真性半導体 真性半導体の概要

真性半導体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/27 05:29 UTC 版)

真性半導体(しんせいはんどうたい、: intrinsic semiconductor)とは、添加物を混ぜていない純粋な半導体のことを指す。しかし、実際には不純物などの欠陥は固体中に必ず存在するため、欠陥の影響を無視できるような半導体を真性半導体と見なすことになる[1]価電子帯の電子が熱や光によって伝導帯に励起することで、伝導帯には伝導電子が、価電子帯には正孔が生じ、この2種類が真性半導体のキャリアを担う。

価電子帯の電子が熱や光によって励起し、伝導帯に電子(黒丸)、価電子帯に正孔(白丸)が生じる。

バンド間遷移

価電子帯にある電子がエネルギーを得て伝導帯へ遷移すること、あるいは伝導帯にある電子がエネルギーを放出して価電子帯に遷移することをバンド間遷移(inter-band transition)という。価電子帯の頂上と伝導帯の底の波数ベクトルが(ほぼ)一致するバンド間遷移を直接遷移、異なるバンド間遷移を間接遷移という。

直接遷移

光吸収によってバンド間遷移が起こるとき、価電子帯にある電子の波数ベクトルを kv、伝導帯に遷移した電子の波数ベクトルを kc、光の波数ベクトルを k とすると、

オレンジ:半導体の状態密度(上は伝導帯、下は価電子帯)、青:電子のフェルミ分布、緑:キャリア密度(上は電子、下は正孔)

本節では、真性半導体のキャリア密度を導出する[4]

エネルギー分散

真性半導体におけるキャリア密度を導出するために、価電子帯と伝導帯のエネルギー分散を単純化する。価電子帯も伝導帯も1つのバンドから成り、それぞれの有効質量に異方性がないものとする。つまり、放物線近似を適用したエネルギー分散を考える。

伝導帯:

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