種子島 歴史

種子島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/20 05:54 UTC 版)

歴史

西之表市市街地
中種子町市街地

種子島でもっとも古い遺跡は、南種子町横峯遺跡(鹿児島県指定史跡)、中種子町立切遺跡・大津保畑遺跡で、約3万5千年前(較正年代)の遺跡である。これらの遺跡は、鹿児島県内で最も古い遺跡である。また、旧石器時代に人類が生活をした数少ない離島の一つでもある。種子島では細石器文化も確認されていて、南種子町銭亀遺跡は、細石器文化が確認された日本列島最南端の遺跡である。

縄文時代の種子島では、九州島南部の縄文文化とほぼ同一の土器様式が確認されている。一方、弥生時代後期から7世紀にかけての種子島では、独自の貝文化が展開した。その種子島独自の貝文化を代表する遺跡として、南種子町広田遺跡(国の史跡)が著名であり、貝製品を中心とする広田遺跡の出土品は、国の重要文化財に指定されている。

8世紀になると、種子島は、律令国家の支配下におかれる(朝貢の記録自体は、『日本書紀』に7世紀末から見られる)。大宝2年(702年)に令制国として隣の屋久島も含めて多禰国(たねのくに)が置かれ、島北部に能満郡、南部に熊毛郡が設けられた。中央より国司が任じられ多禰国司として二島を支配した。

しかし多禰国は平安時代前期の天長元年(824年)に廃止され、能満郡は熊毛郡に統合し大隅国に編入された。鎌倉時代には見和氏、肥後氏が支配し、室町時代以降には肥後氏の支族種子島氏がこの地を治めた。日本の南方に向けた入り口として古来より栄え、南蛮からの鉄砲伝来が行われた。火縄銃の製作が始められた場所でもあったため、国産の火縄銃は種子島と呼ばれていた。琉球王国との交易も行われており、元禄11年(1698年)領内の農民の救済作として、当時の領主種子島久基琉球国王尚貞より甘藷一篭を譲り受け、家老西村時乗に命じ領民に栽培させた。これが九州、本州にさらに伝わっていく。

佐藤信淵は薩摩藩重臣にあてた『薩摩経緯記』の中で種子島の島民気質を喜界島、屋久島の住民と同様に「豊かになろうと心がける気持ちが弱く、産業に励む者は希」と評価した[2]

現代

種子島宇宙センターなど宇宙関連施設が多く建てられ、日本における宇宙開発の一翼を担っている。また、最近では多くのサーファーが移住し、マリンスポーツ等も盛んに行われている。戦前より県内外からの移住者が多く、その出身元も多様。島の内陸部にある十六番や二十番という地名は、開拓番号がそのまま集落名になったものである。


注釈

  1. ^ 以下の数値は資料不足値の為未記載「1950(17.7),1982(19.8)」
  2. ^ 以下の数値は資料不足値の為未記載「1950(20.8),1982(22.5)」
  3. ^ 以下の数値は資料不足値の為未記載「1950(33),1982(31.4)」
  4. ^ 以下の数値は資料不足値の為未記載「1950(7.8),1982(6.2)」
  5. ^ 以下の数値は資料不足値の為未記載「1950(14.9),1982(17.3)」
  6. ^ 以下の数値は資料不足値の為未記載「1950(-0.6),1982(0.9)」
  7. ^ 以下の数値は資料不足値の為未記載「1950(26.2),1982(26.5)」
  8. ^ 以下の数値は資料不足値の為未記載「1950(<0℃(最低)1.25℃(最低)10,<0℃(最高)0,≧25℃(最高)90,≧30℃(最高)24,≧35℃(最高)0|),1982(<0℃(最低)0.25℃(最低)22,<0℃(最高)0,≧25℃(最高)137,≧30℃(最高)27,≧35℃(最高))0」
  9. ^ 以下の数値は資料不足値の為未記載「1982(74),2008(71)」
  10. ^ ジェイエアの機材・乗務員による運航。
  11. ^ かつては大阪(伊丹空港)との定期便(昭和50年2月開設)があったが、現在は夏期及び冬期の季節運航となっている。
  12. ^ 日本エアコミューターの機材・乗務員による運航。

出典

  1. ^ 国立天文台編 平成19年 理科年表 p.565 ISBN 4621077635
  2. ^ 佐藤宏之 著 中塚武 監修「第二章 近世種子島の気候変動と地域社会」『気候変動から読み直す日本史6 近世の列島を俯瞰する』p53 2020年11月30日 臨川書店 全国書誌番号:23471480
  3. ^ 島面積” (PDF). 国土地理院. 2017年5月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月23日閲覧。
  4. ^ 「食料自給率、中種子832% 05年度鹿児島県内」『南日本新聞』 2008年1月1日朝刊。南日本新聞による独自集計である。第1部1面に調査方法が、第3部6面に鹿児島県内各市町村の食料自給率が掲載されている。
  5. ^ 平年値ダウンロード”. 気象庁. 2021年6月閲覧。
  6. ^ 観測史上1〜10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2021年6月閲覧。
  7. ^ 過去の気象データ”. 気象庁. 2023年1月2日閲覧。
  8. ^ 鹿児島-種子島高速船 岩崎と市丸一部共同運航へ : 南日本新聞エリアニュース” (2009年8月28日). 2013年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月20日閲覧。
  9. ^ 【FDA】 国内チャーター便運航のお知らせ 隠岐/種子島/花巻/青森 (フジドリームエアラインズ)”. 徳島阿波おどり空港. 徳島空港利用促進協議会. 2019年3月23日閲覧。
  10. ^ 山形空港”. 山形空港. 2017年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月23日閲覧。
  11. ^ a b 新たな公共交通 わかさ姫とどんがタクシー 西之表市、2023年4月29日閲覧。
  12. ^ a b バス・乗合タクシー 中種子町、2023年4月29日閲覧。
  13. ^ コミュニティバス 南種子町、2023年4月29日閲覧。
  14. ^ a b c d 中種子町郷土誌 昭和46年4月25日発行[要ページ番号]
  15. ^ 横田勝, 中村滝雄 ほか「鹿児島県・種子島における種子鋏製造の伝統的技法に関する調査研究--鍛冶製品製造産業の発達と社会的背景の予備調査」『Geibun : 富山大学芸術文化学部紀要』第1巻、富山大学芸術文化学部、2006年12月、160-165頁、doi:10.15099/00004677NAID 110006603757 
  16. ^ ABOUT”. STORAGE ENTERTAINMENT. 2021年11月22日閲覧。
  17. ^ “ももクロ・玉井詩織“免許取得”の極秘プラン「種子島の教習所で……?」”. 日刊サイゾー. (2016年4月9日). https://www.cyzo.com/2016/04/post_27543_entry.html 2017年4月22日閲覧。 
  18. ^ “ももクロメンバーが一日警察署長”. NHK. (2016年4月13日). オリジナルの2017年4月19日時点におけるアーカイブ。. https://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:B0Rvd-8ZH0gJ:www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20170413/5473671.html+&cd=12&hl=ja&ct=clnk&gl=jp 2017年4月22日閲覧。 






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