石川県 概要

石川県

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 15:26 UTC 版)

概要

石川県の名称は加賀地方にあった石川郡に由来し、さらに石川郡との命名は本県最大の河川手取川の古名である「石川」に由来する。1872年明治5年)、金沢県庁が石川郡美川町(現・白山市)に移転した際、その郡名により石川県と改名された。翌年、県庁が再び金沢に移転した後も県名はそのままで現在に至っている[1]。なお、金沢も市制施行前である当時は石川郡に属していたため、県庁所在地と県名に不整合はなかったといえる。

形状は、東西約100km、南北約200kmと南北に細長い。県南部の加賀地方は西側に日本海の直線的な海岸線が続き、東側に両白山地の山々が連なる。南東部には県内で最高峰の白山(2,702m)がそびえる。県北部の能登地方は日本海に向かって北東方向に突き出た半島能登半島)となっている。このため県全体の海岸線の総延長は約580kmに及ぶ[2]。これはJR東海道本線東京駅神戸駅間(589.5 km)に相当する距離である。

気候は日本海側気候型である。西寄りの風が日本海を流れる対馬暖流の上で水蒸気を蓄えて雷雲となり、両白山地に当たって降水をもたらすことが多い[3]。都道府県別の年間降水量は5番目に多い[4]。特に冬は北西からの季節風が続くため降水量が多く、山間部は豪雪地帯となっている[5]。降雪時に雷鳴を伴うことが多く[3]、この現象は鰤(ブリ)が獲れる時期と重なることからブリ起こしと呼ばれている[6][7]

県民人口は約110万人である。都市別では金沢市が最多の約46万人と約40%を占める。次いで多いところは白山市小松市のそれぞれ約11万人であり、金沢市を中心に県南部の加賀地方に人口が偏在している[8]。金沢市の人口は、北陸地方では新潟市に次いで2番目(北陸3県に限れば 1番目)であり、北陸経済の中心地の一つとなっている。

2005年平成17年)の従業者数約60万人のうち約65%が第三次産業に、約30%が第二次産業に従事している[9]。特徴としては、第二次産業の中では製造業の割合が高く、また製造業の中でも従業者の過半数が一般機械や電気機械などの機械関連で働いていることが挙げられる[10]。1人当たりの生産用機械器具製造業出荷額では全国1位となっている[11]

江戸時代加賀国能登国越中国を領地としていた加賀藩は学問や文芸を奨励したことから、城下町の金沢を中心にして伝統文化が興隆し、今に受け継がれている[12]。金沢市では能楽加賀宝生織物染色技法である加賀友禅蒔絵を施した金沢漆器茶道具に用いられる大樋焼などが伝わる。その他、輪島市輪島塗加賀地方九谷焼など芸術性の高い伝統技術が継承されている。人口当たりで見た日展(日本美術展覧会)や日本伝統工芸展の入選者数は全国1位となっている[4]

石川県を訪れる観光客は2010年(平成22年)で約2,150万人と見られ、このうち約820万人が金沢市周辺、約680万人が能登地方、約660万人が(金沢市周辺を除く)加賀地方を訪れたとされる。主要観光地で利用者数が多いのは、金沢市では兼六園金沢城公園金沢21世紀美術館ひがし茶屋街、能登地方では輪島市の輪島朝市七尾市和倉温泉能登食祭市場羽咋市気多大社、同市と宝達志水町に跨る千里浜、加賀地方では加賀市山代温泉山中温泉片山津温泉、小松市の粟津温泉木場潟公園、白山市の白山比咩神社などである[13]

全国47都道府県で唯一、太平洋戦争で空襲を受けていない[14]

また、北陸3県の中で唯一水素ステーションがなく、MIRAIの購入は2021年11月現在できなくなっている。


注釈

  1. ^ 石川県では他の都道府県と異なり県章を定める告示が無いため、県旗のデザイン部分を「県旗標章」として代用している。標章として使用する際の配色は特に定められていないが、慣例的にセルリアンブルーや金色が使用される。
  2. ^ 「県の花」でなく「郷土の花」の呼称を使用している。
  3. ^ 各市町村内の町名には「ちょう」と読むものもある。例:金沢市南町(みなみちょう)
  4. ^ 南加賀土木総合事務所の所管区域は、能美郡および能美市のうち手取川河川区域が除かれ、石川土木総合事務所の所管区域とされている。
  5. ^ なお、鳳至郡2町(穴水町、門前町)を鳳町とする合併協議は白紙撤回されている。
  6. ^ 発見したのは、土器石器を集めるのが趣味だった高校生。 彼が住む灯台笹(とだしの)の丘陵で土器や石器約20点を採取した中に打製の旧石器が含まれていた。 その石器は木の葉状に整形された槍先に用いる尖頭器1点とナイフ形石器5点であった。 これを旧石器と見分けたのは当時の高校教諭。 その後この遺跡が発掘され、片刃石器や掻器が発掘されている。
  7. ^ かつては一部のCATVで行っていたが2011年7月24日の地デジ完全移行までにすべて終了した。

出典

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  6. ^ a b c 「12月の気象〜冬の雷〜」気象庁
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