神社 施設・設備

神社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/23 15:05 UTC 版)

施設・設備

神社境内模式図
参考文献『神道の本』(学習研究社)
(下部から)
①鳥居 ②石段 ③参道 ④手水舎 ⑤灯籠 ⑥神楽殿 ⑦社務所・納札所 ⑧絵馬掛け ⑨摂末社 ⑩狛犬
⑪拝殿 ⑫瑞垣 ⑬本殿

鳥居の内の区域一帯を、「神霊が鎮まる神域」とみなす。神社の周りには鎮守の杜という森林があることが多い。御神木といわれる木には、注連縄を結ばれているものもある。神社の入口には、境内と俗界の境界を示す鳥居があり、社殿まで参道が通じる。参道のそばには「身を清める」手水舎、神社を管理する社務所などがある。大きな神社では神池神橋もみられる。

社殿は本殿(神殿)や拝殿からなる。人々が普段参拝するのは拝殿で、神体がある本殿は拝殿の奥にある。本殿と拝殿の間に参詣者が幣帛を供えるための幣殿が設置されることもある。

神社の敷地(境内)には、その神社の祭神に関係のある神や本来その土地に祀られていた神を祀る摂社や、それ以外の神を祀る末社があり、両者をあわせて摂末社という。境内の外にある摂末社は境外社と呼ばれる。

また、神仏習合が始まる奈良時代以降は神社の境内に神を供養する神宮寺(別当寺、宮寺)が建てられたり、神社内に寺院が建てられたりしたが、明治初期の神仏判然令(神仏分離令)により、神社と寺院は分離され、神社の境内の五重塔や仏堂などは撤去され、神職と僧侶も区別された。

参道にある灯籠常夜灯はもともとは仏教寺院のものであり、平安時代以降、神社にも浸透したものである[9]。参道に敷かれる玉砂利は、玉が「たましい(魂)」「みたま(御霊)」「美しい」という意を持ち、砂利は「さざれ(細石)」の意を持ち、その場を清浄する意味を持っている。敷くことによってその場所を祓い清める意味があり、なお参道を進み清浄な石を踏みしめることによって、身を清め心を鎮めて、最高の状態で祈りが出来るようにしてある[10][11]


建物

宮大工による木造の日本式建築が多い。現代では、建築技術の変化や法律上の問題(耐震強度や火事対策)により、鉄筋コンクリート造も増えている。前述のようにビルの中にある神社もあり、必ずしも日本風の建物ばかりではない。ただし、神体が鎮座する本殿の形は日本式建築である。

神社は周囲に森があることも多く、夜間は警備もしにくく、放火などもみられる。そのため、一部では警備会社と契約して機械警備などを行う。防火や盗賊除けの神が鎮座する神社に警備会社のステッカーが貼ってあるのが見かけられることも多い。

神社の付属施設

多くの神社に共通する施設

本殿と神殿は別とされることもあるが通常は同一の物。常設とされる施設でも、絵馬殿[注釈 10]など時代によって変化するものもあると思われる。また、摂末社がない神社もある。また、摂末社に本来の祭神(その土地の鎮守神)が祀られる事もある。

その他の共通施設も神社によって存在しないことがあり、以上は一定の目安である。

他の付属施設

現在では参拝用の施設の他に、結婚式の設備[注釈 11]などが併設されることも多い。

本殿の様式

代表的な様式
他の様式

注釈

  1. ^ 神社に寺院のような本尊というものはなく、現存する神像彫刻はすべて平安時代以降のものばかりである[7]
  2. ^ 鹿島神宮・八坂神社・春日神社・宗像神社・日枝神社など。
  3. ^ 稲荷神社・住吉神社・八幡神社・天満宮・丹生都比売神社など
  4. ^ 倭文神社など。
  5. ^ 平安神宮・八重垣神社など。
  6. ^ 招魂社・祖霊社など。
  7. ^ 六所宮・四柱神社など。
  8. ^ 浅間神社など。
  9. ^ 伏見稲荷大社・函館八幡宮など。
  10. ^ 絵馬は後世に馬の代わりに奉納されたものであるため。
  11. ^ 明治神宮外苑など、商業的な営みも行っている。
  12. ^ 大神神社石上神宮宗像大社など。
  13. ^ 熊野那智大社の元宮である飛瀧神社など。
  14. ^ 磐座の近くに社殿がある越木岩神社など。
  15. ^ 一族発祥の地や、菅原道真の場合、遠流の地(太宰府)など。
  16. ^ 明治神宮の造営候補地など。
  17. ^ 本来は山頂にあった日光二荒山神社など。

出典

  1. ^ じんじゃ【神社】” (日本語). 世界大百科事典 第2版 (1998年10月). 2013年8月2日閲覧。
  2. ^ じんじゃ【神社】” (日本語). 大辞林 第三版 (1998年10月). 2016年8月28日閲覧。
  3. ^ http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/shumu_kanrentokei/pdf/h26_chosa.pdf
  4. ^ “続報真相 改憲急ぐ安倍首相を応援する人々 「美しい日本の憲法」とは”. 毎日新聞. (2016年3月18日). http://mainichi.jp/articles/20160318/dde/012/010/017000c 2016年3月18日閲覧。 
  5. ^ 大阪府神社庁 第六支部 東大阪市参照。なお、ここにおける単立神社には式内社石切剣箭神社等も含まれている・
  6. ^ 宝賀寿男塩の神様とその源流」『古樹紀之房間』、1996年。
  7. ^ 岡田精司 2011年 6ページ
  8. ^ 岡田米夫「神宮・神社創建史」5頁。
  9. ^ 小池, 2015 & p15.
  10. ^ 明治神宮, ウェブサイト & Q&A.
  11. ^ 日本人なら知っておきたいお寺と神社, 2006 & p211.
  12. ^ 直木孝次郎「森と社と宮」(1958年)など。
  13. ^ 稲垣栄三「本殿形式の起源」(1968年)・井上寛司「古代・中世の神社と{神道}」(2006年)など。
  14. ^ 桜井敏雄「神殿の諸形式とその特質」(1982年)・木村徳国「ヤシロの基礎的考察」(1982-84年)など。
  15. ^ 丸山茂「神社建築の形成過程における官社制の意義について」(1999年)・有富純也「神社社殿の成立と律令国家」(2009年)など。なお、有富は律令国家が幣帛を全国の神社に納めるため、一部の社にのみあった神庫と同様の施設を全国の官社に設置したとする。
  16. ^ 有富、2009年論文(同『日本古代国家と支配理念』、東京大学出版会、2009年所収)による。
  17. ^ a b c d e f g 岡田[2013:290-294]
  18. ^ 宮沢俊義『憲法講話』岩波書店岩波新書〉、1967年6月1日(原著1967年4月20日)、第2版、pp. 28-29。2009年5月22日閲覧。
  19. ^ a b c d e f g h i j k l m n 岡田[2013:291]
  20. ^ 前田孝和「海を渡ったお伊勢さま 海外神社の今」 伊勢神宮崇敬会講演録15 伊勢神宮崇敬会(2008年)
  21. ^ 「リノベ」で復活する台湾の日本神社――歴史のなかの「自分探し」が背景に ジャーナリスト・野嶋剛/Yahoo!ニュース編集部
  22. ^ マウイ神社(Maui Jinja Shinto Shrine)存続プロジェクト|Facebook”. マウイ神社(Maui Jinja Shinto Shrine)存続プロジェクト. 2017年3月6日閲覧。
  23. ^ 南米最古の神社/東京植民地神宮の夢”. 記事の墓場(過去記事集) (2007年9月4日). 2017年3月6日閲覧。
  24. ^ ブラジル・サンパウロ 神社のない鳥居 祖国とのつながり求めた 日系人社会の象徴”. ブラジルニュース ~aperto de mão~ (2011年7月27日). 2017年3月6日閲覧。
  25. ^ 石鎚神社スザノ遥拝所=厳かに早朝の山頂で祈る=創立60周年記念奉祝大祭”. ニッケイ新聞 (2016年7月7日). 2017年3月6日閲覧。
  26. ^ 県外の三吉神社”. 太平山三吉神社. 2017年3月6日閲覧。
  27. ^ パウリスタ神社鎮座祭”. ニッケイ新聞 (2006年7月4日). 2017年3月6日閲覧。
  28. ^ 『パラナ州開拓神社』建立へ=ローランジアに 文連の移民100年祭事業=日本移民の恩人祭る=5種の神具(農具)も奉納”. ニッケイ新聞 (2003年5月23日). 2017年3月6日閲覧。
  29. ^ 「神戸の水」4万本陸揚げ=パラナ州パラナグア港で=一同口揃え「おいしい」=3万本を聖市式典に”. ニッケイ新聞 (2008年6月4日). 2017年3月6日閲覧。
  30. ^ クリチーバ=兵庫会館で弥生祭=両陛下縁の記念碑で”. ニッケイ新聞 (2009年3月27日). 2017年3月6日閲覧。
  31. ^ 知られざる鳥居大国ブラジル=全伯に68基以上が判明=日系のシンボルとして=昨年一気に35基増=過半数を聖州占める”. ニッケイ新聞 (2009年6月18日). 2017年3月6日閲覧。
  32. ^ 日蘭親善協会 オランダ山蔭神道斎宮”. 日蘭親善協会 オランダ山蔭神道斎宮. 2017年3月6日閲覧。
  33. ^ 水屋神報177号 水屋の神様 フランスへわたる”. 水屋神社 (2008年11月20日). 2017年3月6日閲覧。
  34. ^ 和光神社”. 光明院フランス. 2017年3月6日閲覧。
  35. ^ “Girl Power サンマリノ共和国の神社に参拝”. Girl Power. (2014年6月26日). http://girlpower.jp/?p=351 2016年5月21日閲覧。 
  36. ^ 実はヨーロッパに輸出されている日本の神社|東條英利コラム”. デイリーニュースオンライン (2014年11月9日). 2017年6月21日閲覧。
  37. ^ サンマリノ神社”. サンマリノ神社. 2017年6月21日閲覧。






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