神戸新交通ポートアイランド線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/02 14:12 UTC 版)
運行形態
空港線の三宮駅 - 神戸空港駅間の系統(以下「空港系統」と表記)と、三宮駅から市民広場駅でループ線へ分岐し、北埠頭駅を経て中公園駅で空港線へ合流したのち三宮駅に戻るラケット型環状運転の系統(以下「ループ系統」と表記)が運行されている。ループ系統では、途中の中埠頭駅が起終点となり中埠頭車両基地へ入出庫する系統(以下「入出庫系統」と表記)も設定されている。ループ線部のみを運行する系統は存在しない。空港系統ではかつて快速列車も運行されていた[10]。
ループ系統は、市民広場駅 - 北埠頭駅 - 中公園駅間が単線のため一方向にしか列車は運転されていない[* 8]。開業当初は中公園駅 - 市民広場駅間も単線で、このループ系統しか存在していなかった。ループ系統の案内は、三宮駅から中公園駅発車まで「北埠頭行き」、中公園駅発車から市民広場駅発車まで「北埠頭経由三宮行き」、市民広場駅発車から三宮駅到着まで「三宮行き」と案内されている。北埠頭駅からみなとじま駅までのように、環状運転の向きと逆方向へと乗車する場合は中公園駅で乗り換えることとなる。ただし、2004年11月22日からしばらくの間は、中公園駅 - 市民広場駅間複線化工事により中公園駅でのラッチ内乗り換えができないためにポートターミナル駅での乗り換えとなっていた。
車両は開業当初より6両編成であり、AGT路線としては最も長い部類に入る。なお、著しい混雑が見られることから、8両編成化する計画も存在する(後述)。
運行本数
日中1時間あたりの運行本数は以下のようになっている。
ダイヤ | 種別\駅名 | 三宮 | … | 中公園 | … | 市民広場 | … | 神戸空港 | → | 市民広場 | → | 北埠頭 | → | 中公園 | → | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平日 | 普通 | 9本 | ||||||||||||||
6本 | 6本 | |||||||||||||||
土・休日 | 普通 | 6本 | ||||||||||||||
6本 | 6本 |
日中時間帯は、平日は1時間あたり空港系統が9本(5 - 8分間隔)、ループ系統が6本(10分間隔)運行されており、三宮発基準では15本になる。 土・休日は空港系統・ループ系統それぞれ1時間あたり6本(10分間隔)運行されており、三宮発基準で12本運行されている。
神戸学院大学・神戸女子大学・神戸女子短期大学・兵庫医療大学といったポートアイランド内での大学の相次ぐ開校(後に甲南大学も加わる)に伴い、2007年春のダイヤ改正から朝のラッシュ時には2分間隔での運行を実施し、また夕方ラッシュを15時からとするなどの対応がとられている。新型車両への統一や中央市民病院の移転に伴い、2011年7月1日からは、日中の三宮駅 - 神戸空港駅間を1時間あたり9本に増発したほか、夕方以降も21時台まで増発が行われた[11]。
平日朝ラッシュ時の三宮発は、空港系統とループ系統が約2分間隔でほぼ交互に運行されている。8時台では空港系統が14本、ループ系統が9本の合計23本になり、AGTの中で最も高い輸送力となっている。夕ラッシュ時は空港系統が12本、ループ系統が8本運行されている。このほか、朝晩と始発・最終を中心に入出庫系統が運行されている。土曜・休日は終日1時間あたり12本(21時台のみ13-14本)が運行されている。2016年3月28日のダイヤ改正からは三宮駅 - 京コンピュータ前駅(現・計算科学センター駅)間の列車が登場し、朝ラッシュ時の運行本数は28本となる[12]。
また、みなとこうべ海上花火大会開催時などは中公園駅などが大変激しく混雑するため、1分間隔での運転も実施されている。
原則として無人運転(自動運転)となっているが、有人運転(手動運転)列車の設定もある(平日ダイヤの三宮発13時13分・15分、14時13分・15分、15時13分・15分の6列車)[要出典]。
快速(廃止)
神戸空港駅までの延伸開業とともに、2006年2月2日より快速運転が開始された[10]。AGTの中では当時唯一の速達列車であった[* 9]。三宮駅 - 神戸空港駅間の空港系統でのみ運行され、途中貿易センター駅、ポートターミナル駅を通過していた[13]。朝夕ラッシュ時を除いた時間帯に1時間あたり2本運行され、三宮駅 - 神戸空港駅間を16分半(普通列車は18分)で結んでいたが、2016年3月28日のダイヤ改正で廃止された[12] 。
注釈
- ^ a b 走行車軸の中心間。案内軌条間は2,430mm、集電装置間は2,796mm。
- ^ 正式には、空港線・ループ線等の区別はない。
- ^ Port-Loop
- ^ 貿易センター駅南側で阪神高速3号神戸線を乗り越す前後区間と中公園駅北側のポートピア大橋との接続部(3か所)。
- ^ 混雑率では、日暮里・舎人ライナーが上回るものの、輸送力、輸送人員はともにAGTの中で最も多い。
- ^ 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける以前の2018年の混雑率:128%
- ^ 神戸国際港都建設法及び都市計画法等に基づく都市高速鉄道としての名称は「都市高速鉄道6号新交通ポートアイランド線(三宮 - (南公園) - 中公園間)」及び「11号新交通ポートアイランド線延伸線(市民広場 - 神戸空港間)」で、軌道法区間における路線名はそれぞれ「新交通専用道1号線(三宮 - ポートターミナル間)」、「同2号線(中公園 - 南公園間)」、「同5号線(市民広場 - 神戸空港間)」である。
- ^ 日本のAGTで同じ例は山万ユーカリが丘線でも見られる。
- ^ 過去には、1999年から2004年の間、広島高速交通広島新交通1号線(アストラムライン)で急行列車が運行されていたことがある。
- ^ なお、移行される際に、ポートアイランド内の値上げに対する反対意見が多く見られたことから、ポートアイランド内は現行維持とし、事実上の値下げ区間も発生した。
- ^ 年によっては1月上旬まで運行。
出典
- ^ a b c d e 神戸製鋼所『R&D 神戸製鋼技報』1981年4月号「新しい都市交通システムの展開」pp.1 - 7。
- ^ 『鉄道ファン』(交友社)2014年12月号、p96-101「ようこそAGTへ 新交通システムのすべて 関西・中国のAGT車両編」、JAN 4910064591245
- ^ a b “市民のグラフ こうべ No.101(昭和56年2月)ポートライナー”. 神戸市市長室広報課. 2015年7月3日閲覧。
- ^ 『鉄道ファン』通巻650号 p.118
- ^ 『鉄道ファン』通巻650号 p.115
- ^ 『鉄道ファン』通巻650号 p.117
- ^ a b c d e f 『鉄道ジャーナル』通巻393号
- ^ “最混雑区間における混雑率(令和4年度)” (PDF). 国土交通省. p. 6 (2023年7月14日). 2023年8月12日閲覧。
- ^ a b c d e f 日本モノレール協会『モノレール』48号(1982年10月)「神戸新交通システム、ポートライナーの建設費について 」pp.2 - 15。
- ^ a b c d ポートライナー線延伸線開業に伴うダイヤ改正について(神戸新交通お知らせ・インターネットアーカイブ)。
- ^ 『ポートライナーのダイヤ改正』(PDF)(プレスリリース)神戸新交通株式会社、2011年3月10日。 オリジナルの2012年9月5日時点におけるアーカイブ 。
- ^ a b c d “ポートライナーのダイヤ改正”. 神戸新交通. 2016年3月15日閲覧。(インターネットアーカイブ)。
- ^ ポートライナー停車駅のご案内 (PDF) (神戸新交通・インターネットアーカイブ)。
- ^ “神戸の「ポートライナー」初代車両引退へ”. 読売新聞. (2009年10月16日). オリジナルの2009年10月18日時点におけるアーカイブ。
- ^ 日本鉄道車輌工業会『車両技術』147号(1980年3月)「神戸新交通システムの概要」pp.53 - 62。
- ^ カワサキモータース(株)加古川工場(インターネットアーカイブ)
- ^ 川崎重工業「車両とともに明日を拓く 兵庫工場90年史(正史)」103-104P。
- ^ a b 神戸新交通ポートアイランド線延伸事業(神戸新交通お知らせ・インターネットアーカイブ)。
- ^ a b 平成16年11月20日(土)、21日(日)複線化のための切替工事に伴いポートライナー全区間の運行休止及び代替輸送についてお知らせいたします。(神戸新交通お知らせ・インターネットアーカイブ)。
- ^ a b ポートアイランド線の運行休止と代替輸送について(神戸新交通お知らせ・インターネットアーカイブ)。
- ^ 『神戸新交通ポートアイランド線の駅名変更』(PDF)(プレスリリース)神戸新交通株式会社、2010年10月28日。 オリジナルの2012年9月3日時点におけるアーカイブ 。
- ^ a b “駅名変更のお知らせ” (PDF). 神戸新交通. 2021年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月29日閲覧。
- ^ 川島令三著 『日本三大都市 未完の鉄道路線』 p305
- ^ a b c d e 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』平成18年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会、p.207, 242
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、151頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ “中公園・北埠頭間運行計画” (PDF). 神戸大学附属図書館. p. 3 (1995年5月15日). 2015年7月3日閲覧。
- ^ “運行再開に係る連絡票” (PDF). 神戸大学附属図書館. p. 5 (1995年6月5日). 2015年7月3日閲覧。
- ^ “運行再開に係る連絡票” (PDF). 神戸大学附属図書館. p. 9 (1995年7月31日). 2015年7月3日閲覧。
- ^ 外山勝彦「鉄道記録帳2002年11月」『RAIL FAN』第50巻第2号、鉄道友の会、2003年2月1日、21頁。
- ^ 『神戸新交通ポートアイランド線の駅名変更』(PDF)(プレスリリース)神戸新交通、2020年11月16日。 オリジナルの2020年11月17日時点におけるアーカイブ 。2020年11月17日閲覧。
- ^ “「京」は駅名からも引退 神戸のポートライナー 「計算科学センター」駅に”. 毎日新聞. (2020年11月17日). オリジナルの2020年11月17日時点におけるアーカイブ。 2020年11月17日閲覧。
- ^ “スパコン「京」駅名変更へ 神戸新交通、富岳は使わず”. 共同通信. (2020年11月17日). オリジナルの2020年11月17日時点におけるアーカイブ。 2020年11月17日閲覧。
- ^ “会社沿革”. 交友印刷株式会社. 2009年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年5月27日閲覧。
- ^ 『「神戸どうぶつ王国列車」運行について』(プレスリリース)神戸市、2015年6月22日。 オリジナルの2017年1月3日時点におけるアーカイブ 。2017年1月3日閲覧。
- ^ 『「神戸どうぶつ王国列車」運行について』(プレスリリース)神戸市、2016年6月10日。 オリジナルの2017年1月3日時点におけるアーカイブ 。2017年1月3日閲覧。
- ^ “「神戸どうぶつ王国列車」の運行について”. 神戸新交通公式Facebookライナーくん (2016年6月11日). 2017年1月3日閲覧。
- ^ “本日7/2㈯「神戸どうぶつ王国列車」が運行しました!”. 神戸どうぶつ王国公式Facebook (2016年7月2日). 2017年1月3日閲覧。
- ^ 劇場版「ペルソナ3」公開記念一日乗車券の発売について - 神戸新交通、2013年10月25日閲覧
固有名詞の分類
近畿地方の鉄道路線 |
神戸電鉄三田線 近鉄生駒線 神戸新交通ポートアイランド線 JR神戸線 六甲摩耶鉄道六甲ケーブル線 |
案内軌条式鉄道路線 |
札幌市営地下鉄東豊線 西武山口線 神戸新交通ポートアイランド線 ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線 埼玉新都市交通伊奈線 |
- 神戸新交通ポートアイランド線のページへのリンク