確率分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 05:18 UTC 版)
変数変換
確率変数の変数変換による新しい変数の密度関数は、元の変数の密度関数で書くことができる。この公式は重積分における変数変換とほぼ同様である。
確率密度関数の変数変換公式
から への変換 T により、 値確率変数 X と Y が
と書けているとすると、Y の確率密度関数は X の確率密度関数を用いて
となる。ただし J はヤコビアンとする。
例えばボックス-ミューラー変換は (0, 1]2 上の一様分布に従う確率変数 X = (X1, X2) を
によって変換する。X の密度関数は
であり、上の公式を当てはめると Y の確率密度関数は
となり、Y が二次元の標準正規分布に従うことが分かる。このように単純な分布を持つ変数を変換して、複雑な分布を作る操作は計算機による乱数の生成で重要となる。
確率変数の和の確率分布
2つの確率変数 X と Y の和 X + Y の確率分布や差 X − Y の確率分布は変数変換公式により計算できる。特に X と Y が独立で、確率密度関数がそれぞれ fX と fY だったとすると、和と差の確率密度関数は
となる。
特に和の確率密度関数は2つの分布の確率密度関数の畳み込みである。また、特性関数は確率密度関数のフーリエ変換であり、畳み込みのフーリエ変換は周波数領域における積であることから、和の特性関数は2つの分布の特性関数の積となる。
なお、確率変数の和の確率分布が元の分布族に従う場合、その分布は再生性があるという。
出典
- ^ JIS Z 8101-1 : 1999, 1.3 確率分布.
- ^ Klenke, Achim (2014). Probability Theory: A Comprehensive Course (Second ed.). Springer. p. 41. ISBN 978-1-4471-5360-3. "We write if and say that has distribution ."
- ^ a b JIS Z 8101-1 : 1999, 1.4 2次元分布関数.
- ^ JIS Z 8101-1 : 1999, 1.6 周辺分布.
- ^ 今野 1995, 第1章パーコレーションのモデル.
- ^ 今野 1995, 第2章分岐過程.
- ^ 今野 1995, 第4章無限粒子系.
- ^ 今野 1995, 第5章その他のモデル.
注釈
確率分布と同じ種類の言葉
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