5ファンブルフォースの成績をあげた。ラインバッカーのクリント・セッション、ゲイリー・ブラケットはそれぞれ80タックルをあげた。プロボウルセイフティのアントワン・ベセアは70タックル、4インターセプトの成績をあげた。

新ヘッドコーチとなったジム・コールドウェルの下、チームは開幕から14連勝しニューヨーク・ジェッツ戦の途中から主力選手を下げたため15-29と敗れ連勝が止まった。コールドウェルヘッドコーチはレギュラーシーズン16連勝よりもスーパーボウルに優勝するのための決定を下した。最終週も敗れて14勝2敗となった。

ニューオーリンズ・セインツ

QBブリーズ

NFCベストの13勝3敗でレギュラーシーズンを終えたセインツはチーム創設43年目で初のスーパーボウル出場を果たした。セインツの歴史は長い苦難の道のりであり、1967年に創設されたセインツは1987年まで勝ち越しすることなく、2000年のレギュラーシーズン後のプレーオフでセントルイス・ラムズを破りようやくプレーオフ初勝利をあげた。2005年にはハリケーン・カトリーナの被害で本拠地のルイジアナ・スーパードームは大きな被害を受けてバトンルージュにあるルイジアナ州立大学のタイガー・スタジアム、サンアントニオアラモドーム、開幕戦はアウェイであるニューヨーク・ジャイアンツの本拠地、ジャイアンツ・スタジアムで行うなど地元でのホームゲーム開催ができずに3勝13敗に終わった。しかしオフシーズンにプロボウルQBのドリュー・ブリーズ(彼はチームに加入後の4年間で最もパス獲得ヤードを稼いでいるQBである。)を獲得、ドラフトハイズマン賞受賞者のレジー・ブッシュ、WRのマーカス・コルストンを獲得した。2006年にチームは10勝6敗で終え、初めてNFCチャンピオンシップゲームまで進出したがシカゴ・ベアーズに敗れてスーパーボウル出場はならなかった。続く2シーズンはプレーオフ出場を果たせなかったが新しい戦力を加え2009年スーパーボウルを目指す戦力が整った。

セインツのオフェンスはNFLトップの1試合あたり32得点をあげた。ブリーズはNFL記録のパス成功率70.6%、4,338ヤード獲得、34タッチダウンパス、11被インターセプトの成績を残しNFLトップのQBレイティング109.6でシーズンを終えた。メインターゲットのコルストンは70回のキャッチで1,074ヤードを獲得し9タッチダウンをあげた。またデバリー・ヘンダーソンが51回のキャッチ、ロバート・ミーチェムが45回のキャッチ、タイトエンドのジェレミー・ショッキーが48回のキャッチをマークするなどパスターゲットは多かった。地上戦はピエール・トーマス、マイク・ベルらによって行われトーマスはランで793ヤードを獲得すると共に39回のキャッチで302ヤードを獲得、ベルも654ヤードを走った。またブッシュが390ヤード(平均5.6ヤード)を走ると共に47回のキャッチで335ヤードを獲得すると共にパントリターンで130ヤードを稼いだ。強力なオフェンスラインからはガードのジャーリ・エバンス、センターのジョナサン・グッドウィン、タックルのジョン・スティンチコムはプロボウルに選ばれた。

プロボウルディフェンスラインマンのウィル・スミスは13サック、ラインバッカーのジョナサン・ヴィルマはチームトップの87タックル、3インターセプトをあげた。ディフェンスバックは12年目のベテラン、ダレン・シャーパーに率いられ彼は9回のインターセプトでNFL記録となる376ヤードをリターン、3タッチダウンをあげた。コーナーバックのトレイシー・ポーターは49タックルで4インターセプトをあげた。

チームは開幕から13連勝したがその後ダラス・カウボーイズに17-24で敗れ、タンパベイ・バッカニアーズ戦ではギャレット・ハートリーの勝ち越しを狙ったFGが失敗に終わり延長の末敗れた。最終週もブリーズに代わって控えQBのマーク・ブルネルが先発し[8]カロライナ・パンサーズに10-23で敗れたが第1シードを獲得、プレーオフ2試合では76得点をあげてスーパーボウル初出場を決めた。

プレーオフ

コルツはプレーオフ初戦のディビジョナルプレーオフでボルチモア・レイブンズと対戦した。9勝7敗でワイルドカードでプレーオフ出場を果たしたレイブンズはニューイングランド・ペイトリオッツトム・ブレイディから4つのターンオーバーを奪い、33-14で勝ち上がってきていた。コルツはレイブンズの最初の攻撃でFGを許したがマット・ストバーのFG、ウェイン、コリーへのマニングからのTDで17-3でリードしてハーフタイムを迎えた。後半エド・リードが2度マニングのパスをインターセプトしたが最初は自身のファンブルでもう1回は他の選手の反則でインターセプトが取り消された。レイブンズのオーナー、アート・モデルのチーム(元のクリーブランド・ブラウンズオーナーでもある。)で18シーズンプレーしたストバーが2本目のFGを決めて20-3で勝利した。AFCチャンピオンシップゲームは第16週で敗れたニューヨーク・ジェッツとの対戦になった。6-17とリードされたがコリーへ3本のパス(最後は16ヤードのTDパス)が成功し13-17と4点差でハーフタイムを迎えた。後半ガーソーン、クラークへのTDパス、ストバーのFGで得点を重ねると共に相手を無得点に抑えて30-17で勝利した。マニングはこの試合で377ヤードを投げて、ガーソーンとコリーはそれぞれ100ヤード以上を獲得した。

セインツはワイルドカードプレーオフでグリーンベイ・パッカーズを延長の末、51-45で破った前年のNFC覇者のアリゾナ・カージナルスを45-14で破った。この試合でセインツは相手の最初のプレーでタッチダウンを奪われたがライネル・ハミルトンの1ヤードラン、シャーパーのファンブルリカバーから得た攻撃権でブリーズがショッキーにTDパス、パントリターンでのレジー・ブッシュの46ヤードリターンTDも飛び出し、フリーフリッカーからのヘンダーソンへのTDパス、コルストンへのTDパスと前半だけで35得点をあげて35-14とリードした。後半にもハートリーのFG、ブッシュの83ヤードのパントリターンTDで10点を加えて45-14で勝利した。ブッシュはリターンなどで217ヤードを獲得、ブリーズは247ヤードを投げて3TDパスを成功させた。

NFCチャンピオンシップゲームは11回プロボウルに選出されており、ディビジョナルプレーオフのダラス・カウボーイズ戦で4TDパスを決めたブレット・ファーヴミネソタ・バイキングスとの対戦になった。セインツのオフェンスはラン、パス合計で257ヤードしか獲得できなかったがディフェンスが5回のターンオーバーを奪った。第4Q終盤28-28と同点で迎えた場面でバイキングスは勝ち越しFGを狙える圏内に向けてボールを進めた。残り1分を切ってセインツは自陣33ヤード地点まで攻め込まれたが2回のランプレーで前進を許さず、続く相手のペナルティで38ヤードまでボールが戻った後、ファーヴのパスをポーターがインターセプトし試合は延長に持ち込まれた。コイントスに勝ったセインツはピエール・トーマスが40ヤードのキックオフリターンを見せた後、10プレイで39ヤード前進し最後はハートリーが40ヤードのFGを決めてスーパーボウル初出場を決めた。

コルツ、セインツとプレーオフ1回戦を免除されたチームがスーパーボウルで対戦するのは第39回スーパーボウル以来5年ぶりのこと。この間、4回のスーパーボウルではいずれかのチームがワイルドカードプレーオフから勝ち上がっており、2チームは地区優勝を逃し、ワイルドカードでプレーオフ出場を決めたチームであった。第41回スーパーボウルでのコルツを含めた3チームがプレーオフ1回戦から勝ち上がりスーパーボウル優勝を果たしている。また、両カンファレンスの第1シードのチーム同士の争いになるのは第28回以来16年ぶりのことであった。


  1. ^ Colts open as 4-point faves over Saints in Super Bowl
  2. ^ Underwood, Latifah sing at Super Bowl
  3. ^ CBS Sports Coverage of Super Bowl XLIV Is Most-Watched Program In Television History”. TVbytheNumbers.com (2010年2月8日). 2010年2月8日閲覧。
  4. ^ Super Bowl XLIV most watched Super Bowl of all time/ Nielsen Blogs
  5. ^ QBブリーズ、セインツを初優勝に導きMVP選出”. NFL JAPAN (2010年2月8日). 2012年6月25日閲覧。
  6. ^ NFL owners work on testy NFLPA contract extension ESPN 2005年8月11日
  7. ^ 敗戦を糧に、来季の王座奪還を誓うコルツ”. NFL JAPAN (2012年2月9日). 2012年6月25日閲覧。
  8. ^ 生沢浩 (2010年1月28日). “コルツとセインツ、プレイオフで勢いを盛り返した要因は?”. NFL JAPAN. 2010年1月30日閲覧。
  9. ^ マニング、スーパーボウル最長タイの96ヤードドライブ演出!”. NFL JAPAN (2010年2月8日). 2012年6月25日閲覧。
  10. ^ オンサイドキック成功のPモーステッド、「蹴る前はおびえていた」”. NFL JAPAN (2010年2月9日). 2012年6月25日閲覧。
  11. ^ TEショッキー、決勝TDで2年前の雪辱”. NFL JAPAN (2012年2月9日). 2012年6月25日閲覧。
  12. ^ ポーター、値千金のINTに「“予習”の成果が出た」”. NFL JAPAN (2010年2月8日). 2012年6月25日閲覧。
  13. ^ セインツ、悲願のスーパーボウル初優勝!”. NFL JAPAN (2010年2月8日). 2012年6月25日閲覧。
  14. ^ Aaron Tallent (2020年2月4日). “50 Greatest Super Bowl Performances of All Time”. ATHLON SPORTS. 2020年6月24日閲覧。
  15. ^ GoDaddy Goes Back to the Super Bowl ニューヨーク・タイムズ 2009年10月24日
  16. ^ ペプシ、スーパーボウルでの広告中止と 1987年以降で初 CNN 2009年12月18日
  17. ^ Sports Illustrated





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