直観 認知科学における直観

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直観

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/14 02:24 UTC 版)

認知科学における直観

認知心理学者エリザベス・スペルクによれば、生まれたばかりの赤ん坊でも物体が宙に浮いているのを見たとき、それが地面に置いてあるときよりも長く見つめる。つまりそれが注意を向けるに値する出来事であると「知って」いる。また教育を受けた大学生であっても、単純な物理問題に正答できないことがある(例えばC型の筒から打ち出された球はどのような動きをするか?)。このように生まれながらにして持っており、学習や経験の影響を受けにくい物理の理解能力を認知科学ではIntuitive physics(直観物理学)と呼ぶ。

同様に人類学者スコット・アトランは生物に関する初歩的な知識が十分な学習や経験を経ない幼い子どもにも備わっていることを論じた。このような性質はIntuitive biology(直観生物学)と呼ばれる。心理学者デイビッド・プレマックは人間を含む類人猿に、他者にも心があり自分とは異なる意思や欲求を持っている事を推論できる能力が備わっていると指摘した。この性質をIntuitive psychology(直観心理学、素朴心理学)、あるいは心の理論と呼ぶ。

また、人間は、道徳的感情を直観として持っているとの意見もある。これらは、直観道徳と呼ばれる。(道徳の認知科学を参照のこと。)

これらは総称して直観的推論と呼ばれることもある。それぞれが独立した進化的過程を通して形作られ、独立した神経構造あるいは心のモジュールを持っており、遺伝的で、学習や経験の影響を受けにくいと考えられている(進化心理学の立場)。この意味で認知科学における直観は、より本能に近いと考えることができる。

その他

  • 直観は、技術の習熟度が上がるにつれ人間は専門的知識より直観的理解に頼るとするドレイファス兄弟の技術習得モデルの、もっとも高度な形式である。
  • 直観は、速やかな解決策をもたらすものではない。一晩の睡眠は、しばしば直観の手助けとなる。ロシアの古い格言にいわく、「よりも多くの事を知っている」。
  • 直観型は、マイヤーズ・ブリッグスのタイプ分類法の四つの主軸の内の一つである。

参考文献

  • ゲーリー・クライン著 佐藤洋一監訳 『決断の法則:人はどのように意思決定するのか?』トッパン 1998年 ISBN 4-8101-7808-0 
翻訳の質がいまひとつであり、意味不明瞭な文章や、訳語の選定誤りや不統一が散見される。



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