発泡プラスチック
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フェノールフォーム
フェノールフォーム(PFフォーム)は1940年代には開発され、ドイツの航空機にバルサの代替として用いられた。その後PURフォームが市場で大きく受け入れられて生産量はわずかに留まっていたが、1985年6月に準不燃材料試験方法が大幅に改訂され、日本ではPFフォームの優位が見直された。なお、ガラス繊維強化フェノール樹脂(PF-FRP)を多孔質体とみなし、広義のPFフォームに加える場合もある[32]。
他有機物材料の中でPFフォームを上回る難燃性、耐熱性、低発煙性は現実的には無く、原料のホルムアルデヒド残留問題は解決している[33]。しかしPFフォームは強度に劣り、また硬化剤の残留から酸性を示す点、および技術開発が浅く生産性やコストには改善の余地を残している。
- 原材料
- フォーム用フェノール樹脂はノボラック型・レゾール型の両方とも利用される。発泡剤は、ノボラック型には熱分解型が使われ、フェノール型には以前はフロン類が用いられていたが研究開発の結果炭化水素類に切り替わった[33]。ノボラック型は架橋剤としてヘキサメチレンテトラミンなどが使われる。その他の原料は、整泡剤としてシリコーン系化合物、発泡剤がレゾールや硬化剤との相溶性に劣る場合は界面活性剤が用いられる。PFは酸性であるため、用途によっては亜鉛やアルミ粉末などを加える場合もある。
- 製法・性能・用途
- ノボラック型PFフォームの原料は固体であり、これに架橋剤や発泡剤などを加えコンパンウンドした粒状体を金型またはプレスにて加熱加工する。化学プラントのパイプカバーなど工業用途にて採用されるが、建築分野ではあまり使われていない。
- レゾール型は硬質PURフォームと同様に多様な製造方法が取られる。ブロック発泡法は用途例が少ないが、華道の剣山用フォームは連続気泡をつくるためにアニオン系界面活性剤などを加えてこの方法で作られている。注入発泡法ではオープンモールドからクローズトモールドまで利用され、サンドイッチパネル類の製造に用いられる。同じサンドイッチ構造を得るには、生産性が高い連続ラミネート法が主流を占める。現場発泡は硬質PURフォームと同じ建設分野の断熱剤用途のうち、難燃性が特に求められる箇所で採用されている。
注釈
出典
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